【四天王朱雀】全てが規格外!!四天王最強の男!!
朱雀さんは今まで出会った数多くの警備員の中で最強の人でしたね。
俺、上京して警備員になったんだけど、そこの警備隊長と折り合いが悪かったり、以前百貨店でビルメン担当していた経験を見込まれたりして警備会社の本社勤務に異動になったのね。
で、俺が警備員として勤務していた現場は東京だったんだけど会社自体は埼玉にあったのよ。
東京と埼玉の差はすごかったな。警備の求人出すと勤務地が東京だとバンバンに応募がくるのに埼玉は全然こないの。
で、やっと1人来たのが朱雀さんだったんです。電話応募でね。
翌日履歴書持参で面接来ることになってね、その時間になり40半ばから50位の男の人が会社に来たわけですよ。
格好が凄かったね。まず髪なんだけど背中くらいまで伸びてたの。
服装も別にスーツ着なくてもいいと思うけどさ、チェックのシャツにジーパンで黄色いリュックしょって、「たんけんぼくのまち」のチョーさんみたいだった。古いか(笑)
靴もいわゆるズックっていう学校の内履きみたいなの履いててね。俺の第一印象は正直"(面接)落ちたな"。
でも結局、髪を短めに切るという条件で朱雀さん、採用されました。
で、翌日会社に来た朱雀さん見てビックリよ。あれだけ長かった髪、短めに切ったどころかスキンヘッドにしてきやがった。その時点で大物感が漂ってたね。満を持して応募した現場に着任させたんです。
ところが朱雀さんが着任してから2時間くらいでそこの現場の隊長から電話がかかってきて、一言「無理です」と。
上司が「何が無理なの?」って聞くと「全てです」だってさ(笑)
それで上司から指示受けて次の日にその現場の新任研修の様子を見に行ったのよ。隊長が言わんとしてた事がよく分かりました(笑)
朱雀さん仕事全く覚えてないクセに俺に自身の事色々語ってきてね。いきなり宗教入ってるって言い出したのよ。聞いた事ない宗教名だったけど、そこに多額の献金してるらしくて。亡き親父さんから受け継いだ家も売り払ったってさ。
それはこっちに関係ないんだけど、朱雀さんそこの宗教の集会に俺を連れてくるって勝手に約束しやがった。基本年上には言葉遣いは丁寧にしようと心がけてるんだけど「てめぇマジでふざけんなよ!」って言っちゃった。
某ショッピングモールの件も凄かったな。そこのモール、夜になると中・高生がタムロして一般客の買い物の妨げになってたのね。それで見回り要員を1人増やす事になって朱雀さんに白羽の矢が立って現場に向かわせたんだけど、中学生が怖くて声掛けられなかったってさ(笑)
極めつけは俺も悪かったんだけど、夜中まで職場の同僚やテナント社員さん達とカラオケ行ってとうに終電時間過ぎたから朱雀さんが夜勤してたビルに朝5時くらいまで居させてもらおうと思ったのね。
そのビルに着いて社員用通用口のインターホン押して「スミマセン、○○ですけど開けてもらっていいですか?」って頼むとカチャっとすぐに掛かっていた鍵が解けたよ。
で、朱雀さんに礼を言うと「えっ?今外からインターホン押したの○○さんだったんですか?」って聞いてきやがった。どの○○さんだと思って無警戒にカチャって開けたんだよ(笑)
とにかく朱雀さんエピソードは山ほどあって全部書くとキリがないので割愛します。夜中に崩れた格好で居眠りこいててさ、それを見た残業のテナント社員が救急車呼んだ事もあったよ。
でも俺は朱雀さんの事好きでしたよ。残念ながら結局数ヶ月でクビになっちゃったけどね。