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アンキアライン
その白い島の草の影には
鍾乳洞の入口があって
洞窟の奥には小さな泉があって
透明な水を辿っていくといつか
海に通じるという
淡水と海水が出会う水域
アンキアライン
その特別な水中には
淡水とも海水とも違う
そこだけで生きられる生物が棲んでいる
太古の生物の名残かもしれない
どんないきものが潜んでいるんだろう
きみは、淡水を通って太陽の光を浴びてみたかっただろうか
それともきみは、海まで流れていって
ひろびろとした水平線を望んでみたかっただろうか
きみは何も知らず
案外、それで幸せだろうか
そんな気もする
それでもきみは途方もない年月の落とし子かもしれない
何かの進化の証明かもしれない
きみは、特別なんだよ
みんな、特別なんだよ




