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おーさま

作者: 尾生 礼人

(`Δ´) ──だって、おーさま が わるいんでしょ?

命令 出してんの、おーさま じゃん?


(-_- ) ……そうだね。命令を出してるのは、王様だね……


( ・_ゝ・) ?


(ー_ー;) 今の王様は、傀儡(カイライ)なんだよ。


( ゜A゜ ) ……誰の?


(-.-) 2人の王兄……

少し前まで第一 王子と第二 王子だった人たちだよ……


( ゜o゜) ……。


(-_- ) 先代は元より、先々代──

その もっと前から、われわれの国は腐敗してきた……。


( ´△`) 不正を行う役人たち、役人と手を組み国庫からカネを引き出す商業ギルド、彼らとつるんで分け前をせしめる貴族院 議員たち、そして分け前の そのまた分け前に群がる数多の──平民たち……。


(ー_ー ) 第一 王子 派閥と第二 王子 派閥は、その代表なのだよ……


(`ロ´;) そ、そんなの……

おーさまなら命令して、やっつけちゃえば、いーぢゃん?


( ´_ゝ`) その命令を……

'誰が' 受けて、'誰が' 実行するんだい?


( ・_ゝ・) ……?

だって、おーさまの命令は '絶対' なんでしょ?


( ´_ゝ`) いいや? 例えば、王様が '死ね' と命令したら、死ぬかね?


(`ロ´;) 死ぬわけないじゃん!!!


(-_- ) そうだね。誰も死なないね……。

'これまでやってきた不正を今すぐやめろ!'

とか、

''これからは真面目に働け!'

と言ったところで、だぁれも聞いたりはしない……。

わるくすれば、王様は暗殺。

良くて '病死' だ。


(;`Δ´) でも──!

おーさまは、王家 直属の近衛 騎士団に守られてるんでしょ!

王家 直属の医師団だって いるし!

ありえないでしょ!?


( ´_ゝ`) ……そうだな。

ただし、彼らは王 '様' の 直属じゃない。

王 '家' の 直属だ……。

そして彼らも、歴代の王や役人たち、商業ギルドや貴族、数多の平民どもと仲良く国庫を食い荒らしてきた──


( ;・_ゝ・) で、でも……


(ー_ー) 増税に次ぐ増税──

あいも かわらず続く悪政──

だが、それは王様の本意かな?


( ゜o゜) ……ちがうの?


( ´_ゝ`) 憎まれ役だよ。


( ゜A゜ ) ???


(-.-) 第一 王子も第二 王子も自分が王様になるつもりで、水面下で熾烈な争いを繰り広げてきた。だが、いよいよ国の財政が いけなく なってきた……。

上中下、全てが腐敗し、能力ある──実力主義の諸外国でも やっていける人たちは国外へ……。残ったのは、そこまで実力がない人たちだ。

かつて大国だった われわれの国は、とうに貧しくなっていたんだよ……。


( `_ゝ´) だが、第一 王子 派も、第二 王子 派も、いまさら役人や商業ギルド、貴族──そして数多の平民たちを敵に回したくはない……。

国庫からカネを引き出すのを やめさせられないし、自分たちも やめたくない……。

国庫がカラなら大増税は避けられないが、矢面には立ちたくない──


( ゜o゜) ……それで、立場の弱かった第三 王子を即位させたの?!


(-_- ) そうだ。


(・・、) こ……これから、どーなんの?


(; `_ゝ´) 分からん──

第三 王子の即位前の噂は そう悪いものではなかった……。

今、(チマタ)で聞く悪い噂は、王兄(オウケイ)、役人、商業ギルド、貴族、そして 不正の分け前に預かる(オビタダ)しい(カズ)の平民たちが流したものだ……。

誰が悪いか分かってる者は、報復を恐れて何も言えないし、勇気を出して口に出したところで誰も止まらない──。


(ー_ー;) よく分かってない、何も知らない者たちは、乗せられて王様を非難しているが、退位させることが出来たとしても、良いことは起きないだろうし、もし良いことが起きたとしたら、それは遠い昔に行われたトリックの焼き直しだろう……。


(゜゜;) ……トリック?


( ̄ー ̄) 遠い昔……

時の宰相が辣腕を振るって腐敗を断ち、貧しくなった国を再び豊かにしたが、クーデターが起きて全て台無しにされ、改革前よりも さらに貧しくなったと言う……。


(゜ロ゜) さらに貧しく……?!


(-_- ) 不正を行ってきたことで国政の中心から外された政敵と その一派は、クーデターを起こす前に作物の買い占めを行い、宰相が どんなに頑張っても市場に作物が出回らないようにした……。


(-""-;) そして同時に、

'こんなことになったのは、宰相のせいだ!'

と噂を流したのだ──。

クーデターの直後、政敵は買い占めていた作物を市場に放出。

何も知らない者たちは、

'宰相が倒れたおかげだ!'

と、大喜びしたが、それは ぬか喜びでしかなかった──。

改革に協力した(ココロ)ある者たちは全て牢屋に入れられるか、あるいは放逐(ホウチク)され、改革の成果は白紙に戻され、悪しき諸制度が復活。より がんじがらめ に されて以前よりも腐敗し、さらに貧しくなった……。


( ;・_ゝ・) そんなことが……。

でも……先代の おーさまの時は、うまく いってたって、きーてるよ?

やっぱり、今のおーさまがダメなんじゃないの?


( `_ゝ´) ……何事にもカラクリは あるものだ。

先王は、イザという時のための蓄えを国民に黙って勝手にバラまき、好景気に見せかけていただけなのだ──


(゜ロ゜;) えぇっ──!?


(-_- ;) そして そのせいで今、われわれの国は とことん貧しくなっている……。


(ToT) どーにも ならないの……?


( ´△`) さあな……。

王様に期待するしかないが、王様 一人ではな……。

なにしろ、国民の大半が国庫に寄生しているからナァ……。


( TДT)

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