普段の日常の日々
安井という人物は自分の事をこう思っていた。
運は悪いとは思ってないが自分はツイてないと思っている。
ツイでないというのは本当に小さい事で例えるなら、朝の通勤電車が遅れる事に遭遇する事が同じ電車の路線にのっている友人より多いとか
車に乗れば自分だけ赤信号に捕まる事が多く為普段より時間かかるとか
エレベーターに乗れば人がいないのに各階に停まることが多く時間がかかるとか
総じて言えばツイてないというより、どんくさいのである。
これは冷静な目で見れば安井が対応すればなんとかなる問題である。
例えば電車であれば友人と同じ時間の車両に乗れば普段よりトラブル回避出来る。
車であれば信号が変わるタイミングは時間帯によって常に一定なので、それを理解したうえでスピードと車の位置どりを気をつけることで、かなり計算できる。
エレベーターも人が先に降りてるタイミングが多いなら普段のタイミングをずらせば回避する確率が上がるのだが、それらの事を考えは、するのだが計画や行動に移さない。
そんな小さな歯車のズレを理解しながら直す努力、改善する計画を立てないが為本人はただツイてないと思い込んでいた。
それは悶々とした日々に変わる。
そこに、小さな不安
頭の髪が薄くなった。
朝の使わない息子(笑)が元気なとこを見なくなった
階段登ると息切れがする
貯金ができなく暮らす日々
趣味がない事への自覚
学生時代の友人が家庭を持って変化を聞く日々
親が年金生活でありながら何もしてあげれない日々
若い女性の接し方に戸惑いを感じ話せなくなり距離をとる自分
何より
10年先を想像することから逃げている自分
‥‥‥そのような小さな事が重なり自分がツイてない不幸だと考え始めていた。
そんな日々から安井は変化があった。
キャリアコンサルタントGという資格があれば転職に有利になり、仮に転職できて生活状況が変わると正直安井自信考えてなかった。
ただ今まで自分で歩いてない人生であり、歳はとり時間は、進み流されてはいるが先をみて進んでない人生を変えたいと考えていた
そんな、40年流されてきた自分に自信がなく自己肯定感が低い安井は酒に逃げ始めていた。そんな安井であるが、酒の勢いに頼ったとはいえ前進したのである。
夜寝る前に1時間程であるが勉強している事に自信がついてきた。
たった一時間。
それは人にいうには恥ずかしいすぎることではあるが安井は小さい自信だが確かについてきていた。
そして、お金も少し余裕ができたことも理由にあった。
安井は年相応の独身男性にしては少ない貯金で資格受講で払った為、少し受講した事に不安と後悔もあった。
資格取得のお金が、勿体無いのではないかと、それで取得できないのでは、無駄になるのでは、と女々しい考えがよぎることもあった。そうして、ご飯代をけちる安井は一人食べる夕食の時、未来と現在と過去の行いで虚しく小さな事で悩む。
それもゼウスとの夢の相談をした日から確実に変わった。
ゼウスとの夢の相談内容は安井は朧げであるが、本人なりに、やり切った感があり翌日スクラッチ宝くじを購入して今回の資格受講代金に少しだけ色がついた金額が当たったのである。
それは安井にとって人生初の大当たりであった。
しかもスクラッチのマークが揃った時久しく忘れていた人に感謝された気持ちになった。
それが安井の自己肯定感を上げた。
本人は自覚してないが猫背気味の背は背筋が上がって目線も前にむくように少しずつ変わりつつあった。
声もハリが出てきており安井は自覚してないが会社の同僚達は変化を噂してきていた。
安井は流されることから変わってきていた。
確実に一歩歩いていた。