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白紙の日々
毎日、一枚ずつ
ページが変わっていくなかで
気がついたら五月
もう五月、世界は晴れている
風薫る季節の風に歌う
鳥たち
空には雲
新しい春から夏へ向かう空に
若葉色の街の
花の香る窓辺に
優しい人に
少しばかりの羨望を
光に背を向けて
もう、どこにでも行ってしまおうか
そんな風に後先も考えないで
自由に行動する無鉄砲さが羨ましい
感傷にひたるわけでもなく
何か目指すわけでもないけれど
何かしていないと不安で
歩んでいるだけ
ただなんとなく
それでいいのかなんて
誰にも分かるわけはなく
ただせっかくの明るさ100%の季節に
何もしないというのも損してる気がして
その発想自体が貧しいのかもしれなくて
ただ生きてみたいとは思っていて




