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雪原の窓あかり
荒野の道の先に
一軒の小屋がありました
窓には小さな灯りが
外まで照らしていました
扉が開いていました
テーブルの上には
小さなロウソクが灯り
暗い室内の床まで
穏やかな影を落としていて
開けた扉から吹き込んだ風に
少し、揺れたような気がしました
ロウソクはすっかり短かくなって
灯りは弱く、頼りなく
消えそうなところを
それでも健気に灯っていました
まだ消えるには早いから
真新しいロウソクに灯りを移して
古いロウソクの隣に
置いてみました
それから小屋の扉を閉めて
街までの道に戻ってみると
きらきらの星々が
空に散って
灯っていたのでした




