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日誌16


神は予言を恐れる


神は運命を嫌う


人は運命に弄ばれる


それ故神は人を嘲り笑う


偉大な人の王と言えども神から見て妖しげな力なき占い師の言葉を信じ愚かにも愚者になり落ちる


人は時に運命に屈し野に屍を無残に晒す。


人は時に運命を超え、位階すら覆す者もいる。


人の運命は揺らぎが大きく結末は変化する。その為、神は人に試練を課す


神は運命の揺らぎが小さい


それ故運命、予言を恐れる


もし、神の運命すら変えてしまう人が現れたなら


神は人の王の様にその者にーー



◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇



私の名前はサーㇳウ

日本では語感の近い佐藤と名乗っている

本来はヘラ様が構える宮殿の一つの宮女頭である。

私はヘラ様に仕えることを誇りとしている。

光栄な事に仕事振りを認められて下界にて此度直接ヘラ様に仕える機会を下さった。


ヘラ様が下界にて人間に神から知識と力を与える場をつくられる。

それは会社という組織であり軍や女官などとは違う組織構造であった。

下界に降りるに辺り現在の人間界の仕組み言語、習慣、歴史など様々なことは教えられ学ぶこととなった。

元々少ないながらも人を束ねていたいたこともあり自らの仕事にも自信があり下界に降りての役割も必ず問題なく果たすことができると私は息巻いていた。

会社という組織には信じられないことに大神クラスの神が所属していた。

ヘラ様の構える一宮殿を仕切る私程度には時に本宮殿にて行われる宴や催しにて遠目にて見える程度でしかお会いする機会がない神々がである。

普段言葉を交わすことどころか声をかけてもらう事すら恐れ多い神々のスケジュール管理の仕事を任されることになったのである。

最初のヘラ様のお仕事に直接仕えることができる光栄からきた高揚感、心地よい緊張感、使命感などは一気に膨らんだ風船が穴が開いたかのように萎み残ったのは重責と責任感であった。

とても大事な仕事である。失敗は当然許さない。

仕事を任されたヘラ様に報いねばと、他の神々に恥をかかせるわけにはいかない。

当初の自信など任された仕事の重みに押し潰され、正直暗澹たる気持ちが強い

会社の業務内容は

ヘラ様が今までの交流してきた人の世界でのネットワークから仕事を受けてこられ、そこに適職だと思われる技能の神や人を手配することである。


頭がくらくらしてきた。

長く宮女頭として使えてきた私でさえ言葉を交えることも無礼にあたる大神クラスの神が人の世界に降り立ち、名前、立場すら偽り、人の指示に従い働くのである。ヘラ様の提案と聞いているが担当官から職務内容を初めて聞いたときは何度も間違いないかと問いただしたものである。


実際に会社というものが出来て動き始めると神気を抑えているとはいえ本当の本物の神々が私に「どうやって働いたらいいか教えてくれないか?誰よりも稼ぎたいんだ」と尋ねてきたときは自らの正気を疑い寝込みたくなったほどだ。

私ごときが神に意見、どころか指示をして派遣先の注意事項や仕事内容を事細やかに教えていく。

心の内面は滅茶苦茶で肉体は鼓動が早くなり眩暈がしてきていた。

だけど神と話している時に私ごときが感情を表すなど不敬である。と倒れたくなる自分を律した。

出来る限り事務的にそして冷静に対応を心掛けて部下に教育していく。

それが私の任された勤めである。ーーと言い聞かせて


会社というものに努めてから神々との直接対応は否応なく慣れてきていた。

私はしないが部下の中には神に気さくに応じるものも出てきていた。これは弛緩している。風紀がたるんでいるかと思い再度教育の必要性を実感してきていたころ

私が一番対応に困っている人間から声をかけられた。


「たまには社内の人も相談に来てくださいね。それが私の仕事ですから。」

人の男性は締まりのない顔で右手で頭を掻きながら

続けて

”暇なのでどんな相談でもいいので来てくれと助かります”


呑気に発言する。

その時の私の感情を表すなら、三首の獅子の体に蝙蝠の翼が生え尻尾は蛇、そんなあり得ない生物と遭遇したときの気持ちとといえば良いだろうか

つまり一言でいえば”信じられない!”である


今回ヘラ様及びゼウス様など他の大神が協力して、この会社を設立したという、それも全てはこの人の男性が中心に関わっていると担当官から説明を受けている

天界が動いたといっても過言でわ無いでしょう。

神々と接していく対応にすら日々悩んでいる私が、その神々が接することを切望する相手との対応、正直どう対応すれば良いのか教えて欲しかった。

神々と対等に話す人物と聞いて最初は身構え、部下の女性達も、その存在に畏れていた。

だが事務的に対応する内に普通の人というのが私の結論であり

その普通が神々が求めるものでわないかと推測するに至ったが勿論そんな考えはおくびにも出さないし誰にも言ったことがない。

しかし、とても重要、いえ、重要という枠で収まらないくらい、大事な人物であるという事は私でもわかる

その問題の男性の発言である。

天界にて、それぞれ威光ある神々が何故下界に降りて人と同じ仕事をしているのか問題の男性は一切理解してないのである。

その男性の為に神界が動き神々が下界に降りて人の指示従い汗水を流す。

私の正気を疑う光景、世界がそこにある。

神々の目的は問題の男性と相談するためである。

その男性と相談する権利を皆欲して、下界で働き誰よりも先に権利を取るために必死に働いてるの

だが当の相談先の人の男は神も会社に所属する人や私たちも同じ立場だと思っている。


”信じられない”


大神クラスがここで働いてるのは人の世の金が欲しいからと本気で当人は思っている節がある。

神が本気になれば山のような財宝が積まれこちらの紙幣に交換しても問題の男性の給料など比べることもできない大金など準備できるであろうに…。


この会社を立ち上げるに至る経緯は聞いているが何度も耳を疑ったし信じてなかった。

普段お見えになることなどない神々が本当に来社して働くまで。しかも皆結果をだそうと真面目に働いていてるのである。


「もし神の運命する変えてしまうようなアドバイザーがいたら」


それは決して予言者でも占い師のように一方的に運命を告げるでなく。相談者の話を聞いたうえで神ですら変えられない運命を変える機会を見出すとしたら


そんな人などあり得ない

海の覇者、冥界の支配者、人界の守護女神が実際に相談したという噂は流れていた。しかしみんな信じずにいた。半信半疑で聞いていた。

おそらく神々の盛大なお遊びだろうと

ときに神は暇を持て余し我々下々の者を騙すために、そんな大掛かりな仕掛けをする。

だから今回も其の一環としてのひとつだろうと疑っていた。それにしては大がかりすぎるとは思うが...。

噂の当事者をみて更に確信した。

どこにでもいる人の中年の男性だと

それから、いろんな神が本当に相談に来た。

私なら感情を隠すことでしか、まともに接することもできない神々と普通に接している。ーーいや、普通どころか親密を超えて不敬で留まらない態度で対応している。ほかの者があんな態度で神に接すればどんな神罰がくだるかと普通はおびえるものだが当の当人は何も感じてるように思えなかった。

そんな男性と神々が部屋にてどんな会話がなされているかはわかりかねないが正直好奇心は尽きない。


同じく人での社会に合わせる為に採用した事情を知らない普通の人の男性、田中はキャリアコンサルタントの相談を受けているようであった。

それに続くかの様に部下の女性にも相談するものがでた。それを聞いて思った感想は


 ”羨ましい”であり、


その感想が出たことに自ら一番驚いた。


そう私は興味が出ていた。

それは立場故か個人の好奇心なのかは分からない。


立場上私程度の者が神々が相談する為に必死に働かれてるのに安易に相談していい相手とは思えないからだ。

ただ部下も相談しているなら上司の私も問題の男性の人柄、仕事ぶりの一端でも知っておくべきではないか、いや知っていて当然だろう。

ならば、実際に相談するのが早いだろう。

相談内容なら生憎困ってはいない。

部下の教育、組織の人事、管理の神様の対応、なら一度、その男性が本当に言葉通り暇していて退屈をしているなら...。


佐藤は会議後3の部屋を叩く

コーヒーを二つ準備して












会社の人たちは佐藤さん含めて普通のキャリアコンサルタント範囲の相談になります。

三部ぐらいから、安井がキャリアコンサルタントの相談をしている話は書いていきたいと思います。

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