無限自殺
何を求めていた?
自分は何なのか?
自殺するたびに生まれ変わり
生まれ変わるたびに記憶を亡くし
それでも何度も命を絶ってきた
あの人の小説は面白い。私はそう言われたかったのか?
一人になるたびにまた自分に問いかけて
やっぱり違うと悶えてみても
辿って帰ってくるのはここだった
文体などもういらない。態などいらない。
もうずっと一人でいい。
誰かに期待するたびに失望するばかりだ。
自分が面白いと思うものを書いてればいい。
どうせそれしか書かないし、それだけだった。
人のことなんてどうでもいい。くだらない。
きっとそうだ。自殺して幽霊になってこうなった。
誰も私のことなど知らない。
この文章すらもきっと透明なんだ。
ただ私は幽霊だからこそ見えないものが見える。
人間よりも見たいものが見える。
それだけでいい。
もっと一人になって自分しかいなくなって
あの世まで行っても自殺してみて
そしたら何が見える
最後の最後には何が残る?
消して消しても残ってしまったものはなんだ?
ここに残ったのはなんだ?
孤独ゆえの寂しさか。苛立ちか。
月は見ていないときは存在しない。ただ月はいつだって見ていた。
それすらも残らない。
認知もされずに何が残る?
もっと死んでみるしかない。
骨になって今度は塵になろう。
自分の感性だけを信じるしかない。
周りなどどうでもいい。感性は曲がらないのだ。
そうだ、残ったのは感性だ。客観的にはくだらぬ幽霊の感性だ。
ただこれしかないのだ。これしか残らなかったのだ。
そしてもう欲しいものもない。
自分の感性を信じよう。どうせ壊せやしないのだ。