【四天王青龍】次から次へと繰り出される嘘のマシンガン!!
青龍さんは、とにかく嘘つきでしたね。後先考えずに単発で嘘をつき続けるから最後は収拾つかなくなるの。
例えば、中学の時科学部だったって言ってたんだけど別の日には暴走族に入ってて高校では総長だったってぬかしたから。更に高校野球の季節になると野球部だったって言い始めて最後はボクシング部だったってほざいたからね。
俺がいたビルメン現場の警備隊長だったんだけど、彼に「暴走族時代の武勇伝聞かせて?」って言ったの。
青龍さん、3000台のバイク引き連れて街道爆走して立ち塞がった警察のパトカー3台ひっくり返して、最後は河川敷で解散したってさ。
何か聞いた事あるエピソードだなって思ってたら、サラリーマン金太郎の1巻のそれなの(笑)。それをマジ顔で自分の武勇伝として語ってたからね。
こともあろうにその話を信じた若い警備員がいてさ、ある時俺と青龍さんが言い争いになった後に「○○さん、青龍さん怒らせないほうがいいですよ?あの人、元暴走族の総長ですよ?」って勧告してきたから。
後日、B○OK・OFFでサラリーマン金太郎の1巻買って若い警備員に渡すと「あいつブッ56してやる!!」ってキレてた(笑)
青龍さんの嘘はバラエティに富んでてさ、有名女優の演技指導しただとか、陰陽師の末裔だとも言ってたな。
それらの嘘は他の人に害を与えないからまだいいんだけど一番やっちゃった嘘が、ある日急に自身が既婚者だと言ってきてね。
その割には青龍さん、毎日コンビニの唐揚げ弁当ばかり食べててどう見ても栄養が偏ってたんだよね。だから「奥さんに弁当作ってもらわないんですか?」って聞いたら「うっ!」って短く呻いた後「いや…実は今、病気で入院してんだよ」って言い訳かましてきた。単発で嘘ついて後先の事考えてないから、虚を突かれると脆いのよ(笑)
可哀想だからこれ以上追い詰める気はなかったんだけどさ、その話の後すぐに青龍さん同僚とキャバクラ行きやがった(笑)。奥さん入院してんのにキャバクラかよ。
極めつけは嘘を清算したかったんだろうね、奥さんが亡くなったって言い出してさ、その話が警備の会社全体に広がってしまったのね。で、警備会社の社長が葬式に行く準備を始めたんで青龍さんが顔真っ青にして「来なくていいです!!」って必死に止めてたよ(笑)
大学の話も笑っちゃったな。青龍さんのとこに国立大卒の若い警備員が2人配属されたんだよね。それで元からいる高学歴の警備員と3人で大学の話してたら、青龍さんが会話に割り込んで来て「俺がいた大学はね~」と語り始めたらしいの。
青龍さん、専門学校しか出てないからね。
承認欲求の塊のええカッコしぃ、部下からの人望はなさそうだったけど彼の事も憎めなかったよ。