B氏の場合
何もない部屋
『おはよう御座います』
ああ、おはよう
朝だろうか
ここはどこだったろうか?
『ここは世界に戻る前の準備の間です』
世界の準備?
『皆さん世界に戻る前に一つ尋ねてます』
答えないか
フン、気に入らないね
『あなたは社会に何を求めますか?』
答えないくせに聞くのか
まあいい
分からないから付き合ってやる
それにしても突然何を言い出すんだ
そんなこと考えたこともない。
考えたことなかった‥‥ような
ああ、求めるようなものではない
欲しがるものではない
『なら、あなたは他者から欲しいものは、ないのですか?』
欲しい。だと
なんだろうか‥‥。
金、
思いついたのは普遍的価値があるもの
『普遍的価値のあるものを他者に望むのですね‥
いや、ちょっと待て
俺、いや、ワテ?儂、どっちでもいい、仮にお金が欲しいと言ったらどうなる?
『皆にルールを課し平等に配ります。』
それはダメだ
『何故駄目なのでしょうか?』
損するからだ
『損?平等にルールを皆にかすのにですか?』
ああ、お金は求める者に偏在すべきだ。求める者に集まってこそ平等だ
『あなたより強く求める者がいてもですか?』
俺より‥‥あり得ない
『あなたは自分を自覚しているのですか?』
あん?
俺、僕、私、儂、アチキ、ワテ、一人称などどうでも良い、
仮に俺であれ私であれ
ただ損は嫌だ。
まてよ。
そう俺は損じゃなく他者より得をしたいのではないか?
今、ルールを決めると言ったな
全員に平等にと
何故か分からないが嫌いな、虫唾が走る言葉
そこは、どうでも良い?
もし仮にルールにゲームの敗者は勝者に従うと入れたらそうなるのか?
『ゲームの定義と従うの定義を決めないといけません』
つまり、出来るのか?
『定義の設定は他のルールに抵触すると叶いません』
他のルールか、
つまり俺以外にいるのか?
『はい。存在します。神、人、犬が存在します』
神
人
犬、犬?これは比喩なのか本当の犬なのか?
.
.
.
答えないか、まあいい
少し分かった
ルールを決めれると言うことは、皆を出し抜くことができる訳だ
出し抜いた者がルールの勝者だ
重要なのは最初の始まりの俺が何者かだ
どおすれば出し抜ける
男ならルールに女性は男性に従うと入れれば半数は出し抜ける、
その逆もしかり
神なら人は神に従え
それで、参加の数は分からないが最初に、かなり勝てるだろう
俺が神ならばだが
欲望と言うべきものに渇望があると自覚している俺という存在
ここは深く悩むところである。
しかし早く誰よりも動くべきことだ
ルールの優先がもしかしたら早いもの順かもしれない
世界は偏りあってこその平等であり
ルールとは裏をつくためにあるのだから
俺が早く出し抜けるルールこそが大事なのだから