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かみさまなやみききます。


夢か現実化か分からない

長い時間が経過したような幾度もの人生を経験したような錯覚から目覚め悪く目を覚ますと見覚えのある部屋だった。


「頭が痛いわ」


「俺もすこし頭がくらくらするな」


「私は一体何をしてたのかしら」


「僕は・・ベェーナスちゃん!!」


『私はここです。父さん』

「父さんと言ってくれるんだね」

ヘパイストスさんがベェーナスちゃんと言われた地球儀のような神器を抱きしめる。


「!!」

目の錯覚だろうか記憶では地球儀のような形をしていた神器はどこにもなく。

ヘパイストスさんが抱きしめるのは可愛い魔法少女のような恰好をした少女だった。


「いいわね。なんか涙が流れてくるわ」

へーぺさんが涙をながすと隣のヘラクレスさんがそっと抱きしめる。


「どおして?」

呟く女性をみるとアサガオさんだった。

普段のクールな表情とは別で驚いた顔をしていた


「大丈夫ですか?」

心配した佐藤さんが駆け寄る


「大丈夫です。なにか記憶が混濁していまして、混乱しております」


「私も混乱しております。良かったらすこし皆さんで落ち着きませんか?」

俺はそう提案する。本当に混乱している。どこまでが夢、いや幻覚、それとも・・


「皆さんコーヒでもいかがでしょうか?」

佐藤さんがそう提案すると各々飲みたいドリンクを伝える

「頼みます」

「よろしく」

「私はコーヒが苦手なのでミルクティーにしてもらえるかしら」


「じゃあオレはレモンティーで」

「ならオレはコーラで頼もう」


ん?注文を頼む声がおおくないか


「ヘルメスさん!アレスさん!いつの間に?」

そこには二人の神が立っていた


俺の声でヘルメスさんはこちらを向いて右手で少し風を切る

「ヘルメスさんも会社に来てたんですか?」


「安井。何を水臭い事言っているんだ。オレとお前の仲なんだから常に近くにいるに決まっているだろうがよ」

ヘルメスさんは俺の横にきて腕を回してくる。やけに距離感が近い。こんな人だったような、違うかったような座りの悪い感覚がある。


「俺も仕事の打ち合わせで会社に来ていてな、少し違和感を感じてここに来たんだ」

アレスさんも俺の隣にきて空いてる長テーブルの椅子に座る


「では準備します。少々お待ちください。」



◇◇◇



そこから談笑という形でみなさんと話したんだが、みんな一様に話が微妙に食い違いが発生した。


一番大きい違いはベェーナスちゃんの神器のことだ。


ベェーナスちゃん自体が俺のあやふやな記憶では今回神器のお披露目として公開されたという記憶なのだが、人によってはベェーナスちゃんはヘパイストスさんとビィーナスの間の娘で特殊な能力の才能があるため最近まで幽閉のように隔離していたという話。ちなみにこれはアレスさんでの記憶。

ヘラクレスさんの記憶ではヘパイストスさんが人型の自立型神器の発明に初めて成功して、それのお披露目会が今日となっていたというのだ。

奥さんのへーぺさんも同じなのだが、少し違うのが初めてではなく。一度行方不明になった発明品、いや娘と言っても過言ではない神器が今日戻ってくると聞いていたと

佐藤さんとアサガオさんはは全く知らなくて今日初めて会って娘として紹介されたと言っていた


俺の記憶では地球儀のような神器であり夢のなかで魔法少女のような姿であったような・・うう自信がない。

ヘパイストスさんの仲の話では昔作成された人型の神器に今回新たな発明の疑似魂を埋め込むことに成功して自分の娘として仕事での活躍を期待していたそうな。

ちなみに前回の発明時に失敗して封印したため記憶があれば嫌われていると思っていたが今回お父さんと言われて感激したとのこと。

ベェーナスちゃんの記憶もヘパイストスさんと同じとのこと。

どうやら俺の記憶が一番離れているようだ。

正直自信なくすよな。記憶に自信がもてない。


「では今回どうして集まってたんでしたっけ?」


「だから新たな試練の力になる。ヘパイストスの発明品のお披露目だろ」

「創生世界の新たな取り組みでしょう」

「オレは創生の力に興味があって」

「会社に借金返済の件で」

「アオハルの力を感じて惹かれてきたの」


ん?


「ヘパイストスの発明品はわかるが試練とは?なんの話だった」

「創生の力の取り組みとは、なんだ」

「創生の力の興味で何故会社に」

「会社に借金なんかあったか?」

「あら、親子愛と青春?なんでかしら違和感が」


皆一様に首をかしげる。

なにか腑に落ちない様だ


「一体何が、いえ、何をしてきたのかしら?」

へーぺさんが問いかける


「それは愛さ!」

振り向くと、そこには皆のアイドル、ヘスティア様が存在した


「ヘスティア!」

「感激ですヘスティア様にあえるなんて!」

「ヘスティア、忙しいだろうに、よく来たね」

「すまないサインもらえるかい?」


「フフフ、落ち着いてくれよ。僕は常にみんなの為にいるのさ」

ヘスティア様が小さな体の胸を張る。


「ヘスティア、愛ってなんなんだい?」

アレスさんが先程の言葉を質問してくれる。


「世界の神々、人、いや世界が愛の夢を見ていたんだよ」


「「「なんだって!!?」」」

驚きは各人同じリアクションをしてしまう。


「説明してくれないかヘスティア」


「そうだね。もし世界が何かに飢えていて。求めることがあるといったら、何だと思う?へーぺちゃん」


「それは熱い想い。いえ、愛だわ」

へーぺさんが両手を組み潤んだ瞳で答える。


「その通りだよ。世界は一度、同じ夢をみたんだ。そして愛を求めたんだよ。」


「信じられない」

アレスさんがみんなの気持ちを代弁してくれる


「僕も信じられないさ。だけど今世界は前と同じ世界に戻ろうとしてきている。きっと、ここでの齟齬も後で修正されるさ。僕の記憶もね。ただ今、この瞬間は覚えてる。愛をみんが求めたことはね。そう、みんなのアイドル、僕をね」


「そこはわかるわ。ヘスティア様をもとめるのは世界の心理」

へーぺさんが大きく頷く。もしかしてファンなのだろうか。まあ当然か。ヘスティア様のファンにならないものはいないさ。勿論俺も熱心なファンである。

ヘスティア様は世界、神界、人界、深海、冥府、すべてに響きわたるアイドルなのだから。

ん?、いや、いつからだ、っけ、まあ、いいのか、なんか腑に落ちないけど。


「それでヘスティア様は今回何故ここに来られたんですか?」

俺は憧れのヘスティア様に声をかける。


「今日は君に会いにきたのさ?」

ヘスティア様が指さす先には俺がいた。後ろには誰もいない。


「君というのは私でしょうか?」


「そう君さ君に仕事を依頼にしにきたんだよ。感謝してね」


「私に仕事依頼?ありがとうございます。嬉しいです。ですが私に出来るでしょうか?」


「君だからこそ頼みたいのさ」

ウィンクしながら俺をみる。やばい感激だ。どうやら夢とやらから覚めていないみたいだ


「私でよければ是非」


「助かるよ。ーーじゃあ入ってきて」

ヘスティア様が新しい人を招き入れる


部屋に後光が差し込む。

眩しい光に俺以外の神様たちまで目をつむる


「申し訳ない。」

女性の声が部屋に聞こえると光が落ち着き入口に巫女姿ににた美しい女性が立っていた


「あなたは?」


「妾は天照大神」

「彼女が弟の件で悩んでいてね。安井相談に乗ってもらえるかい?」


「どういうことだいヘスティア、違う体系の神々は神界を除き同じ時空には存在しないルールでわなかったかい」

ヘルメスさんが驚く。日本に日本の神がいるのは普通で逆にゼウスさんたちがいるほうがおかしい気がするが、どうやらルールがあるらしく、今回はルール違反っぽいのだが大丈夫だろうか。


「ヘルメス分かってるだろ。混じって分かれても戻れない要素があるんだよ。ーーそれに、いいじゃないか違う神様とも下界でも仲良くする、そんな世界があっても。僕は歓迎さ」


「泡沫の夢も現実も変わらないか。いいだろう。全員が醒めるまで付き合うさ」


「そうさヘルメス。安井、世界を愛で満たそうぜ」


かなり苦労したが天照大神さんの相談は無事終えることができた。


それが評判に繋がり

それから俺はいろんな神様の相談を聞いていくことになった。

それはいい。なんにせよ仕事が繁盛するのはいいことだ。

少しずつ過去の記憶が薄れ、妙な違和感がデジャブのような錯覚として残るだけで生活に支障はなかった。

ただ神様の国境がなくなってきていることに違和感を感じなくなっていた。

ヘパイストスさんは嫁さんと離婚してなくて兄のアレスさんとは仲がよかったり。

ヘルメスさんが毎日のように俺のとこに遊びに来たりする

全世界に囲炉裏の会があることに違和感は大きくあるのだが、それも些細なことなのだろう。

そんなことよりの大変なことが起こった。

困ったことに、いろんな相談が舞い込み。緊急な相談で彼女との有給での旅行が中止になったことである

とても楽しみにしていたのに

それが一番大変なこと。俺の激しい後悔である。

俺の初めての有給は旅行と決めてたのに

それが理由ではないが

会社の平良社長と相談して独立して神のキャリアコンサルタントをすることになった。

会社に不満があるわけではない。

むしろ感謝している。

ただ会社の登録している神様いがいの相談が増えているためである。

そして世界創生の相談が減ってきたからだ。

場所は変わらず貸してくれるそうだ。

俺のやることは変わらない。

環境は変わる。

ただ変わってはいけないものを追求していこう


扉を開ける


「よう相棒、今日は何をするんだい」

相棒呼ばわりになったヘルメスさん


「お茶の準備はすんでいます」

仕事を手伝ってくれる佐藤さん


「ゲームの相談なんだが」

「娘のことなんだが安井さん聞いてくれないかい」


今日も賑やかな一日が始まる。


窓から小さな女神が笑っていた。










今回で最終回となります。

最終章はかなり話が飛んでいたので後で補足は考えております。

本来は一人一人の内心の話を深めてからの人狼ゲームのような話を書きたいと考えて書いたのですが世界創生編とつけてしまい、そちらに引っ張られる感じの話になってしまいました。


安井が色んな神様から神話での困りごとを相談されて、キャリアコンサルタントのような人物が関わって神話が少し見方が変わる話になれば面白いのではないかと考えています。安井が神様に頼られて独立していく様を書いていきたいと思っていたので、これ以降の話は安井は会社を興して独立してやっていくことになります。続き書くときは多少設定を変えて探偵事務所風にしたいと思います。


読んでくれた人ありがとうございます。

少しでも評価数がついて嬉しかったです。


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