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安井 芳雄


反転

そして

暗転



何もない部屋



遠くから声が聞こえる。


男性と女性が喧嘩していた。

かなり大きい声で激しく罵りあっている。

近くの赤ちゃんが泣きだした。

二人の声をかき消すようなような大きな泣き声に先ほどまで喧嘩していた男女が泣いてる赤ちゃんをあやし始めた。

「喧嘩はやめないか。」

「そうね。芳雄の為にもやめましょう」

二人の男女は寄り添い始めた。


二人の男女俺より若い。もしかして俺の親なのか


ーー両親は離婚をここで留めたのね。だけど安井の心の内にある夫婦への恐怖は潜在的に刷り込まれたわけ


少年時代


「おーい!ヨッちゃん遊ぼ」


「ごめんケンジちょい遅れる」


これは少年時代の俺


当時のあだ名はヨッちゃん

アキラ、リョウとか、かっこいい名前に憧れていた。

あだ名じゃなくて、いいやすくて、カッコいい名前は羨ましいと思ってた。

スポーツが得意な友達にも羨ましいと思ったけ

このころは色んなものに

夢中になって友達と遊んだな


ーー可愛いものね。


青年時代


学力の平均の学校に通い。特に部活もせず、たまにバイトをする学校生活

あまり活動的ではなかったな。

今おもうと、もったいないことをした。青春を謳歌するために部活や学業に頑張って励んだり女性にモテル努力をすべきだった。だからだろうか学生時代頑張った人に少し引け目のようなきがするのは


ーーまだ足りないわ。



社会人時代


面接に何度も落ちる。


頑張りが足りない?

ならみんなと同じ分頑張りをすれば同じ枠に入れるのか?

高度経済成長期の人は入るのに努力したのか?

枠は少なかったのか?

枠は最初から頑張りをした人に報われるだけないんだろう。

なら頑張りが足りないは嘘だ!

それは徒競走で一番にならないと枠がない。二等賞ももらえない。ごまかすために残念賞があるから平等に見える詭弁だろ

そんな詭弁を社会全体の総論にしてるなんて可笑しい

それをおかしいと考えるのがおかしい社会なんだろ

正直に言えばいいんだ

幸せになれる人は定員がある。

あぶれた人は違う幸せを見つけてくださいと

そうじゃないと努力して負けた落伍者が可哀想じゃないか



フフ、見つけたわ。

ここね。

どんなに澄ましたことを言ってみても心の中はぐちゃぐちゃじゃない


結婚したい

子供が欲しい

いくらいるんだろうか?

嫁を喜ばしたい

子供に不自由かけたくない

なら俺には無理だな

その資格がない

俺には幸せになる権利はないんだ



俺はどんな顔をして歩けばいい

他人にどんな顔を見せている

歳をとっていく

少し体にガタがきている

病院に行くのには時間がいる

お金がいる

我慢してたら良いのか?

我慢はいつまで

怖い


フフ、恐怖、いいわ。願いと恐怖、あとひとおしね。

人間なんて同じなのだから




挑戦

新しいことを学ぶ

俺は勉強なんてしてきただろうか?

いつも見て見ぬふりをしてきたのではないか

新しいことが頭に入らない

自分を誤魔化さないと理性を保てる自身がない

小さな自信を振りかざそう

小さな灯りを頼りに歩いていくしかない

だけど

ああ、自信が消えそうだ



ーー決まりだわ。この自信喪失状態にすれば喜んで甘い夢を実現し始め、いづれは



感謝

誰だろう

暖かい気持ち

感謝の気持ちは暖かい

何かを成し遂げた気持ちは

満ちていく。空いた心に

誰だ?

俺を認めてくれる

自信が見せかけの自信が本当になる

これが彼女の愛


”きっと、これが幸せ、満ちるは足りないを感じないとわからないんだ”



ーーここね。ここを少し書き換える


”きっと、これが幸せ、もっと知りたい。もっと満ちたい、もっと味わいたい”


これで あなたは  変わる



世界にヒビが広がる


ヒビが入った空間から声が聞こえる


「分かるわ私もヘーペなんて名前はピンとこないもの」


「安井さんも苦労されたんですね」


「安井試練が足りないぞ。そんなことでへこたれるな」


「頑張りはゴールがなくて大変ね」


「応援してます」


「めちゃ共感」


「普通の人が普通をこの世界で貫くそこまで行くと偉業だなヤスイ」


様々な声が聞こえてくる。


「どおして?」

俺が尋ねる。


「いやあ何もない部屋にいたら安井の声と姿が割れた世界から聞こえてな」

この声はヘラクレスさん

「わたしも声が聞こえてきたの」

その嫁さんの声


パリーン!!!


世界の亀裂が大きく弾け世界の境界がなくなり一つになる。


何もない部屋じゃない。

今は欠片だった人々や神々、犬猫などが声をだして俺を見ている。


「うろ覚えだけど悩み聞いてくれてありがとう。現実でも頑張れる気がした」

そんな声をかけてくれるひとがいる。


今、この瞬間、俺は相手の悩みや願いを知って、相手も俺の過去を見ていた


「あうあう、ああ恥ずかしい」


「何を言ってるんです。お互い様でしょう」

話を一度聞いた青年が声をかけてくる。


そこは言葉にできない一体感があった。

みんが思い思いに話すのに会話が通じていた不思議な感じだ

見栄も恥もなく正直な気持ちで語らい尽くしたい気持ちでいっぱいになる。


『私の理想の世界が叶いました』

ベェーナスちゃんがアサガオさんに話しかける。


「いいわ。これは正解の一つとして認めてあげる。でもこれは映画を見終わったあとの鑑賞会のようなものすぐ夢として処理されるは」


『はい。一瞬かもしれませんが私が記録しているこの時間は永遠の世界。完璧な世界です』


「アサガオさんも巻き込まれて迷惑かけたね。」

ヘパイストスさんが声をかける。


「アサガオさん。悩みがあるのですか?それならご相談お受けしますよ。勿論仕事ととしてですのでお金は頂きますが」

俺も釈然としないアサガオさんに声をかける。結局アサガオさんとカオスと名乗る人物が同一人物かわからない。確かなのはナニカが介入したのとバグが起きたこと。アサガオさんもため込んでそうだということである。なら俺に出来るのは一つだけだ


「ハハハハ。貴方面白すぎるわ。

色んな世界を観てきたけど貴方程面白い人はいないわ。

良いわ。貴方みたいな面白い人、変わると面白く無くなるわ

戻しましょう最初にね」


フフフ

私に楽しみができるなんて混沌こそが私なのに



世界が霧に包まれ元に戻ろうとする。

世界はきっと泡沫の夢。いや胡蝶の夢のように忘れるだろう。ただ分かりあえた残滓は残ってほしいものだと願いながら。




◇◇◇




へへ、フヘへへへへへへへ、あははははははははははははははははははははははははははははは。

笑いが止まらんぜ。

オリジンの力!

誰も要らないのかい?

なら、オレが貰っていくぜ




世界の改変は止まらない。

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