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ツツジの季節の終わりに
闇夜を照らす、ともしびを手にして
柔らかな風の夜を
漂いに出ていけば
薫りで気付くのは
終わりの花と、これからの花
咲き誇るものたちよ
若葉になって、ひとひらの花びらになって
五月の風に乗せて
言の葉を飛ばそう
季節を流す風に乗せて
やさしい願いごとのように
そうして夜風に吹かれているうちに
日付は明日になるだろう
変わり映えのない日々
積もり積もっていけばシネマのように
光と影の交雑する記憶になって
ただ消えていくだけの想いが
いとおしくて、愛しい