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ゲーム


『世界が始まります。皆さん御準備お願いします』


ーー舞台は現代日本ーー


目的は社会の富指数を一億にすること

併せて社会の満足度を70を目標にしてください。


ルールは皆さんから聞き取った内容からの採用となります。


ルール説明


皆に食事を配給する。

一日につき市民に食事が配られます。

配食資金はプレイヤー資産から毎ターン自動引き落としとなります。


他者から盗まない。殺めない

自分の親ターンでの行動カード以外での他プレイヤーへの盗みは禁止。

殺める。もしくは明確な意思をもって殺める行為したことが発覚した場合は自動的にプレイヤー存在の抹消になります


道徳的倫理を守る

基本的道徳観を守る。

違反されたと思われる時は摘発者と容疑者以外での参加者全員の多数決にて罰則の有無の判断とする。

 

参加者はプレイヤーとして100万の富を持ってスタート。スタート位置は同地区


参加者は最初に決められた順番にカードを引くことになる。

そのグループ全員が引き終わったら1ターン終わりとなる。

目的を達するか全てのグループが500ターンが経過で終了。


その時点での資金が最も多いものが優勝となります。

優勝者には特典もあります。皆さん頑張ってくださいね。



あと


今回要望があったが無効となるルール

※ルールにある。才能の数値化希望については市民の数値化と才能を開示カできました。プレイヤーの数値化は失敗しました。今回は市民の能力は均一化の為、採用しておりません。


※ルールにある他者に悪意を持って騙さない。騙すと駆け引きの明確化に失敗しました。


※浮気をしない。勉学をする。差別をしない。困ってる人を助けるなどは道徳的倫理を守るに統括されました。


※他者の思考を読める

ゲームの進行に問題がある為、カード利用時以外の個別能力禁止となります。


※貨幣の禁止

社会の富指数からくる社会の発展を確かめる為、今回ルールでの採用は見送りとなります。



◇◇◇◇



俺はアナウンスを聞く 


はぁ~


俺は心底溜息をつく。

ゲームの開始。

年甲斐もなく体験型ゲームが出来ることに内心は心踊って。心拍数が少し上がってきているのに、自然と出たのは溜息である。

何故溜息をつくのだろうか?

体は元気なのに疲れてる?

はて?


場所は俺の家

先程のべェーナスちゃんの個別聞き取りから説明を受け俺らがシュミレーション世界からプレイヤーを演じることで今後の運営に携わることで欲しいデータどりを手助けすることになった。

面倒という思いもおるが、それ以上に今後の展開が楽しみである。


さてゲームの始まりがアナウンスされた

先程の個別ルームでの聞き取りから世界に求めるルールを参加者から聞き取り。ベェーナスちゃんがゲーム世界を作成してくれる。

難しい理屈は人間である俺に分かるはずないので今はゲームについて考えよう。

ルールは今のところカードのことはわからないが資産を増やすというところからモノポリーか桃鉄道がベースのだろうか?

しかし殺しはダメとかわかるけど浮気がダメとか誰の希望なんだろうか?へーぺさんかな、全部道徳的倫理に当てはまるような気もするが神様の倫理は違うからな。考えても仕方ないか。

ちなみに俺の社会に求めたルールは皆の才能の可視化。数字化である。

人の数値化は差別につながるが得意、不得手がわかる社会の方が社会にも世間にも優しいのではないかと考えたんだが、今思うと傲慢だな。聞かれた時は、これが一番皆にたいしての平等だとおもったんだけどな。

俺は人間で、どうみても才能のない、オッサンである。

数値化されていたら他と見比べて絶望していたかも。

今回棄却されて本当によかった。


ーーしかし、このゲームは誰の発案なんだろうか?

今のところは難しいことはなさそうだが、どうなんだろうか。


「誰もいないな」

俺は周りを見渡す。みんな同地区スタートといっていたけど同地区とは同じ区、それとも同じ市なのだろうか?なんにしてもヘパイストスさんかヘラクレスさんが、いる可能性のある会社に向かうとするかな。

同じゲーム相手でも隣にいてはならないルールではないだろうし



ピコーン!

音が頭上にした。


『あなたの親のターンです。』


あっ!俺のターンか


俺の目の前にアイコンが映る。


世界資産 100万

市民満足度 0%

安井1ターン目


なるほど、これが目的の数字か、要はどうやって、この数値を大きくするかが大事なんだな。


行動メニュー

工場を建てる レベル1 30万

製品を作る  まだできません

製品を売る  まだできません

市民を雇う  レベル1 10万


資金を借りる 現在最大300万まで利子5ターン10%


資金100万


これが行動メニューか?

これだけ?

サイコロ振ったりでは、ないんだ。というか市民を雇うとか資金を借りるとかはまだ良くわからないから控えよう。資産を増やすかんじならとりあえず実質工場を建てるしかできないような。

ヨシ!

とりあえず工場を建てるを選ぶ。


どおーん!


「うわ!!」

俺は音と今起きた現象に驚いて声がでてしまう。


俺のマンションの前の建物が工場に変わったのだ。


ピッ!

世界資産130万


それと同時に世界資産が増えた。

なるほど俺らプレイヤーが資金を世界に落とすと世界資産が増えるのか。

でも、そこに建てたら街が破壊されて世界資産がマイナスのような気がするが良いのか?迷惑なことだとおもうが、深く考えないようにしよう。

だって誰も今のところ人を見かけないし。


『カードを引いてください』


そのアナウンスで前にカードの束が現れる。

俺は一番上のカードを引く


『市民を縁故採用しました。資産ー10万』


おお!市民が採用になったぞ。これはいいことなのか?


世界資産140万

安井資金 60万


市民を雇っても世界資産が増えるのか。でも俺の資産は手持ち資金のみの評価なんだな。ヘラクレスさんとか何してるんだろう。探そうかな




◇◇◇◇◇◇




「これがベェーナスちゃんとやらの創ったゲーム世界か。ヘパイストスはすごいな!こんなことが出来る神器を創るとわな。感心してばかりではいかんな。データどりといえども勝負の世界だ。俺は負けんぞ!!」

ヘラクレスは雄たけびをあげる。


周りはヘラクレスが最近仕事で派遣されてる工事現場であった。


ーーなるほどな。とりあえず工場を建てればいいんだな


建設中の工事現場が工場に素早く変わる。


「おおお!!これは凄いではないか。面白いな。是非この感動を皆に伝えなければヘパイストスは何処だ!!」


ーーふむ、カードか、どれどれ


『泥棒に入られました。資金ー30万』


グワーッ


ヘラクレスの叫びが周りにこだました。




◇◇◇◇◇◇



2ターン目


俺の前にまたアイコンが出てくる


安井資金60万

全員の1ターンが終わると市民への配給で自動的な10万マイナスとなった。

どおやらルールにある項目の実施のようだ。税金みたいなものなのだろう。


ーー世界資産  250万

ーー市民満足度 5%


1ターンが終わり市民に配給がおわると市民満足度が上がったということは食事とおそらく雇用が増えると市民満足度が上がるんだろうか?


今度は自分のマスコンを見る

工場商品 10個


工場拡張 60万


製品製造 材料0

材料購入

商品売却 10個可能


市民雇用 10万

市民配置   工場 1人

       営業 0人

商品開発 20万


工場が出来てコマンドが増えた。

1ターンが終わると工場の商品が10個出来るようだ。工場拡張で製造数アップ、そして市民配置でも製造個数が増えるみたいだ。

あとは商品売却で資金を稼いで工場拡張、人の採用をして資産と世界資産を増やしていくゲームのようである。

さて次にするのはどうしたらいいだろうか?

気になるのは借り入れができるという事である。

つまり破産という概念がない桃鉄道のようにマイナスでもゲームは続くということである。

なら最初に大きく借りたほうが有利になるんだろうか?利子は10%は高すぎだとおもうが、それとも救済措置的扱いなのだろうか? 

あと商品開発というコマンドがある。

横に説明がある。

※販売時に入札なった時、実際の販売金額よりマイナス1の効果が出る。

最大三回投資が可能。

一度入札時に販売すると効果がなくなる。

とりあえず売るときに有利になる様だが今は必要ないだろう。

なんか悩むな。時間制限あるのかな、


あと商品

まずは商品を売ってみるかな

アイコンを押すと

        市場規模     単価     材料数

市場  A市   30~60   5~10    ー

    B市   20~35   8~13    ー

    C市   15~25   10~15   ー

    D市   5~15    12~18   ー

    E市   1~10    13~20   ー


市場規模が商品の売れる数のようだ。つまりA市なら沢山のものが売れるが単価が安くなる。逆にE市なら売れる数はすくないが高く売れる訳か今は10個しかないからD市E市販売するしかないわけか。

製造するにも材料購入がいるし売るしかないな


E市で売却10個と押す。そして金額を最大金額の20と入れる


『安井氏の売却に他のプレイヤーの売却意向が重なりました。入札になります』


どおやら素直に高い金額ではうれないようだ


『入札は一番安い方が売れます。但し売れる個数は市場の規模の最大数を超えることは出来ません。今回E市での販売は最大10個となります。親は他の売却予定者と金額が同額の場合優先されます。』


説明によると安い金額だと売れるなら、俺が親なら13なら確実に売れるのでは、でも安売りした後、材料購入した後にまた製造して売るなら高く売りたいしな。おそらくみんな在庫は10個で同じだけど材料はないはず、後で売った方が有利なのか?そこで先程の商品開発が効いてくるわけか。悩むがまずは10個で単価は15万と入れることにした。


入札が出ました。

ヘラクレス 5個 13万

ヘパイストス 2個 15万


結果ヘラクレス5個  13万 65万販売 

  安井   5個  15万  75万販売

に成功しました。


どおやらヘラクレスさんは俺より安いが5個だけ販売希望だから市場は最大10個可能だから高値の俺も5個売れたようだ。

つまり多く商品を製造して他の人よりたくさん売れるならA市のようなとこでライバル不在で市場独占などできるわけか、少し分かってきたぞ。


そして売った市に10個の材料が発生した。

材料がある市では材料の数だけ市場の販売数が減るとなっている。

つまり今E市では商品が行き渡っている為売れないことになる。

後で希望者は販売があった市から材料を安く購入して商品を製造できるわけだ。

つまり、ワザと売らせるとか後で材料を独占するとかのテクニックが必要になる訳か


『カードを引いてくさい』


保険加入カード。保険代金ー5万

あらら保険ってあとで役に立つのかね。


『ヘパイストスがD市にて商品を売却します。入札に参加しますか?』


やはり最初なので資金を集める為には早く売却し現金確保の動きをするな。俺も在庫はまだ5個あるし、どうするべきか?

少し安くなる為次のE市の販売機会を待つべきか

とりあえず様子見するかな。他の動きが分からないし


『参入者がいないため。プレイヤー、ヘパイストスが10個18万180万で販売できました』


アナウンスが流れて俺は気づく

しまった。結果的にヘパイストスさんが俺の時より高値で全商品売却することになった。

売却意思なくても邪魔しないと他のプレイヤーが得してしまうのか、ここは口先介入するだけでも相手に思うように行動させないことが必要なんだ。

だけど他にプレイヤーが何人いるのか分からないけど分かった事はヘパイストスさんさんは商品を全部売却したから在庫が現在ないから当面入札参加できない。ヘラクレスさんは俺と同じ5個しか在庫がない。それを踏まえて今後在庫購入を先にするとかライバル不在時に販売するとかすれば有利な展開にもっていける筈。

やり方が分かってきたぞ

やる気がでてきた俺に招集の声がかかる。 



※他プレイヤーから今回は談合との指摘がありました。他のプレイヤーを緊急招集します。




談合? 

どおいう事だ。談合など行うにしても皆んな始まったばかりで、そんなことをするタイミングなどないと思うが疑問が頭に駆け巡るが気付くと移動していた。


会社前にて

皆が招集される。

そこには

ヘルメスさん

ヘパイストさん

ヘラクレスさん

俺が離れて立っていた。

なんでヘルメスさんがいるんだ?

佐藤さんやへーぺさん、アサガオさんはどこにいるのだろうか?疑問はつきない。周りを見渡しながらキョロキョロしているとヘルメスさんが話し始めた。


「オレはよぉ、せっかくのゲームだ。それも、みんなが考えたルールってえの?そんな自主管理された祭りにモノをいう趣味は本来ないんだが、言わせてもらうぜ。人のかつての歴史に聖人なんて連中もいっているが善人なお、もって時間を持て余し何もならず、悪人においては旅にでて、振り返らず泣かないものである。誰知るか人の心、人は苦しみ悩み過ちをして成長しヘラクレスは人界を旅立つ。地底の大帝いわく人は苦悩を経て快楽に至る。快楽こそが人生。つ~ことで結果は万事、ばんじ歴史となる」


ヘルメスさんは赤いスカーフをいじると下を向く。心なしかその表情は伺いきれないが普段の飄々とした雰囲気はなく沈んでいるように感じる。


「すいません。どおいうことなんでしょうか?」

俺はわからないので素直に聞いてみる


「ふぅ。ーーいやぁ別に意味はないさ。ただの気分さ。言葉など意味がない。まったくね。そして安井は全く悪くないさ。むしろ同情しているぐらいさ」

ヘルメスさんは軽くため息をつくと嫌々ながら答えてくれる


「同情?」


「ああ同情さ。安井さんよ。ゲームを楽しむのに必要な要素はなにか分かるかい?」


「ゲームを楽しむ?分りやすいルールでしょうか?」


「皆で楽しむなら、そういうのは必要だろうな、だがゲームは深く楽しめば楽しむほどルールが増えて最終的に初心者が入りずらくなっていくもんだろ?」


「言われてみると、そうですね。ーーではヘルメスさんはどうおもうんですか?」


「オレは自分で言っちゃあ、あれだがゲームの達人だ。どんなゲームでも、それなりに勝てる自信がある。だけどよ、それは勝てる算段があるから楽しいんだ。」

ヘルメスさんはカウボーイのような帽子を指先で回転させる

「だけどよ。絶対に勝てるゲームや逆に絶対に勝てないゲーム、もしくわなーー勝っちゃあいけないゲームほど萎える。認められないね。ゲームの達人いやゲームの神様からするとね」


「えっ、ヘルメスさんは、このゲームを何か知っているんですか?」


「知らないし深く知る気もない。ただよ。安井よ、前のゲーム覚えているか?」


「すいません。ヘルメスさんとゲームですか、・・前回相談の時でしょうか?」

俺はヘルメスさんに聞かれ思い出すが、思い当たることがない


「つまりオレだけが覚えてる。そして繰り返される。終わらず続く。つまり最初から勝者は決まってるわけだ、こんな馬鹿げたことあるかよ?付き合いきれん。勝手に巻き込まれ、このオチかヨ!

全部覚えてるのはオレだけ、おそらくアレの力の一端を受けたことあるからだろうな。

だから同情さ」

普段は人を小ばかにしたような笑みをふくんだ表情のヘルメスさんが憐れんだ瞳で俺を捉える。


「えっ、え~つまり、どおいうことなんでしょうか」

どおいう顔をしたらいいか分からず間の抜けた顔で、間の抜けた質問を繰り返す。


「つまり、こういう事さ」

ヘルメスさんはそおいうと素早く動いた。

気が付くと俺のもっていた鞄を奪い取られた


なっ!


俺が驚愕している間に、ヘルメスさんは頭上を見上げる。

その後、奪った鞄を放り投げる。


「これだけじゃ違反には、ならねか、仕方ないな。ーー悪いな兄弟」

ヘルメスさんはそおいうとナイフを取り出し放り投げた。

その放りなげた方向には車椅子で移動しているヘパイストスがいた。


ナイフは綺麗にヘパイストスさんの胸元に刺さる。ヘパイストスさんは、自分の胸に刺さるナイフとそれを投げた犯人であるヘルメスさんの顔を交互に見返す。


「ヘパイストスさん大丈夫ですか?!」

俺は駆け寄りヘパイストスさんのナイフを慌てて抜こうとして止められる。


「安井さん。大丈夫だよ。僕も神の端くれだからね。普通のナイフに刺されたぐらいでは苦しいけど死なないよ。それと深く刺さったものは準備もなしに抜かないほうがいいかな」

優しく諭すようにいって慌てる俺の手を取ってくれる。


「何故、こんなことを!」


「聞いているかゲームマスター!いや!ベェーナスちゃんとやら俺は投了するぜ!」


ピーーーーー!!!!


『重大なルール違反がありました。違反者は即刻退場となります。』


ーーじゃあな、へぼな馬の手綱はへばな騎手に任せるぜ

そおいうとヘルメスさんは文字通り目の前から消えていく。


『トラブルが発生しました。違反者は退場となりました。違反者の行為で怪我したものは入院のため5回行動がお休みとなります』


「あらら、僕は入院か。魔さかのアクシデントもヘルメスの行動の結果の一端として処理したのかな。すごい柔軟な対処、いや、ーーもしかした慣れてるのかも」


「いいんですか?これで!文句いうべきです」

まるで他人事のように呟くヘパイストスさんに俺が事態を把握してないが、よくわからない憤りで強い口調で話してしまう。


「いいんだよ。安井さん。僕はヘルメスを小さい時から知っている。あの強欲な弟が勝ちを捨てて行動したんだ。ああみえて、やけパッチなど行わないのは良く理解している。だからこれでいいんだよ。」


『ゲームを続行します』


アナウンスは続く




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