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雨の夜の朝に
明け方、雨上がりの朝
草原のような湿気に
道が青くなって
気分が洗われていく
アスファルトの道に散る、雨の跡
水たまりが空を映す
雲のある風景
どこかの家の軒下では
笹の葉の飾りに短冊が揺れて
てんとう虫もカタツムリも
紫陽花の葉陰に眠る
六月の朝
空気は夏のよう
草の匂い
葉の青いみずみずしさが
風に乗って街を駆け抜けて
自転車を追いかけて
河川敷まで行ったら
そのまま空へ
飛んでいけ
六月の風となる
横断歩道を行けば
長い影は朝日に輝く
人々の姿を照らしている
静かな太陽
一日が始まる、朝




