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雨夜の窓硝子
風が雨粒を吹き付けて
乾いた音を鳴らす
外は雨、窓硝子は曇り
風は樹木の葉を震わせて
隙間風が吹き込むたびに
暖炉の炎が揺れている
冬到来
空が冬になっていく
こんな夜には暖かいスープ
かぼちゃに煮込みに
魔女の釜
窓には霜が差して
特別に冷え込む夜
時計は逆行して
南の夢を見る……
夜中に目覚めて手を伸ばした先には
星空の幻影
暗い部屋には静かさが満ちて
樹木の影が揺れている
庭園の水盤には月の影
南国の観葉植物が風に煽られて
空を見ていた
もうすぐアラスカの季節が来るよ
アラスカってどこにあるの？
ここより北の寒い所だよ
そうなんだ
そうするとどうなるの
川が凍って星を映すって
きっときれいだね
それにオーロラが舞うんだって
オーロラって？
天の光でとても綺麗なんだって
そうなんだね 見たいね
うん でもとても寒いんだって
大丈夫なの？
うん、たぶん……
一緒に冬を越そうね
そうだね
約束だよ
約束だね
ありがとう
霜が降る夜 南国の樹木たちは
北の凍る川と満天の星空を想う
そんな夢を見た朝
朝日の部屋を後にして
新しい朝を迎えに表に出ると
雨上がりの空が輝いていた
