52/81
雪解け
きらきら、輝いていたのは
雪解けの小川でした
さらさら、流れていたのは
清く透明な水でした
小鳥は歌い、さざんかの花も歌う
晴れた日、風の吹く朝に
早春を思い、新芽を思う
川の流れに手を委ねてみたのです
これで最後かもしれないと
冷たい水に触れてみました
雪解けが次に見られるのは
また来年になるのでしょう
きらきら、まぶしいくらいに
樹氷が輝いて
ぱらぱら、音を立てて
雫は落ちていきました
途切れることのない水の流れが
川となって流れていく先に
きらきら、過ぎていくのは
冬の朝日が照らす道でした




