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白銀の名も知らない鳥
白銀の鳥が飛んでいく
冬曇りの空の下
はるか遠くを飛んで
どこかの大地へ向かって
きみは
そんな速さでどこへ行くの
たった一羽で
灰白色の空は寒そうで
それでも迷いのない強さが潔い
翼があるものは
どこまで行くんだろう
国境を超えて
海を越えて
そんな想像をしてみた
庭の午後の陽だまりに
日陰の雨の匂い
湿った土の感触の上から
空を仰ぎみれば
飛んでいく影は小さくなっていく
名も知らない鳥の影は
寒空の山の彼方へ
白い嶺の先にはきっと
希望みたいな夕焼けが
世界と渡り鳥たちを穏やかに
照らしているんだろう




