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ゼウスとヘラ

 

 安井との相談が終わり周りを見渡すゼウス

 妻ヘラの名前を呼ぶ。


 それからしばらくしてゼウスの前にヘラが現れる


「ダーリンどうだった?」


 平常心で普段通り話しかけるヘラであったが内心は少し焦っていた。

 何故ならゼウスの怒りの波動は離れていたヘラのもとにも感知できたからだ。

 ゼウスは感情をあらわにすることは多いが最近はなりをひそめ、ヘラにばれないように浮気をして怒られるのが日常でここまでの怒りの波動を感じることなどなかった。そんなゼウスがここまで感情をあらわに起こったのだ、ただ事ではない。

 ゼウスの怒りは下手したら幾つもの世界が喪失の可能性がありうる。

 それだけの権威と力がある。 

 安易な気持ちで話を進めた自分の性で取り返しもつかない事になっては困るのである。

 それは世界の調整と可能性の萌芽という使命もあるが


 何より


 大神ショウヘイのいる世界の危機


 ヘラは夫ゼウスを愛するが、推しもまた同じく愛する。

 そんな推しのいる世界を守ることに使命感をもって燃えていた。

 今のヘラにとってはゼウスには言えないが他の世界の危機や子供達の成長は二の次であった。


「ヘラよ心配させたな安心せよ」


 ヘラは夫ゼウスの顔をみて内心驚いた

 深く刻まれた山脈の様な眉間の皺が取れ

 慈悲深い神の一面が出ていた

 その表情をヘラが見るのはいつぶりであろうか

 ヘラが記憶の海に潜ろうとした時ゼウスは声をかける


「ヘラよ儂は傲慢であろうか」


「ダーリンは傲慢なんかじゃないわ。全ての世界の父なのだから」


「儂はヘラの言うとおり全ての父であろうとしすぎたかもしれん」


 ヘラの顔をみて再度呟く


「父にも色々な顔がある。その一面、子供に寄り添うのも父の一面だと忘れておった」


「あなた世界はあなたに感謝してあなたに寄り添うもの。決してあなたから寄り添うものでわないわ」


「ヘラのいう通りじゃ、世界は感謝し我に寄り添うものだ。だが創造物である人と話してみて思うのじゃ儂自身がまずは接する態度を変えてみるのも大事でわないかと。つまり儂から寄り添うのも悪くないかと考える。どうじゃ?」


「ダーリン素晴らしいわ!流石私の愛するゼウス!なんて慈悲深いのかしら!あなたから変われば、きっと子供達も今までの行いをかえりみることになるわ!」


 ヘラは本心から感動していた、

 愛する夫は自分にとっても偉大なる神の頂であり父性の象徴なのである。その夫に愛していても一歩下がって話を聞いていたことを自覚せずしていた。それが当然であり世界の摂理だからだ。そんな存在が自ら歩みよるというのだ、誰が断ろうか、ヘラは偉大なる神の一柱であるがゼウスの変化に神の祝福を感じる


「そうじゃな子供達に変化を求めていて変わらぬ事に苛立ちを感じていたが子供達から変わらなぬなら儂から耳を傾け見せてみようではないか」


 ゼウスはヘラを抱き寄せる


「ヘラよ儂の為動いてくれて感謝する」


「全然大したことはしてないわダーリンに少しでも助けになれて嬉しいわ」


 ヘラは両腕をゼウスの首にまわす。

 2人の唇がくっつき、そして離れる


「ときにヘラよあの人間に話を聞いてもらった以上報酬は払わねばならん、何をすればよいかな」


 ヘラ少し思考する。

 元々そこまで先の事は考えてなかった事に始めて気付く。

 思考が巡る初めの計画通りなら神相手に相談出来る人物を育てる。

 育てるといのは技術や経験などを踏まえて育てるのだが、あと神と繋がりやすいバイパスを講習の形をとって繋げやすくする手順もとっていくのであった。

 今回安井が選ばれたのは期待されてないのと、もう一つ理由バイパスが他の人より繋げやすかったからである。 これは個性が強すぎると繋げずらいので優秀な人物ほどバイパスを繋がるのに時間がかかる傾向にある。 反面流されやすい性格だと繋げやすい傾向があった。

 安井はそおいう面からでも期待されてなかったのである。

 どこまでも残念な男である。

 その為計画はまだ時間がかかる予定だったので、突然の動きでもあったが、実際にそこまで深く考えてなかったのである。

 これはヘラだけでなく神全体が、あまりそこまで下界に細かい事は考えない傾向にある。

 神と人では流れる時間と空間が違うともいうのもある。

 だが、大神ショウヘイに会いたいが為夫ゼウスに話しを勧めてしまった。それは性急だったと今考えると思うのだった。

 そして相談にゼウスが満足して上手くいくとは思ってなかった。

 なにより、相談中に怒らせる事を人が神にするとは考えも思いもしなかった。


「そうね人は与えすぎると、どんな有望な英雄も腐ってしまう事があるわ。彼はまだ勉強中なのだから感謝の言葉一つで十分よ」


「ヘラのゆう通りじゃ、だが今後も話の相手になってもらおうと思うのだが」


 夫ゼウスの言葉はヘラにとっては少し予想外だったが考える、


「それなら今後の分の先払い分として‥‥」


 ヘラの提案として安井は資格の受講として支払った金額に近い額分の幸運を祝福されたのであった。

 それに少しだけサービスした事はゼウスはヘラには内緒にしたのだった。


 ◇◇◇◇


 安井とゼウスが相談中


 ゼウスは意図的に怒りの波動を出した。

 これは目の前の人間を恐縮させ身の程を知らしめる事とその人物を見抜く意図もあった。そおいう意味では安井はゼウスの考えを意図せず見抜いていた。

 そおいう意図がある怒りである為怒りの波動は同じ世界に降りたヘラでしか感知できないぐらいに狭める調整をゼウスはしていた。

 その為ヘラは気付いたが他の神は察知する事はないとゼウスは考えていた。

 だが子供達は気づかなかったが

 たまたま近くにいた兄妹神がいた事にゼウスもヘラも気づかず天界に帰っていた。


「ふふん。ゼウスちゃん何か面白いことしてるね」


 ゼウス達が去った後を口に手を当てて笑う影があった。

 その影はゼウスの波動を追いかけて安井の部屋を特定したのだった。




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