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日誌19


突然の乱入から今度は改まりお互い挨拶をし直すヘラクレスさん夫婦とヘパイストスさん。

率先して自ら乱入したへーぺさんが何故か兄ヘパイストスさんに対してヘラクレスさんがしっかりと礼節をまもるよう指導する。

そして、へーぺさんは非礼を謝ってからことのあらましをかいつまんで説明する。説明を終えると俺もヘパイストスさんも流れが、おぼろげながらに理解した。

つまり俺がヘラクレスさんと談笑していた内容から聞き耳を立ててたへーぺさんが次の相談相手がヘパイストスさんだと辺りをつけて機を伺っていたのである。

理由は”青春よね”である。

「ごめんなさい」と俺とヘパイストスさんに謝るとヘパイストスさんは仕方ないなという態度を示した。

もしかしたら、その態度からへーぺさんに巻き込まれることはよくあるのかもしれない。

人を巻き込むが憎まれない可愛い妹ポジションなのだろう。

当人どうしが問題ないなら俺からはなにも言いませんとも。


コホン!


軽く咳払いをするヘラクレスさん。すこし静かになった場を改めるためか注目を集める。

俺からヘパイストスに提案する内容は


「候補者の武闘大会を行う!だ」

予想外の提案内容に俺とヘパイストスさんはやや呆れて聞いていたが嫁のヘーペさんは拍手をしていた。


「武闘大会?僕は暴力が苦手だよ。それより何を決める大会なんだい」


「ああ、ヘパイストスの世界の代官を決める戦いだ」


「代官?それに誰と誰が争うんだい」


「実は安井の話しの続きだが神の位階に低いながらも持った人が何人か世界の管理者になりたがっている。その希望者が大会で勝ち抜き勝ち抜いた物に勝者の特権として世界の管理権を一部譲渡しようかと考えてるぞ、ヘパイストス」


「そんな会った事なき人に任せていけるのかい」


「そこは大会に臨む参加者の執念をみて判断したらどうだ?」


「安井さんはどう思う?」


「僕も管理責任者を決める大会は面白いと思います。ただ力の大会はどうかと」

ヘラクレスさんの予想外の相談に戸惑う。正直面白い考えだとはおもうが今回の趣旨とは離れているような。これではヘラクレスさんの世界での次のイベントの話である。


「そうだよね」


「希望者にアイデアを出してもらったらどうですか?

ヘパイストスさんがお題目を出して希望者にアイデアを募ります。そしてコンペ形式で提案してもらいヘパイストスさんが納得する案を出した方に世界補佐をする神器を与えてはどうでしょうか?」

管理者候補が何人かもともといたので選別の必要性はあった。ならばヘラクレスさんの提案に沿う形でヘパイストスさんの考えに沿える人がいるかを先に探してみるのはいいのではないかと考えを改め提案する


「ーー確かに僕もいきずまっていたのは事実だし、違う視点のアイデアを聞くか...うん、納得できるなら力を与えられるかな」


「はい、あくまでヘパイストスさんが納得するアイデアを持つ方がいられましたら管理の一部を任せることとしましょう。もし、そうなれば管理者代行補佐となる意思を持つ神器を与えてあげればいいかと。それだけでは不十分なので私が提案しようと考えていた創生世界の管理組織化をもってヘパイストスさんの助けになればと思います」


「安井さんは柔軟だね。急なヘラクレスさんの提案に驚きながらも、その提案のいいところにあえて乗って、あくまでも自分の提案にもっていかれるんだね。感心すると同時に嬉しくもあるよ。僕の世界のことも考えてくれてるのだね。ありがとう」


「いえ、感謝しないでください。これは私の仕事ですし、むしろ私が謝らないといけないぐらいですから」

感謝して頭を下げるヘパイストスさんに俺は驚く感謝されるとは思いもしなかったからだ。むしろ大事な相談中に突然の来訪者がきて勝手に話をもっていかれたのである。怒るのが当然の場面でもある。


「僕は他の神々や人と交流を持たないからね。僕の為に考えてくれてるのは仕事かもしれないけど感謝すべきことだよ」


「では、こちらこそ相談しくれて、ありがとうございます」

俺も感謝の言葉を伝える。結果をだせてはいないが仕事ぶりを感謝されるのは嬉しいし、俺自身この仕事をつくまで会社で仕事に感謝されたことなど皆無であった。そんな言葉を素直に神でありながら伝えることができるヘパイストスさんに尊敬する。


「う〜む結局安井に話しを取られてしまったな」

俺とヘパイストスさんがしんみりとしているのをみてヘラクレスさんが隣のへーぺさんに言葉を送る。

「ドンマイ、あなた。これもアオハルよ」

夫婦肩を寄せ合う。

目の毒である。本当何しにきたのだろうか、このバカップル



「ーーでわ、お互いアイデアを提案するコンペティションにしましょう」


結局、ヘラクレスさんへーぺさんも巻き込んでのコンペティション大会をすることになった。

元々ヘパイストスさんに提案したあとヘラクレスさんにも協力を求めるつもりはあったので良かったのかもしれない。



◇◇◇◇◇◇




後日

ヘパイストスさんのお題目を管理者候補と試練超越者すべてに告知された。

広くアイデアを募りたかったからだ、管理の世界がヘパイストスさんのことだとは当然告げてない。

色んな世界からヘラクレスさんの世界にて試練を挑む人々は性格はともかく優秀な人が多いのは事実であった。ただもとの世界に様々な理由で絶望もしくは希望を見出せない人が多くかった。以外にも性格破綻者は少なく試練を少なくとも超えるものは他者への思いやりが強く助け合いの精神で次からくる挑戦者が

助かるメッセージや手助けの仕組みを作るものが多い傾向があった。だが元の世界には戻るものが少ないので今後の事も考え次の行先の斡旋などもヘラクレスさんは考え始めていた。

そこは人の世界の軍隊にも所属していたことがあるヘラクレスさんなりに思うことがあるのだろう。


お題目は


”モノづくりを発展させる世界”であり


生産者の地位を上げるやり方が副題であった。



ーーコンペティション当日ーー


三人の候補者が何故か俺の事務所にいた。

本来ならヘラクレスさんの世界かヘパイストスさんの世界にて行ってほしいのだが人や神の移動は制約も多く、俺が知らないところで俺のところで行うことが決定された。おそらくへーぺさんが決めたのだろうと推測するが発案者である俺が参加しないのもおかしいので反対派しなかった。

会議室3の長テーブルの左側に俺、ヘパイストスさん、ヘラクレスさんが並び反対に候補者が座るのだが個別ではなく一度に行うらしく六人が座ることに、ちなみにへーぺさんは俺の秘書のように隣に立ってお茶を汲んでくれたりする。佐藤さんがお茶くみを申し入れてくれたがへーぺさんがやりたいといい謎の立ち位置に収まっている。


実は参加者が多く書類審査が1次、2次とあり今回残った三人の最終面談が行われることになったのだが俺は書類審査に参加していないので候補者達とは初めて会う。


三人とも俺より年が若く見える。一人は女性であった。


俺は今回司会進行などの役割を頼まれたので予定されていたことを順次進行する。

面談にて動機や将来の世界への展望、アイデアの必要性、神の代理人を目指すのか?

そして一番大事な事を聞く。

何故前の世界に戻らない理由

これは事前に最終候補者には伝えていない。

神の代理人になることは人を辞めることであり前の世界には戻れない。軽い気持ちではできないのある。

前の世界に絶望したからといって今回上手い事いかないからと絶望して捨てることは出来ない。

神に嘘は基本通じないヘパイストスさんお人よしである。神だから気のいい優しい神というべきだろう。

だがヘパイストスさんは自分の仕事に没頭したいが創生した世界の住民を愛している。

優しいは世界の住民に対してであり管理を任したものが私利私欲や遊び半分で住民を痛めつけ始めたら厳しい厳罰が待ち受ける。

それらを覚悟したうえでの務めなのである。安易な気持ちで人が神の代行者になってもらっては困るのである。

それらのやり取りを俺は話を回して三人に聞いていく事前にアイデアや抱負は書類に目を通している神はライバルを一堂にそろえて場で話してもらうことで神にしかわからない人の気の変化を読み取っている。

時間にして二時間、それは面接にしては長く、アイデアを三人がお互いコンペティションするには短いかもしれず一つの世界の行く末を決めるには明らかに短すぎる時間である。











話のなかでの位階

位階の目安1~30で30が一番低い


神器の位階は人が作り出す限界は神の位階25~30ぐらい相当

ヘパイストスさんが作り出すと同じく神の位階10~20ぐらい相当の力を持つ

ヘラクレスさんの世界にて試練をこえた人は神の位階にして28~30相当

一番低い位階は人の世界の役所でいえば新卒の新人以下の扱いです。

なのでヘラクレスさんの試練を超えた人は天界では力は低くヘパイストスさんの神器が補佐することで市長か知事レベルまであがることが出来ます。


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