日誌18
「2人ともアオハルしてるわね。この場からアオハル力をビンビン感じちゃう」
「そうだろう、そうだろう」
「やすいっちは私が見込んだ通りの青春快活男子だったわね!」
盛り上がるバカップルもといヘラクレスさんと嫁のへーぺさん
◇◇◇◇◇◇
話はヘラクレスさんが俺の休憩所にしている自販機前から始める。
ヘラクレスさんは近場の建設会社に派遣されることが多く仕事内容も現場にての作業が多いため。現場仕事は時に予定時間より早く終わることが多く、早く終わると会社にそのまま顔を出していた。
俺が社内自販機で休憩時コーヒーを買うことがあるのだがその時、ヘラクレスさんも缶コーヒーを購入することが多く自然と挨拶する仲になっていた。
コーヒー自体は自分の部屋にしている会議室に常在させているのだが考えごとをしている時は自販機で缶コーヒーを飲むのが思考が落ち着くので、少し糖分とお金が余分だとわかっているがルーティン化している。
「テレビゲームのことを分かるか安井?」
お互い自販機の横で缶コーヒーを飲んでいると話かけられた。
「ええまあ。最近はしませんが昔はジャンルによりますがしていましたよ」
「前に伝えた俺の世界の神の試練クリアーしたものが提案した試練を俺がクリアーてきなくてな。今のテレビゲーム的な試練は俺にはサッパリ分からん。少し仕事とか関係なくアドバイスをもらえないか?」
「なるほど確かに今の現代人が作る悪意ある試練を出されては手こずるかも知れませんね。参考になるか分かりませんが良いですよ。ーーところで試練クリアした人が試練を作成してるのですね。ヘラクレスさんは任せてるのですか?」
「ハハハハハ!俺は試練を与える側より試練を受ける方が楽しいからな!」
ヘラクレスさんは豪快に笑うと笑い声がフロアに響きわたる。前を通過する女子社員は怪訝そうな顔で俺、ヘラクレスさんをみていくいが注意は流石にできないようだ。
「そんな事より聞いてくれ、このまえ挑戦している試練のステージに隠し扉を見つけてな。扉の奥に宝箱を発見したので興奮して開けたら煙が出てきて気づいたらモンスターハウスに転移されて死んだのだ。なんて底意地の悪さであろうか、隠し扉の先の宝だから期待させといてからのトラップだ。そしてこの前もだが宝箱を開けたら急に宝箱から足と手が生えて襲ってきたのだ。流石にその気持ち悪い見た目に尻もちをついてな、その隙に宝箱が歩いて逃げ出したんだ!襲ってくるならわかるが宝箱が歩いて逃げるなど発想が凄いな。凄いと言えば新しい試練ステージが隠しステージになっておって行き方が山の山頂にて瞑想を1時間するということになっていてだな。全くあんな発想どこからくるのやら。やはり、こういうことは現代の人に任せるに限るな」
興奮気味に楽しそうに話すヘラクレスさん
「聞いておるか?」
呆然と聞いている俺に確認をしてくる。
「そんなことできるのですか?」
俺は正直ヘラクレスさんの話に驚いたいた。先に提案したのは俺だが、そこまでゲーム風に世界が進んでいて創造神であるはずのヘラクレスさんが逆に人に世界を任せて自分がエンジョイしているからだ。
脳筋だと思っていたのだが以外にも他の神よりも向いていてたのかもしれない。元は半身が人であり人の世界で長く生活していたのも関係しているかもしれないが人に任せる柔軟さは他の神様より優れているようだ。
「そこを試練クリア報酬の一つにしてるしな。一応ひとのみでわあるが試練をこえしものは神になる権利を持っているから、俺と同じく半神ともいえる。ただ俺はゼウスの血が半分流れてるから試練を超えても俺を超えることはできんがな」
「管理者は変われるのですか?」
「それも無理だ、しかし管理者の権限の一部ぐらないなら任せても問題ないだろう」
「良いのでしょうか?」
「分からんが新しい試練を作成できてるからいけるんだろう。ハハハハハハ」
俺はつられて苦笑いしつつ、適当、大雑把な感じはするが、これは豪快というべきなんだろう。前向きにとることにした。
「俺は安井には感謝しているぞ。最初に任された時は俺には向いてないからどうしようかと悩んだものだが今は自分の世界の創生に充実して楽しんでいる。俺は試練は難しくて理不尽な方がやり甲斐を感じるからな。だが、難しくて理不尽でいながら希望を残せる試練というのは、なかなかに難しくある。だが、試練に自ら挑戦し超越した人は俺では思いつかない試練を作ってくれる。安井が俺に他の世界から試練の挑戦者を募れと言った時は希望者など集まらないのでわないかと疑ったものだが今でわ逆に試練を超えた者が元の世界に戻らず試練の管理者候補になりたがって困ってるぐらいだ」
「そんなに候補者がいるのですか?」
「ああ、皆俺にやらしてくれと頼んでくる。神の試練の難易度によって位階のステージが違うのだが俺より難易度が高いステージを超えるものが多くて神のたつせがないな。ハハハハハハ」
「そんな人でも管理者は出来ないのですか?」
「管理の範囲によるが俺は世界そのものを管理している。だが、試練を超えた人間は精々試練の置いてある世界というより分かりやすく言えば国を管理しているというところか。難しくは分からんが試練の国を幾つか作り任せている‥‥のか?」
ヘラクレスさんは自分で言って自分で悩んでいた。
そんなやり取りをしてからは、よく休憩所の自販機前にてヘラクレスさんとゲーム講義に近い試練の罠の対策や逆にその逆をつくやりかたなどを話すようになっていた。少し悪ふざけが進んだ世界になってしまい今は反省はしている。が、ゲームの話を友人としている感覚で話すのは楽しかった。ゲーム関係の話をする友人はいつぶりだろうか?神様であり相談者でもあるヘラクレスさんを友人のように話すのは問題だとおもうが。あくまでゲーム談義を休み時間にしているのだから問題ないかとおもうことにした。その時話していたゲーム談義からの閃き、やり方は他の神様の世界でも使えるのではないかと考え始める。これを現代の人間社会にはめて考えてはどうかと・・。
そこで思いついたアイデアをヘラクレスさんにその場で伝えた。
つまり創生の管理者である創造神を社長に見立てて
会社の組織構造を作ります。
そして代理人を現地の支社長として
良ければ現地の目端のきくものを社員として採用し情報などをタイムリーに入手
社長は方向性だけを伝えて代理人がその都度報告します。
神の奇跡などは管理者である創造神のみが行い
あくまでも現地での情報など管理を任せます
この考えをヘラクレスさんに伝えたのだが反応は良くなく呆気にとられた表情をしていた。
だが話しているうちにイケるのではないかと考えていて
資料を作成していくことにした。
◇◇◇◇◇◇
二人のやり取りをみていた神がいたへーぺである。
安井とヘラクレスがゲーム談義に花が咲いているのは青春の女神へーぺも旦那である英雄ヘラクレスを迎えに来ていた時幾度か遠くから見守っていた。声をかけずにいたのは二人の談義に熱意や思いが発せられていると感じたからだ。青春それは年齢、性別、人種、ましてや神や人の垣根を越えて伝わる波動。
その波動をうけるのがへーぺの幸せであった。
今へーぺの夫と神キャリアコンサルタントの安井が仕事の付き合いを超えてアオハルをしている。
安井から感じる熱いアオハル力を夫が受けきれてないと知る。
”そんなのダメよ!あなた気づいて安井の想いに”
へーぺは二人の会話に口を挟もうと飛び出そうとする気持ちをグッと抑え込む。
そう見守るのもアオハルなのである。
女神であるが彼女は生徒を見守る保険のへーぺ先生でもあるのだから。
へーぺは考える。
あの提案は誰にたいする提案なのか?
きっとヘラクレスとの熱い想いから閃いたナニカを伝えたい相手がいるのだわ。
へーぺには誰かに対する想いの波動を感受するのが得意であった。
アオハル力受信体質と本人が思っているがその力が安井が誰かに伝えたい気持ちがあることが分かるのである。そして瞳を閉じ安井が想い浮かべた相手を受信する。
ヘパイストスの神気を受信する。
へーぺは今の状況に気持ちが高まってきていたのを自覚していた。
愛する夫である英雄ヘラクレスと熱い友情を交わす人の安井、その安井がヘラクレスと熱い談義を交わしながら他の神であるヘパイストスのことを考えている。
イイ!
良いわ!
アオハルよね。アオハルだわ。
やっぱり私が見込んだ青春快活男子。アオハルを拡散しているわ。
へーぺは青春の女神、だが長い天界暮らしで青春などから離れた生活をしていた為、少し腐っていたかもしれない。だが人の想いを受け取る力は本物であった。
ならば必ず次は安井は動き出すわ。
それを私や友情を交わす夫ヘラクレスがいないときに。
そんなの勿体ないわ。
私やヘラクレスがいないときにアオハルが行われるなんて!
へーぺはアオハルに常に飢えていた。
それは男同士の友情ものか昼メロのような展開なのかわ分からないが場を作ることに使命に燃えていた。
まずは旦那に理解させないとアオハルがなんなのかを
そして安井より熱い想いをヘパイストスにヘラクレスが伝えるべきだと
教育せねば愛する夫に
そうしてへーぺさんの暴走が今回の登場とあいなったのである。
位階が上がると神の神威や地位が上がる。この世界の設定では神の世界は30位まである。
最上位の一位はゼウス
人間世界でも位階は神が10段階を人につけている。