パワーこそがマイン
俺は今日は近くのスーパー銭湯に来ていた
月に一度程休みの日にスーパー銭湯に朝から晩まで入り浸る。それが俺なりのストレス解消法だった。あまりお金もかからないしね。ただ家族連れが多いのが色んな意味でこたえる。中年独身男性の心に刺さる。が、それに目を瞑れば最高の休日だった。
昨日の晩は高嶺さんから連絡あり修了試験の練習を付き合ってほしいと言われたので喜んで付き合った。
高嶺さんは話がいつも明瞭でいて頭の回転の速さを感じる。頭がいい人は嫌味をかんじたりするが高嶺さんは話してると実際はそれを全く感じさせずに話の都度に入れてくれる声は心地よく落ちつく。そして親身になって話を聞いてくれる。おそらく人柄なのだろう。俺より年下なのに懐の深さを感じる女性であり話せば話すほど感心してしまう。本当はこちらが教えてあげたいが逆に自分の拙さを自覚してしまう。情けないが仕方ないと思う仕事や生活でそこまで自分が人と接してきたかというと顧みると納得してしまう俺がいる。
前回勝手にヘスティア様を紹介したことも笑って許してくれて逆に感謝された。
高嶺さんは大人だなと俺は尊敬する。きっと年齢とわず男女から好かれるのだろう。年下の女性だけど、そんなわけで俺は実は話してる時は年甲斐もなく楽しんでいた。そんな楽しくて充実した時間を昨晩は過ごしたので今日は気分が良いので奮発してマッサージをやろうと考える。
たまには贅沢しないとね。
最近の俺は頑張ってるからねと自分に言い聞かせて少し高いが長い時間のマッサージコースを選んでマッサージ室に入ると世界が一変した。
◇◇◇◇◇◇
目の前には短ズボン?短い腰布をきた筋肉質な男性が腕を組んで立っていた。
周りは水族館の様なガラス張りみたいなところに魚やイルカなどが泳いでいる。どうやら白昼夢を見てるみたいだマッサージを受けて気持ち良くて寝てしまったのだろうか、と思考が逃避行する
「俺は海の王 ポセイドンだ!」
やはり夢ではない様だハーデスさんと同じパターンの様だ、人の休みを潰さない様にしてほしい
俺は自分の服を確認する、どうやらマッサージを受けるときの作無衣の様な服を来ていたので裸ではなくて、とりあえず一安心する
「海の王ポセイドン様ですね」
とにかく誰か確認してみる
「そうだ海をすべる神だ!」
「海をすべる神様なんですね。本日はどういうご用件なんでしょうか?」
「貴様名前はなんと言うんだ?」
いけない名乗り忘れた気分が休日まったりモードなので、どうしてもスイッチが入らない神様相手に不遜だけど来るタイミングを見てほしい、なんで皆急にならんだろうか、少々腹が立って来た。神様に言っても仕方ないが人にも気持ちがあるんだぞ 怖くて言えないが
「申し訳ないです。私安井と申します。よろしくお願いします」
頭を下げる俺にポセイドン様は大様に頷く
「安井、ハーデスと会っていたな」
ポセイドン様は要件から入ってくる。
「はい先日向こうの世界に呼ばれる事がありましたがどうかしましたか?」
ここは正直に答える。しかしみんな神様の動きバレバレすぎなのでは
「ハーデスは正義に逆らう愚か者それに呼ばれた安井お前も正義に逆らう者か、答えによってはタダでおかんぞ!」
ポセイドン様から凄い力の威圧を感じる、ホント怖い
ゼウスさんはこちらが怒らしたとこもあるから仕方ないがハーデスさんといい今回といい、ホントになんなのと文句を言いたい、そう考えるとヘスティア様はやっぱり神様なのに優しいだなと普段ロリ女神だと思って、ごめんなさいと心の中で謝る。頭の中でヘスティア様のアイドル姿を思い浮かべる。決して家でだらけてる姿は考えない、さて逃避行終わり
‥‥ダメだ頭が休みモードなので事態が理解できないし、したくない。俺は上を見上げる。幻想的な風景があった。海の底から僅かに光刺す海の光景があり映画を見ている様だ
帰れないな、やはり話すしかないか仕方ない、いつものことだと諦めたいが
「ポセイドン様すいませんハーデスさんが正義に逆らうとはどう言う事でしょうか?」
「人間がハーデスをさん付けとは傲慢だな、それだけ仲が良いわけか、やはり怪しいな。まあいい。では教えてやる。正義とはパワーだ!」
一度仕事で話した相手は出来る限り立場を近く考えてるので他者から聞いたら不遜不敬に思われるのは仕方ないが、これは俺の仕事のスタンスなので変えたくないと思ってる。まだ勉強中だけど、こおいうのは大事だと思う。話を戻そう。さて正義とはパワー!また話しがみえない。どおいう意味、英語にしただけじゃん、それとハーデスさんとどう感かあるんだ
「あの正義とハーデスさんとどう関係してるのでしょうか?」
ポセイドン様は俺を憐れな物を見る目で見下ろすと教えてくれた。
力こそがパワーであり
パワーこそがマイン
つまり力が正義なのだ
だから俺はゼウスを正義と信じる
つまりゼウスの言うことに従うとのこと
だがハーデスはゼウスに冥府を任された事に逆恨みして事ある事に逆らっている。それを元兄今は弟であるハーデスを俺が諌めてやる為に来ているとのことである。との事らしい。
複雑な兄弟喧嘩に巻き込まれた様だ。だけどハーデスさんゼウスさんと仲悪いだろうか俺にはポーズでしている様に感じたけど、よくわからない関係だ。何にしても俺とのかかわりの誤解を解かねばならない。
そのあとゼウスさんとハーデスさんとのあらましを説明する。勿論相談内容は言ってない。
「つまり、どう言う事だ、説明しろ」
あらましを説明したのに説明しろとは困った。
これは仕方ない
「困りごとがある
困りごとを聞く仕事がある
相談を聞きました」
3行風に言ってみた少しふざけ過ぎただろうか
「なるほど分かった。お前は悩みを解決するんだな。説明がわかりやすいではないか」
長い説明より分かりやすいらしかった
「はい、悩み解決は分かりませんが悩みを聞く事をしております」
「フン!しかしわからん解決しないなら話す意味がないではないか」
「そうですね解決できなければ意味がないかも知れませんが切っ掛けになる事もあるかもしれませんので」
俺も自分は勉強中で未熟なので少し歯切れが悪くなる
「まあいい!では安井はハーデスとは相談を受けた仲だけと言うのだな?」
「はい、そうです」
「疑うにせよ信じるにせよ俺は難しい事は考えない。ヨシ!俺も話を聞こう」
「ポセイドン様も悩みがあるんですか?」
「俺に悩みなどない!」
「では帰ってください」
「帰れだと人間が!ここは俺の世界!海の世界貴様は世界のあるじに帰れと言うのか!」
いかん怒らせたと言うか、つい素で突っ込んでしまった。考えたら俺は帰らせてもらわないといけない立場だ。ほんと帰りたい
「立場を弁えず申し訳ないです。ですが神様と言えど、この様な作無衣姿で休日を過ごしているものを急に呼びつけて話を聞けと言うのも御無体なのではないでしょうか?」
俺は平謝りしようかと考えたが、やはり楽しみにしていたマッサージを邪魔されたので文句の一つをつける事にした
「そうか休日だったか安井には悪いことをしたな俺は海や泉など海につながる水が関わるとこでしか人を自分の世界に呼べない為今回は失礼した」
素直にポセイドン様は非を認められらる。正直で真っ直ぐな性格の様だ
「俺は寛大な神だ今回の非礼許してやる」
「ありがとうございます」
「では帰らせてもらっていいでしょうか」
「駄目だ俺の悩みを聞いてない」
「先程悩みなどないと」
「ああ悩みなどない、だから考える」
「それはいつまででしょうか?」
「悩みが思いつくまでだ」
どうやら素で勝手な性格の様だ
「では、私も仕事があります。良ければ来週またこちらに来ます。この時間に約束しませんか」
「なるほど、そうだな安井の言う通り、それまでに悩みを考えよう」
「では来週、この場所で、出来ればスーツを着ていくのでその姿の時呼んでもらえると助かります」
「服装は関係あるのか?」
「はい仕事ととしての気持ちが違いますので」
「人は細かい事にこだわるのだな分かった」
腰布姿の神には確かに分からないかもしれないが、流石にこの服装だと気持ちが入らない、そうだもう一つ確認せねば
「あともし悩みがあり相談となりますと報酬を頂く事になりますのでよろしくお願いします」
「代価を求めるか、いいだろう働きには代価を支払う神とて当然のこと」
俺は礼をする。
気付くマッサージ台に横になりマッサージされていた。夢であったのだろうか。手首を見るとスーパー銭湯に入る時につけられるバンドが目に入る。そこには次回会う時間が書いてあった
どうやら仕事の予約らしい。
どんな悩みかもわからない気も乗らないが仕方ない今日はマッサージを楽しもうと割り切る事にした。