表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/86

とりあえず、それらしい事を言ってみよう

 

 俺は話しを自分なりにまとめると質問する事にした。

 その前に何を聞こうか‥‥子供の事、いや周りくどく親の事、嫁さんの事、会社もとい世界の事、何を聞くべきだろうかと少し思案する。

 子供の事ならば話しで聞く限りかなり人数多いみたいで話しがまとまらない気がする。

 おそらく、また長い話が続くだろう。

 ダメだ、子供のことは今は却下だ。

 なら、親の事どうだろうか?

 聞くことにした。何かヒントがあるかもしれない


「参考までに聞きたいのですがゼウスさん親は世界の事でどんな事を教えてくれたのですか?」


 少し愚痴をぼやいてたゼウスさんも一度話すのをやめ思案に入り考え込む


「‥‥ふむ人よ、我は忘れておった嫌いで憎んでいた父がいた。・・・親父のことは考えないようにしていたし、周りも決して口にしない。そんな関係の親父であるが・・・」


 どうやら親父さんとの関係は難しい関係らしかった。


「話づらければ話さなくても大丈夫ですよ」


 ゼウスさんは右手をすこし上げ、おれの言葉を遮ると話を続ける。


「・・・だが受け継いだものがある。それは良いモノ、と悪いモノ、それと、どちらでもないモノ、・・・我は知らない間に親父殿と同じ道を歩んでいるのかもしれん。・・・立ち止まるにはいいタイミングだったのかもしれんな、この場、この時に感謝せんといかんかもしれんな」


 ゼウスさんは答えにならない答えを自分で答え感謝の言葉を口にした。


「いえ、自分は少し疑問を聞いただけなので感謝される事をしておりません」


「いや、こんな当たり前の事を聞いてくれる神々が儂の周りにはいない。だからこそ当たり前に感謝なのじゃ」


 なるほど、どうやら親父さんとの関係はおもいのほか根深い話しみたいだな‥‥ きっと俺の夢の想像力の限界なのかもしれない。つまりこれ以上聞いても親父さんの話の答えは当面出てこないイメージがある。俺の頭では考えつかないのだろう。親孝行できていないが俺の親父は健在で仲はそこまで悪くないので難しい関係は想像できないのだろう。

 なら話を変えよう。

 次に話しを変えて奥さんの事を聞いてみよう。


「親父さんとは色々あるみたいですね。まだゼウスさんの中で消化できないとこもあるでしょう。少しプライベートな事をお聞きしますが奥さんは今回のゼウスさんの悩みは、どう考えられてるのでしょうか?

「ヘラかとても良い妻である。‥‥」


 そこからゼウスさんの眉間の皺が取れていく。最初は顔がわかりずらい感じがしたが今はゼウスさんの表情がよく見える。どおいう変化だろうか。なんにしても顔の表情がわかりやすいのは話やすいので助かる。

 そこからゼウスさんは妻の素晴らしさを俺に聞かすのであった。



 ◇◇◇◇◇◇



 その頃、場面がが変わり。

 あるベースボール球場

 話題の妻ヘラは夫ゼウスが相談に行ってる間、ベースボール観戦をたのしんでいた。


「キャーキャー!ショウ!ヘイ!」


 たこ焼きを右手に左手にコーラを持ち大声で1人の選手に声援を送るヘラ


「ホント最高!大神ショウヘイ!最高だわ!彼こそ神の最高傑作よ!」


 ゼウスがほめたたえた妻ヘラは下界を楽しんでいた。

 ヘラは大神ショウヘイの大ファンであった。

 大神ショウヘイは歌って踊れる。そして打てるで球界のホームラン王であった。

 そして世界で1番有名なスポーツ選手である。


 大神ショウヘイは試合前にロックショーを行う事でファンを沸かせていた。

 その歌声とプレーでベースボール人口を増やした事で有名な選手である。

 天界から一度そのロックショーを見たヘラは下界に降りて実際に観に行く機会を伺っていた。

 そこで注目したのが夫ゼウスの世界調整における子供達の悩み相談である。

 ゼウスはヘラ以外に相談相手がいないといい、ヘラはいつも相談の解答に困っていた。

 そこで妻ヘラは考えた。

 天界にいい相手がいないならと下界の人間に目をつけた。

 下界の人間に神の相談相手になる者を育て、それに夫ゼウスを誘導すれば自分は流れで下界に降り立ち合法的ベースボール観戦に行けるのじゃないかと。


 そして実行は早かった。

 それに近い職業で全世界で有望そうな人物が集まるようにWEB限定とした。

 そして機会はヘラが思ったより早く来た。

 だが問題があった。

 受講は始まったばかりで人は育って無かったのである。

 事に慌てたヘラであったが機会は逃したくない!

 とにかく早く大神ショウヘイを生で観たい!

 そう考えたヘラは一度受講生で頼りなさそうで中年の安井に白羽の矢を当てる事にした。

 理由は中年男性で経歴も取り立てて何もなく性格も何とも頼りなさそうであったが、それゆえ悩みが多そうなので愚痴や悩みを聞く話し相手にいいと安直な判断したからだ。

 夫ゼウスが納得いかない内容だったとしても最初に期待出来ない人物をあてる事で時間稼ぎと行く回数を増やす名目ができる。

 天界の神々は下界にはなかなか降りられない。

 それは夫ゼウスもである。だが世界の調停の管理者の最高峰であるゼウスは視察という目的であれば簡単に降りる事ができる。

 ヘラは付き添いの形で降りることができ相談中は気を遣って離れた体をとれる。

 そして今回の人物が上手くいかなくても次には育った優秀な人物を紹介することができる。

 そんな安易な考えで安井は選ばれていた。

 つまり期待はされてなかったわけである。

 当然であるが本人が聞いたら納得しながらも落ち込んだであろう。

 そんな夫ゼウスや安井の知らないとこで

 ヘラは1人楽しんでいた。


 キャーキャー!

 大神!ショウ!ヘイ!

 ヘラの歓声は続く

 スタジオの熱気はどこまでも熱くなっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ