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日誌23


大神ショウヘイのライブは時間にして30分ほどで終わった。

しかし前座のライブである。大神ショウヘイの歌が終わっても誰も席を立ち帰ろうとしない。

大神ショウヘイのチームの優勝と個人の記録がかかった熱い試合がこれから始まるのだから。

コチラは違う意味で熱いが、もしホームランが飛び出してそれをキャッチできなければ平良社長がどう出るのか誰も分からない恐怖がある。

その恐怖は佐藤さんが一番感じてるのだろう

外野全体に社員と神様を配置周到に挑んでいる。

流石に平良社長も本当は女神ヘラ様である。

ホームランボールが欲しいと言ったからには俺たちに取れるヴィジョンがあるからの発言だと思いたい。

というよりお願いします。

ボーナス無しとか言わないでくださいね。

楽しみにしてるのですから!


俺がそんなこと考えてる内にライブの片付けも終わり

始球式が始まる。


それでわ始球式は最近人気沸騰中の隠せてないVチューバーアイドル

鉄壁戦乙女アテナ様です!


ブバァーッー!

俺は口に含んだ先程購入したビールを吹き出す!

アテナさんなんで!


「安井さん知らないんですか最近有名なVチューバーですよ。本人は隠せてるつもりでいつも配信してるんですが見た目の美しさと男勝りな言動でいながら本人Vチューバーの意味が分からなくて配信してる天然キャラが売れてるアイドルです。僕なんて毎回配信追いかけてますからね」


「あ、あそうなんだ美人だね。人気ナンダ」

一体ここに何人の神様が来てるんだ。

っというかなんで人間界でアイドル?高嶺はなにをしてるんだ。


妾のボールを受けてみよ!

アテナさんが女性にしては長身の凛々しい姿からボールが放たれる。

歓声が巻き起こる

軽く投げられたのだろうが球速が130を超えていた。

アテナさんは観客数に手を振りながら去っていく。


ヨシ!気にしたら負けだ。ここは前向きに行こう。たまには田中君を見習ってボーナス狙いでキャチしてやる!

佐藤さん達に目を配ると

本気とかいてマジと読む。目が燃えていた。神に使える者達の本気が伝わる。

明らかに空気が違う。

佐藤さんは他の女性社員に支持を出して皆席を離れて配置につく作戦の様だ

田中君は怯えているのでわないかと見てみるも彼も同じく燃えていた。どおやら彼はお金がかかると別人になるようであった。

ウン、オレもマケラレナイな

ゴメン無理です。これは大人しく試合に集中しよう。



神ヘパイストス

「僕は正直ベースボールやらホームランボールに興味がないけどアレス兄さんが来てるんだ。借金がかかってるから真剣に取りに来てる。ならアレス兄さんとの勝負だね。兄さんにボールは絶対渡さない」

ヘパイストスはアレスが借金返済に困ってるから助けに来た訳でわなく、その逆返済されたら面白くない為自らがキャッチする為球場に来ていた。

足が不自由な為、キャッチを取るのは不自由なハンデを取り返す作戦として最近のボールの傾向からライト側に絞って網を取り付けたドローンを持って馳せ参じた。


神アポロン

「姉さん聞いてくれ今日大神ショウヘイのホームランボールをキャッチしたら会社の返済が終わるのとボーナスが出るらしいんだ協力してくれないか」

アポロンもまた会社に借金をしている立場になっており今回の動員に呼ばれていた。神といえども逆らえないのだ。

「はぁ〜情けないわね。アポロン。良いわ。人間界のショーの勉強ついでに協力してあげるわ」

アルテミスもまたアポロンに付き添っていた


神ヘーペ

「やだスゴイ、アオハル力が集まってるわ。熱すぎる。姉さん止まらない」

「あおさん、悪いコチラ追加よろしく」

「はーい」

ヘーペは今日は会社の依頼にてビールの売り子として呼ばれて球場に来ていた。


神ヘラクレス

「ふむ、これを運べば良いんだな。任せろ!ハッハッハッ」

ヘラクレスは売店へ商品を持っていく力仕事をしていた。売店は平良社長が最近お金の力で購入運営していた。今日はヘラクレスは仕事で呼ばれて球場内にて働いていた。


神ヘルメス

「ホームランボール取るだけで会社からボーナスだって参加しないと損じゃないか。俺様に掛かれば悪いが韋駄天の速さと空を舞う靴さえあれば一瞬で取れる。他の兄弟にゃ悪いが全部頂かせてもらう」

ホームランボールにボーナスが付くとどこからか聞きつけ呼ばれてないのに参加していた。



◇◇◇



さぁ、因縁のライバル直接対決が始まりました

首位をゆく大神ショウヘイ率いるゴッドウォーリアズと2ゲームさで追い上げるライバル、タイタンズ注目の一戦が始まりました!

.実況が始まる。

.

.

一回裏ツーアウト、ランナー二塁。大神ショウヘイの打席が回ってきました。

解説の‥‥どうでしょうか?

カコーン!

バットから大きな音が球場に響く

音がした瞬間は球場は静まりかえるが飛球が大きく浮かび上がると大きな歓声が轟きみんなで球の行く末を凝視する。

ア〜

球場が落胆する

残念ながら右に大きくそれファール判定となる。


そんな落胆したファールボールをキャッチした者がいた。

ヘルメスである。

彼は俊足を活かし素早くボールが落ちる位置に移動してキャッチしたのである。

しかしヘルメスはベースボールの知識は少なかった。

素早くキャッチしたボールをファール判定となり近くの警備員から返すように言われたのである。

試合は始まったばかりファールボールなどに価値はないので素直に返せば良いのにヘルメスは損を許せない性分であった。ルールがあまり理解してないこともあり外野に飛んで来たボールはホームランボールだと勘違いしていた。

他人を信じれない性分も加わりボールを返すよう伝えた警備員を疑ったのだ。

結果ヘルメスは価値のないファールボールを持って逃げ出したのであった。

早くも一名脱落となった。


そのまま、その回は残念ながら見せ場なく三振で交代となる。


次の見せ場は四回裏先にきた。タイタンズに一点を入れられてワンナウト一塁で大神ショウヘイの打席となる。

一発出れば逆転の場面である

ツーストライクと追い詰められてからの明らかな高めのボール球を強振

カコーン!

球はセンター方向真っ直ぐに安井の元に飛んできていた。

うわあー来ますよー!

田中君の声が発せられると同時に俺、佐藤さん達、アレスさん達にも緊張が走る。

皆んな仲間であるがライバルでもある。

俺も使い慣れないミットをつけて立ち上がる。

口惜しいがお金になると思うと冷静を装っても哀しいことに目が眩むものである。

球はセンター二階席届きそうだ。

「俺に任せる!」

「兄様私に任せて!」

「ヘラ様の希望は叶えます」

各々が口にして立ち上がる

俺の方向に来ている。緊張と興奮と不安が入り混じりながら皆んながキャッチしようとした時横から大男が現れボールを弾いてしまう。

大きく弾かれたボールは球場に戻ってしまい。拾った相手チームの野手がすぐ近くの観客席に投げ返す。


「おお安井か危なかったな。ボールが当たるとこだったぞ。感謝しろよハッハッハッ」

ヘラクレスさんが笑いながら大きなビール樽を三つ肩に担いで去ってゆく。


「あの馬鹿野郎!なんでいるんだ」

「兄様の邪魔をして呪ってやる」

アレスさん達の呪詛が聞こえる。

気持ちは分かる。こんな正面にくる機会なんて、そうそうないのに突然現れたヘラクレスさんに意味も分からず弾け飛ばされたのである。

佐藤さんはヘラクレスさんに文句を言う訳にはいかず黙って歯をくいしばってる。最悪ここの誰かが獲れればノルマは果たせたのであるのだから無念である。

納得いかないがホームランは飛び出てボールも飛んで来た。

まだ来る可能性はある

ここは気持ちを入れ替えて行こう。


そしてチャンスは早くも来た。

六回裏ツーアウト、ランナー三塁の場面となる。残念ながら前の回にて同点にされてしまったが、ここで一発出ればまたもや逆転である。そこに大神ショウヘイがまたもや打席が回った来たのである。


打席に立つと早くも初球を大きく打った。

打球はライト方向に大きく飛んできた。

その方向にはヘパイストスが待ち受けていた。

ヘパイストスは動けない。だが準備していたドローンを浮かせてキャッチしようと卓越した操作で向かわせる。ドローンは素早く動き落下するであろう地点に正確に飛んでいく。そこに計算外の要素が混じっていた

アポロンである。彼は持って生まれた長身と運動能力を使って華麗に他の観客席をジャンプして飛んで来る。その動きからドローンより早くキャッチするはずであった。

だがボールは彼がジャンプさて素手で獲ろうとした瞬間に爪先にヘパイストスのドローンがあたりボールは惜しくもキャッチし損ねてしまった。

そのキャッチし損ねたボールは後続のアルテミスが無事拾い上げる。

「姉さんナイス!」

アポロンが笑顔でアルテミスにハグしようとすると

「ごめんなさいボール上げたわ」

アルテミスは横に居た幼女にホームランボールをプレゼントしていた。

「なんで姉さん」

「アポロン、ダメよ。これは人間達の夢なのに神が獲ったら大人気ないわ」

「‥‥そうだね。流石姉さんだ」

アポロンは力無く笑顔で返した。アポロンにも借金した経緯含めて言いたいことはあっただろうが大人であった為悔しながらも姉に笑顔で返すのであった。

目的を失いアポロン脱落。

同じくして墜落したドローンを警備員が回収。

捕獲手段を失いヘパイストスも脱落

次々と神々が安井の知らないところで脱落していった。


そして試合は最終回

タイタンズの意地かまたもや表に逆転されて9回裏にて大神ショウヘイに打席が来る。

ここまできたら祈るしかない。

負ける訳にいかない大事な一戦、首位攻防戦の九回裏である。

ノーアウト、ランナー一塁にて一点差。

相手チームは今日の当たってる大神ショウヘイと勝負の構えの様でピッチャーは力一杯のストレートで勝負に来た。

予想が外れたのか見逃しワンストライク。

次の外角低めのボールを後ろに晒してファール。

そして追いつめられる。

次の一球がやや内角高めのストレートを‥‥。


空振り三振してしまいアウトとなった。 


そんな...正直最後にもう一度チャンスはあると思ってた。

神様がお膳立てしてくれてるのだから最後の回に逆転の機会だからと、しかし無残にも空振り三振で終わり。そのまま試合も負けてしまい。意気消沈となって帰ることになった。アレスさんや佐藤さんは諦めきれない様で試合後も放心状態であった。


「おつかれ。皆んな来ていたのね。今日もまた熱いアオハルだったわね」

ヘーペさんが笑顔で現れる

「ヘーペさん来てたのですね」

「違うでしょう」

ヘーペさんがむくれて顔を晒す

「アオ先生お疲れ様です。もしかしてお仕事ですか」

「そうよ。今日は臨時のビールの売り子だったの。みんな落ち込んでるけど、どうかしたの」

「実は‥‥」

俺はホームランボールの事情を説明する

「あらヘラクレスがごめんなさいね」

「いえ、仕方ないことです。まが悪かったと言いますか。本人は悪気はないですし」

言葉でそういいながら落胆が隠せそうにはなかった。

「なら丁度いいわ。これ上げる」

そこにはボールとサインが書いてあった。

「これは?」

「大神ショウヘイのサインボールらしいわよ。私がビールを売ってる時に外野からボールが飛んで来たから、それをスタッフに返したらサインを書いてくれて貰ったの。多分ヘラクレスが跳ね返したホームランボールなんだと思う」


「良いんですか?」


「良いわよ。私興味ないし。ヘラ母さんが欲しがってるなら、あなたから渡してあげて。じゃあねバイバイ」

俺はボールを受け取り。放心状態の佐藤さんに話しかけるのであった。





試合後


女神ヘラは上機嫌であった。

社員一同が観戦しにきてる試合であり大神ショウヘイの所属チームの大事な優勝がかかってきている試合に負けたのにである。

理由はヘラが大神ショウヘイ個人のファンでありチームの勝利にあまり興味が高くないこと。

追いつめられるほど大神ショウヘイの輝きが増すことを知っているので心配してないこと。

それらの理由が試合に負けてもヘラが失望も落胆もしない理由であった。

何故上機嫌かというと目的を達したからである。

今回社員一同を呼んだ理由はついでであった。

チームのスポンサーになりチケットがまとまって手に入ったのと大神ショウヘイのホームランの予知夢をみたので社員一同を誘いついでにゲットできれば最高程度に伝えたのだが佐藤さんが大きく意味を誤解して事が多くなったのである。

だが神の言葉の裏を聞き取らないと神には仕えれないないので一概に佐藤さんが間違ってるとはいえないのであった。

上機嫌の理由は前から欲しかった大神ショウヘイの使用したマイクが手に入ったのである。

入手先は女神アテナからであった。

今回のアテナの始球式は大神ショウヘイからの依頼からはじまった。

常に試合を盛り上げることを考えている大神ショウヘイが最近人気になっているアテナの動画をみて面白そうと思い高嶺のプロダクションにオファーが舞い込んだ。高嶺のプロダクションのスポンサーにもなっていたヘラはそれを聞きつけアテナに試合が始まる前に使用しているマイクをもらえるように交渉して無事もらえることになったのである。

ヘラは上機嫌でアテナからマイクを受け取る

そして上機嫌のヘラの横には不機嫌なゼウスが立っていた。

「ヘラよ。人間の男の歌がなんだ。儂の方がいい声をしておるぞ。それとも若さというのか、男は貫禄じゃぞ、ほれ儂をみてみろ」

あからさまに嫉妬しているゼウス

そう、もう一つの目的ゼウスの嫉妬に成功したからである。

いつも嫉妬をしている立場から今回当てつけのように一緒に観戦していながら大神ショウヘイのライブ、ホームランと黄色い声援を見せつけることでゼウスは、その姿に嫉妬しヘラを振り向かせようと頑張っているのであった。

その滑稽な姿にヘラは内心笑いながら喜んでいるのである。


いじけるゼウスの耳元で密かに囁く。

そうするとゼウスはいじけた態度から一気に喜び強く抱き着く。


ホント可愛い人


ヘラは笑う


後日

佐藤がサインボールを献上すると

社員一度、招集された神全員に臨時ボーナスが出るのであった。





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