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金の秋、銀の冬
金の秋 銀の冬
枯葉の舞う日がありました
空の彼方から吹く風は
街に降りて広場を通り
行きつ帰りつする人びとを眺めながら
電車よりも早く
通り過ぎていくのでした
晴れた空 遥かな山嶺に
最初の雪が降る頃になると
麓の森に 小川の上に
枯れ葉が一枚 舞い始めました
空高く飛ばされて
木枯らしと遊び
森に舞う
そんな楽しみがあったのです
黄金の葉を降らせて
紅葉を舞わせて
枯れ葉たちはどこへ
旅に出たのでしょうか
金色灯った午後の陽に
色づく葉を降らせて
金の秋 銀の冬
枯葉の舞う日がありました




