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詩を作るということ
詩を作るということ
その目的に決まりなどありませんが……
外界から語りかける何か
内面から生じてくる何か
特に心を動かされるものたちに
形を与えようとして
言の葉を綴り
その雫をわたしの内側にある
水鏡に一滴、落として
波紋の広がりをみて
水音の反響を聞いて
調和するように直し
また新しい一葉を連ねていく
そうして望んだ姿に
近づけていく
それが詩を作るということ
願わくは、生まれたものたちが
夜明けの朝露の甘い雫となり
晴れた空に吹く心地よい風となり
闇夜に輝く星となり
雨の日の慈雨となって
忙しい日々の中にも茶菓子があるように
ひとときの安らぎとなりますように




