夢の中にて
俺こと安井は悩み多き男である。
特に趣味もなく普段の休みをあてもなく無為に過ごしている。
そんな無為に過ごす時間が年齢を重ねるたびに理由もなく不安な気分になることが多かった。
かつて安井も休日は無為に過ごしていた訳ではなく、友人と飲みに行ったり、釣をしたり過ごしていた。
短い期間であったが恋人がいた時期もあった。
だが年齢が立つと友人も結婚し、一緒に出かけることも少なくなくなり、恋人とも続かず
きずくと自分は趣味もなく孤独なのではないかと感じるようになっていた。
いつからだろう休日が待ち遠しく感じなくなったのは・・・・。
無駄なことばかり考える時間が増えていた。
その為様々な悩みで不安な気持ちでいることが多かった。
‥‥が最近は安井は少し充実していた。
それは週末にWEB受講という形であるが資格の勉強時間をとることで他の人に接して話す事が増えたからだ。
普段は考えないようにしていたが、休みの日は誰とも話さない、家をでることない日が多くなっていた為無為な時間を過ごすことが一抹の寂しさ不安と感じていた。
そんな一抹の寂しさと不完全燃焼な日々と違い。
今は様々な勉強仲間達と一緒に勉強しているという満足感が充足感を与えてくれてくれるからだ。
それは世間から見れば小さなほんの小さな努力であるが、その努力は安井の中の何かを変えてきていた。
日々の終わりの行動も変化していた。
安井は普段は理由ない不安をかき消すように仕事が終わり家で一人お酒を飲んでいた。
晩酌として、普段はちくわ、など安くて多いものをあてにして飲む。お金に余裕や、いい事があればソーセージやベーコンなど購入して軽く調理してから安いがアルコール度が強いお酒を飲む。
1日の終わりに酒を飲む。
ここ数年の安井の楽しみであり日常であった。
そんな日常のルーティンが変化していた。
資格の受給者を受講した日は安井は安い酒から意識を忘れ教科書を見直して飲まず寝ることができていた
平日でも教科書のわからないことを調べたりするようになっていた。
安井は自分で意識してないが当初の転職の為という目的は薄れていた。
他の勉強仲間と一つの資格をまなんでいくことに楽しみを感じ初めていた。
わからないことが多く皆についていくので精一杯ではあるが充実感を味わっていた。
講習中はWEB上であり実際に机を並べてないが、それでも休日を誰とも会わずに無為に過ごしていた日々と比べると安井は楽しかった。
そんな日々が一月ほど経った頃安井は夢を見た。
◇◇◇◇◇◇
不思議な世界にいた
周りはどこまでも白い世界
まるで話に聞く霊界の世界のようだと人事のように安井は思った。
夜眠り入ったと思ったら、その世界にいた。
夢かと思い。寝直そうと考えたら声をかけられ目を覚ます
目の前に長い髭をした男性がいた。
いたというのも表現はおかしいが確かに存在を感じるのだが見る事が出来ない。
安井は理解できないでいた。
夢”!?
相手は近くにいるのだが薄い壁を感じて声は四方から聞こえる様に感じる。
つまりそこに存在するように感じるのだが実際には姿は見えず目を擦ってみて薄目にしても見えなかった。
夢の状況に戸惑う俺
「誰かいますか?」
不安になり声をかけてみる。
「ああ、すまん人には私の存在を見れないんだな、少し待っておれ」
ホイ!少し間の抜けた声がする
っと男性の声がした方を見ると目の前に爺さんが立っていた。
‥‥が声の想像と違う逞しく精悍で筋肉隆々の大きな爺さんが立っていた。
「これで姿が見えたかの』
爺さんが優しく声かけてくれたが後光がさして、なんとなく爺さんのように感じるのだが、ぼやけて細部の顔までは見えなかったが頷いた。
「あのう、俺になんですか?」
おずおずと控えめに聞く、夢の中とていえ筋肉隆々な大男は怖かった。
「ふむ、おぬし一つきくが悩みを聞く勉強しておるのかのう」
男性は控えめに聞いてくる。
俺は爺さんの言葉を聞いてやっと事態が分かった。
なるほど
少し戸惑う事になったがやはりこれは
やはり夢だ!
キャリアコンサルタントG級を学んで普段から講習の時間にロールプレイングとして1対1でキャリアコンサルタント側と相談者相手とで別れ練習している。そのため普段から意識してるから夢の中でもロープレの練習を見てるんだな。
俺は1人納得した。
そうでなくては、いきなり何もない部屋に来て知らない男性が悩みを聞く勉強をしているかと聞いてくるわけがない。
ならば、やることは一つ
そして深呼吸すると
「ええ、しております。まだ正直勉強し始めで未熟でありますが、相談のご要望でしょうか?」
どーせ夢なら、まだ勉強中だがやりきってみよう!
安井は普段は内気である為人に意見をハッキリ言わないとこが多いが、いざやろうとなると思いっきりがある性格だった。