日誌2
気がつくと俺はローマ時代の映画でみるような街並みにいた
どこだここは?
混乱する
落ち着け俺
えぇっと先程まで俺は仕事をしていたよな
職業はキャリアコンサルタント
日本に住んでいる
40歳男性だ
俺は自分の姿を確認する
今の姿は俺の記憶の姿と大違いだ
浅黒い肌に筋肉質の引き締まった身体、黒く短い髪をしている
服装は革鎧に革のサンダル腰に鉄の幅広い短い剣をぶら下げてる
脳内に声が届く
安井聞こえているか!
頭の中に大声が響いてとてもうるさい
「どおいうことですかアレスさん!」
ふむ聞こえているようだな安井
実際に声を出さなくていいぞ、会話は心の中で話かけてくれたら、それでこちらに通じる
俺の大声に周りの人が訝しんで足をとめるが、そのまま町の喧騒に溶け込み誰もきにしなくなる。
安井よ、その世界の名はマルスアース
戦いにてよって全てが決まる世界だ!
そこで戦場を渡り歩く傭兵稼業の熟練兵士となって世界を体験してくれ、そのうえで何が足りないか教えてくれないか
アレスさん、この様な事はキャリアコンサルタントの仕事てはありません。元に戻してください。
「なぁに安井よ、そんな難しい事じゃない。これは体感型立体ゲームと思ってエンジョイしてくれ。ただ、そこにいる人間達はゲームのキャラクターではなく、この世界に生きてる実際の人間だから気をつけてくれよ。そちらの世界の三日程生活して、感想を教えて欲しい。あと死んでも安井は死なないが痛みはあるので注意してくれ。以上だ頼むぞ」
「ちょっとアレスさん!」
くそ!
人の話を聞かないのは敬愛してるというポセイドンさんを真似なくてもいいのに。終わったらヘラ社長に訴えてやる。
俺のイヤイヤ異世界転生!?が始まった
とりあえず場所を調べる前に所持してるものを確認する。
まずは財布は腰袋を確認する。
金貨がぎっしり入ってる。価値は分からないが三日なら充分待つはずだ。
ステータスオープンと定番の言葉を言ってみる
反応がない。
どおやらそこまで便利な世界ではないみたいだ。
まず分からないことが一つある。
これが異世界で住んでる人が実在するなら、この俺の人物はなんだ?
おそらくアレスさんが普段使ってるアバターみたいなものだろうか、もしそうなら体が普通の人とは違うはず何かしら覚えて特典もあるはずである。でなければ死んだら痛いなどと怖い事言う世界に放り込む訳はないだろう。
ないよね?
‥‥少し怖いから考えない様にしよう。
説明書でも欲しいところだが使い方をアレスさんに聞くと、この仕事をなし崩しに認めてしまうことになってしまう。
あとでヘラ社長に怒ってもらう為にも意地でもきかんぞ。
生憎俺はゲームをする時は説明書を見ないタイプだ。
よし、まずは移動しよう。
俺はとりあえず歩いていると大通りに出た。
その正面にはローマの闘技場の様な大きな建物が見えた。
まずはそちらに向かうことにした。
とりあえず向かう道すがら大通り沿いに商店が並んでいるので物色してみる。
どこかで見た様な食べ物ばかりである。そこら辺は地球に近いらしい。
金額をみる為に適当に屋台で売っている肉の串刺しを頼むことにする。
当然ながら言葉も普通に話せるし書いてる文字も自動変換なのか日本語風に見える。風というのは変換が怪しい時の日本語だからだ。
食べてみると美味しいが味付けが謎の香草を振ってるだけなので大味で歯応えがすごくある。
食べながら歩くと闘技場に近づくにつれ人の群衆と熱気と喧騒が賑やかになっていくのがわかる。
闘技場に近くなると群衆をかき分けて、たどり着く
闘技場には催しがしており王位決定戦と書いてある
王位決定戦!?
王を闘技場で戦って決めてるのかよ
俺は闘技場入り口の衛士に声をかける
「これはエースストライカーのワイルドウルフさん!こんにちは」
う、うんワイルドウルフこれが今の俺の名前なのか?エースストライカーってなんだよ。どおやら少しは名の通った人物設定の様だ。本当説明もなく放り込みやがって俺は更にアレスさんに腹をたてる
「流石ワイルドウルフさん。この試合のカードに興奮してるんですね。私でも分かるぐらい闘気が溢れてますね」
勘違いです。
どおやら怒りが顔にでていたみたいだ
とりあえず顔見知りなら好都合だ。
とにかく情報収集をしよう
衛士から話を聞いて分かったのは王位決定戦は四年に一度行われているらしい。
そしてこの闘技場は創造神アレス様が天上より授けてくれた神聖なる建物である。ここでの決闘の勝利者がこの国の王となる
だが、この大陸には他に4つの国があり同じく闘技場がある
常に5つの王国は創造神アレス様に選ばれた自らの正当性と野望をもって争いあっていた。
アレスさんの意図はなんとなく分かってきた。
おそらく強い王を作り出し中国の中華統一みたいな文明を作り一気に文明レベルを上げたいのだろう。
しかし俺をここに放り込むぐらいだ時代がどれだけ進んでもこのままなのだろう。
発想は悪くないと思う。ただ何回もしていれば、いつかは統一しそうなのにしないということは外的要因要素がたりないのかもしれない。
いかん。
冷静に分析している。これでわアレスさんの思う壺ではないか。楽しまんぞ
とにかく考えを変えよう。
アレスさんは最初に俺の為に創生の石のような物を持ってきたと言っていた。
つまり他の相談者も同じ力の卵?を持っている前提である。
非常に癪だが今後の仕事の為に今回の件利用しよう
今の仕事を失うと自然と可愛い彼女の紐である。
最終的に振られてしまうかもしれない。
仕事で結果を出さねば
アレスさんの相談内容はこのマルスアースの問題点を探して欲しいこと
だが一傭兵視点で何を別れとわかるのは精々町の文化レベルである。
昔幕末時代に賢い侍が欧米の街を歩き街の人と雑談するだけで文化レベルと問題点などがわかり明治維新にいかしたそうだが俺がわかるわけない。
「ワイルドウルフさん時間です。シード枠登録終わりましたよ。どうぞ中へお入りください」
「シード枠なんのことだ?」
俺は衛士に促されるまま闘技場の中へ入る
アレスさん!謀ったな!
誰でも町に着いたら中央にあり賑やかな闘技場に足を運ぶ。この体はそこの登録選手で自動的に戦う流れなのだときずく。
死ぬことはないが痛いという忠告はこの為のものか!覚えてろよ。
◇◇◇◇◇◇
俺は今闘技場のど真ん中にいる。
対面にいるのは人ではなく動物園で見かけるクロサイである。横に鞭をもった男がいる。
納得いかない。クロサイが道具扱いである。なのに勝利条件はクロサイを倒すことである。
落ち着け俺。これでもゲームは得意なんだ人を切るわけではない。相手は動物だ人じゃないぞ
いや、これ動物愛護的にもアウトでしょ。
大きなドラムが鳴り響き始まる
・
・
・
結果をいうと勝利しました。
あっけなく。
というかその後勝ち続けると優勝しました。
つまり王になりました。
この体はアレスさん向けに作成しているのかとても強いのである。
闘技場にはいろんなギミックがあり
地面に打ち込んでる杭
落とし穴
油をまいている地面
針がつきだしされている壁
踏んだら矢が飛ぶ仕掛け
俺はクロサイを誘導して壁に針が張っているところに誘導することで自滅にもっていけた。
クロサイは死んでないが壁に刺さって動けなくなっていた。俺は鞭をもった男に剣を突き付けたことで勝利を認められる。
続く相手は首に刃をつけたキリンであった。
近づくと大きな首を振り回して攻撃してきた。
興奮してるらしく追いかけてきたので油をまいてる地面に誘導することで転倒を促し立ち上がれない為無事切りぬけることに成功して勝鬨を上げると勝利を認められた。
最後は屈強な鉄の鎧をまとう大男であったが、身軽な俺が動きの悪い大男をさんざん振り回した後疲れた男を落とし穴に蹴落として優勝することになったのである。
痛いのも相手を殺すのも嫌なので、とても体も心も疲れました。
ハイっと
で、残る二日であるが
翌日は国上げての祭りで新生国王として、つかまり朝から晩まで宴で一日が終わる。
最後の日に俺は宰相を捕まえて世界の情勢と歴史を確認する。
・
・
どうやら、この世界は記録がある限りは300年ほどで口伝では2000年ほど人類史の歴史がある世界のようだ基本的に牧歌的に生活をしていた人類が1000年ほど昔闘技場と神託が起こり国が興ってきたといわれている。
おそらく文化レベルが進まないことでアレスさんがテコ入れしたのだろう。
神がどれくらいの頻度で介入できるかは気になるところである。
その後闘技場を中心とした場所で5つの王国ができ戦争を大規模に行うようになった。
ある程度の発展が進んだが、ここに来てどの王国も停滞どころか後退しているという。
理由はいくつかあるが一つに長期政権ができないことである。4年に一度の大会で決めるため強き王も衰退するのだ。
代理も動物のように条件付きで認めているが同じ政権が続かず王が変わるごとに政策が変わること。
誰でも王になるチャンスがあるため生産者や技術者の地位が低くなり、成り手がいないこと。
そういえば昨日も王の就任祝いなのに出された料理は豚の丸焼きであったが肉を切り分けてテーブルに直に置かれていた。王ですら皿をつかわないのかと驚いたが、そんな発想もないんだろう。
戦術も発展せずお互い闘技場の延長で会戦日時を決め正面から数も揃えて戦う。
しかも優秀な戦士ほど負けを認めると自害する傾向が強いようだ。それが美徳とされてるとの事。
そのため最近では兵の質も落ちていくし。まともな王が出てこない為衰退の一途をたどっているとのことである。
違う世界のことであるが考えるだけで頭が痛い。
俺にはどうしたらいいか分からないが歴史研究家の方でも外部的にアイデアをもらおう。
勿論お金はアレスさん宛てである。
こうして俺は三日過ごし無事戻ることができた。
◇◇◇◇◇◇
築くと俺の使っている会議室の部屋である
目の前には気楽な顔をしたアレスさんが座っている。
腹が立つ
「どうだ安井楽しめたか?王になったんだろう。いい経験できただろう」
黙る俺
「すごいだろ!この創生の卵の力」
黙る俺が感動していると勘違いしているようだ。ハッキリ言わないといけない。
「アレスさん!キッチリ三日分オプション価格として頂きますからね!」
「ちょっと待て安井!実際の時間は30分程だぞ!」
慌てて時計を指さすアレスさん
「関係ありません。私は三日分働きました!通常の相談時間は1時間ですので実際の稼働時間を考えて請求します」
「俺はこの最初の相談する為のノルマで建設会社に二ヶ月勤めたのだぞ、それも、ヘラ様から課された分は相談時間1時間だとすると」
「ええ、その分働いて下さい!」
「俺は安井なら悩みごとを相談したら解決する糸口が掴めると聞いて誰よりも先に頑張ったのだ。まずは悩みを実際に分かって貰おうとしただけではないか」
「悩み相談とは今回の事で例えるなら、あの世界を仮にゲームとします。アレスさんがゲームのプログラマーをしていて、その仕事や就職の悩みを相談するとこです。誰がプログラムのバグが分からないからと言ってデバッカーの仕事を自分にさせることではありません!」
「そんな事は聞いてないぞ!」
「聞いてないじゃないです。分からないなら。まずは聞いてください。先に世界にいきなり放り込まないで下さい!」
「安井が怒ってるのは分かった。だが三日分は勘弁してくれないか流石に何年も働くのは辛いのだ」
アレスさんは右手を伸ばして苦悩の表情を浮かべる。
相当働くのが嫌みたいだ。
「ちなみに派遣先は建設会社と言ってましたが何の仕事をされてるのですか?」
アレスさんが辛がる仕事に興味がでてきいてみた。
「設計士だ」
嘘だろ!見た目からして力仕事か重機の運転士かと
驚いて声がでない。
異世界転生より驚いた。人は、いや、神だが見た目では分からないものだと思う。
「街の真ん中にコロシアムがあっただろうアレは俺が直接設計図を引いて作成したからな。そおいうのは得意なんだ」
得意げな態度が腹が立つ、やはり3日分働いてもらおう
仕事ですので、とりあえず私の方で分かった問題点いわせて頂きますね。あの世界は力を重視しすぎて生産者が少なすぎます。あれでわ文明は落ちていくだけです。とりあえず歴史研究している人に私の方で感じた文化レベルを伝えてその場合の有効策など聞いておきます。
それらレポートは後日提供させていただきます。
もちろんこちらもオプション料金です!」
俺は時間が少し早いがアレスさんに帰ってもらう。
◇◇◇◇◇◇
後日
創生の卵を持ち出したこともバレたアレスさんはヘラ社長に大目玉をくらい休みなく働かせられていた。
後で社内の方に聞いたら働きすぎで過労で一時期倒れたらしい。神さまでも働きすぎると倒れるみたいだ。神様には就業規則も関係ないようだヘラ社長容赦ないな。
少し可哀想だと思うが最初である。
同じ目に合わない様に強くいっておこう。
とりあえず専門家に作成してもらったレポートを総務に渡しておく。
俺がいなくなった後の世界きにはなるが俺にできることはアレスさんがこのレポートを参考に頑張ってもらうことを祈ろう。
とりあえずこれが俺の就職して初めての神様相談日誌である。
世界観として、とりあえずカテゴリーにある異世界転移を消化しました。基本異世界転移展開はない予定です。