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春の夕闇
春の終わりの夕方に
日没後の曇りでもない空の下
近くまで、出てみた
ただ青を感じていたくて
学生街の交差点
構内にはまだ人が残って
知らない誰かが
すれ違って、通り過ぎていく
夕空の、夜の近いところを見ている
昔の気分になって
明日のことを思いながら
葉桜の季節
緑の街を歩いた
重なっていく景色とか
人々の姿とか
隣にいてくれた人は
どこかできっと、生きている
夜も更けてきました
とりあえず
今日の献立とか考えながら
おうちに帰りますか