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甘い悪夢


俺の名は高井健二

 

父は有名な政治家でもある高井ゼウス

母は著名な女優である高井ヘラ

姉は学生でありながら作家とモデルでも成功しているアテナ

そんな有名人を家族にもつ

家族は皆忙しくそろうことはなく普段は家政婦である佐藤さんが家の管理をしていた。


朝起きて

「おはようございます。坊ちゃん。朝食は準備しています。

大きなリビングにつくと朝食が準備してある。

テーブルには当然のように俺の分しか準備されていない。

普段のことなので気にせずテレビのリモコンを押す

テレビをつけるとニュースが流れ父親であるゼウスが出ていた。


「はっはっは日本の未来は明るいです。私に任せて頂ければ、もっと日本を偉大な国にしていきます。まずは国土改造、そして世界進出してもっと前へ前へ・・・」

俺はチャンネルを変える


「現実に生きてはダメよ。理想をみないと。そんな人生カスよ」

母が出ている朝のドラマが流れていたのでチャンネルをかえる。

噂では母の映画やドラマでの濡れ場に父が嫉妬して圧力をかけて朝のドラマの仕事にかえさせたとか


「この素晴らしい爽快感、たまらない!」

CMにて姉のアテナが柑橘系炭酸ジュースを飲んでいる


なんかオレだけ蚊帳の外のような


日本の景気はかなり良い。俺も来年大学生だが将来は明るいようだ

不安があるとすれば家族が有名すぎることか。

贅沢すぎる悩みだね。

選択肢は多く前途も明るい


あれ、朝起きたばかりなのに眠たいな

休日なんだし二度寝するかな。家族がみんな忙しいところで惰眠をむさぶる最高だね。





ふわあああ~よく寝た


俺は大きく伸びをする。


「起きたかアキラよ!」


「クソじじじゃないか、何の用だ!」

俺は目の前のいる久しぶりに顔をだした爺さんに吠える。邪険にするには理由がある。爺は博士として有名だった。ただしマッドが前につくが、どんな爺のせいで言われなき差別で俺と両親は街を追い出されて、その心労で昨年親は俺を捨てていなくなった。


「ふふふ、大きくなったな。今年で16歳か」

俺の怒りもきにせず自分勝手に話を進める


「だから、どうした誕生日プレゼントでもくれるのか」


「ああアキラよ爺からの誕生日プレゼントがある」


「!!!気がおかしくなったか、誕生日プレゼントプレゼントというならば俺の前から一生消えてくれ」


爺は俺の事を無視してテレビをつける


『大変です。信じられません。街が今燃えています!!!』


テレビの画面には映画のような光景が流れている。

見たことのない巨大なロボットが暴れて街を破壊していた。


「アキラよ。ついに奴らが動き出した。おまえは戦わないといけない」


「やつら?戦う、何をいってるんだクソじじい!」


「説明は後じゃ、これを持て」

爺は赤い球体を差し出す


「なんだこれは」

俺は赤く煌めく球体に吸い込まれるように手にもってしまう


「頼んだぞ。世界の運命はアキラおまえしだいだ」


赤い球体に吸い込まれる

目の前に先ほど暴れていたロボットがいる


俺も強大なロボットに乗っていた


「アキラ、そのロボットはガンガンガーZ、悪の組織エンゼルフォールに対抗できる唯一の力、時間がない戦え」

俺の前にスクリーンが現れ爺が説明する


「爺、覚えてやがれ、なんか分からんが暴れてみんなが困ってんならやってやら!!」


ーーその力は神にも悪魔にもなれる、世界の運命をまかせたぞ  日と月の力 明よ






ーー未来は明るい♪

日本の未来は明るい。ゴーゴー

世界も羨む!ゴーゴー


歌が流れる。


ほっぺをペロペロされて目を覚ます。

「こちょばいよケルベロス、おはよう」

ペットの黒柴

ケルベロス

名前は兄のハーデスがつけた。


「おは~にいに」

朝は妹のヘスティアが小さな伸びをしながら挨拶してくる

「タケシ、もう麗華ちゃん迎えにきてるよ」

姉のアルテミスが朝食を準備してくれていた。

うちの家は両親ともに大手の会社員で二人とも海外赴任俺たちは家族会議を経て地元に残ることにした。

「おっそい」

隣の幼馴染の高嶺麗華が声をかけてくる

「麗華が早いんだよ。それにご飯を食べてるんじゃないか」

麗華は小さい頃からの腐れ縁だ。最近は俺の両親が海外赴任して気をかけてきてくれてるのか良く来てくれる。

「麗華お姉ちゃん、おはよ」

「ティアちゃん、おはよ」

がば!

妹のヘスティアが挨拶すると麗華は抱き着く

正直毎朝家に迎えに来てくれてるのはアルテミスの朝食とヘスティアが目的なんだろうと分かってきていた。


「早く学校いくよ、健二まだなの」


「はいよ。それじゃあ行ってきます」


俺と麗華は家を出る。


「昨日テレビで言ってたけど隕石が地球に落ちるなんてほんとなのかな」

麗華が最近よくある世界の予言とかUFOの特集番組の話をしてきた。


「そんな訳ないだろ。あんなの番組での嘘に決まってる。前も・・」


バン!


曲がり角にて走ってきた人物とぶつかる


パンを咥えた美少女が俺と同じく尻もちをつく


「イタいわね。ちゃんと前を見なさいよ!」


「ごめん」


「どこ見てんのよ!」

俺の視線にきづいたのか美少女から素早く右手が動く


バシ!


「変態!」

そのまま走り去る


「くそ!どこの学校だ。見ない服装だ」


「健二 変態」

麗華の冷たい目線が突き刺さる。

あの女ぶつかるのはお互い様なのに覚えてるよ

はーい。今日は転校生をご紹介します、


先生が突然の転校生紹介


そこに現れたのは覚えのある姿


「あ〜あん時の変態、」


「お前は失礼暴力女!」


なんの前触れもなく場面が変わる。



隕石が本当に落ちてきた。


人々が逃げ惑う


突然現れた父がいう


「今こそ覚醒させるんだお前なら世界を救える」


母が言う


「貴方こそが世界の希望なの」


麗華が言う


「お願い世界を救って」


ワンパンチ!!!!


隕石を砕いた。


世界が俺を讃える。

・。



ーーはっ!


夢か!


何やってるの早く起きなさい!


思い瞼を擦りながら目を覚ます。


お母さん今日は何曜日


「金曜日よ。明日から夏休みよ、いってらっしゃい」


そうか明日から夏休み。母親の田舎にいくことになっている。

楽しみだな。

すんでる都会と違い山上り川遊び

夏祭り、夜は肝試し

スイカ

取れたてトマト

向こうでしか会えない友達


宿題は嫌だけど


虫取りをして研究課題にするぞ


楽しみだ!





「ふふ、あなたの望む夢

甘い、甘い夢、最高の酔いから醒めてもらうわ。あなたは覚めたら次は何を望むのかしら」



◇◇◇



何度も続く甘い希望のような夢

途中で夢だと気づく

ホント知りたくなかった。

でも嫌でも自覚する。

俺は自分の名前が好きじゃないだな。

親も有名な方がいい

金持ちの子供に生まれたい

社会は希望にみちた未来で生きたい

ヒーローになりたい

たくさんの女性に甘えたい

永遠の少年時代

・・。


ああ、なんて残酷なーー

反吐が出る

ああ、終わらない甘いーー

そう、

そんなもの

ーー悪夢だ






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