78/81
秋の日の過ぎていく
秋の日の過ぎていく
テーブルで書きものをする
北向きの窓から外を見れば
高い空を風が流れていく
乾いた空気に乗ってやってきたのは
体育祭のピストルの合図
スタートして
走り出す
爽快の瞬間
車道を通り過ぎたのは
一匹の蝶
午後のチャイムが鳴ったら
洗濯物を入れて
お茶を飲む
風が吹いていく
湿った風は涼しくて
秋雨が降る日が近い
壁の向こうには世界が動いて
目を閉じれば
庭木も高い空もある
雲の上には神々の山嶺
季節を動かしていく見えない何かが
大きな歩幅で山を跨いでいく
明日からは雨
まだ今日は曇り
朝の道を行けば
銀杏が落ちているようになった




