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長谷川くんと仕立て屋へ

「長谷川くん!!」

「ん?」


私は、この前紗和さんが連れて行ってくれた仕立て屋に、長谷川くんを誘いました。


「あぁ、そういやあの商店街に仕立て屋あったなぁ」

「長谷川くん、この前服破れたって言ってたやん?」

「まぁそうやけど…。

別に仕立て屋に出す程じゃないで?」

「違う違う!!

そこ、端切れも売ってるから、

端切れ買って補修したげるよ!!」

「昴、裁縫出来るん?」

「任せて!手先はそこそこ器用やねん。」


3日後、私と長谷川くんは、松本さんのお店

“松本洋裁店”

に向かいました。


「いらっしゃいませ!!」


店番をしていたのは、私の母親と同じ歳ぐらいの女性でした。

松本さんのお母様でしょうか。


「失礼します。端切れを買いに来ました。」

「あらいらっしゃい!

どうぞ、ゆっくりしていって頂戴ね♪」

「ありがとうございます。」


無地の物から少し柄が付いた物、

少し大きめに切られた物や小さい物まで

色々な商品がありました。


「どれがいい?」


長谷川くんに尋ねると


「あんまり奇抜なものじゃないものならどれでも…」


と返事が来ました。


「あ!田中さん!!」


2階から松本さんが降りて来ました。


「松本さん!」

「あら?お客様、莉子のお友達?」

「はい。」

「まぁ…!そうなんやねぇ。

莉子にこんなハンサムなお友達がいただなんて、知らんかったわぁ。」

「(昴って、奥様に好かれるよな。)」

「(長谷川くんの事とちゃうん?)」

「(いやいや、お前やろ)」

「丁度店番交代する所やし、

おばちゃんはここで失礼するわね〜」


お母様が店番を離れてから、

私は松本さんに長谷川くんを紹介する事にしました。


「そうだ松本さん。

こちらは僕の友人の長谷川進くん。」

「長谷川進です。」

「!!!」


長谷川くんが自己紹介をした途端、

松本さんは固まって動かなくなりました。


「あれ?松本さん?どうしました??」

「…あ!!あのっ!!ま、松本莉子です…!!」

「(松本さん、どうしたんだ?)」

「あ、あの!!今日はどの様なご要件で?」

「長谷川くんの服を補修する為の端切れを買いに来たんです。」

「そうだったんですね!!

分からないことがあったら何でも聞いて下さいね。」


長谷川くんの服の補修用以外にも、

久し振りに何か作りたくなったので、購入しました。

補修用のは、長谷川くんがお金を出してくれました。

1度断りましたが、補修してくれるのだから

と言う事で、払わせて欲しい。との事でした。


「ありがとうございました!!

また来てくださいね!!」

「こちらこそ。色々教えてくれてありがとうございます。」


松本さんは、チラッと長谷川くんの方を見ました。


「??」

「!!!」


長谷川くんと目が合うと、急いで逸らしてしまいました。


寮に帰ってから、私は早速補修に取り掛かりました。


「これぐらいなら、30分も掛からんな。」

「横で見ていてもええか?」

「勿論ええよ。」


最初は長谷川くんだけでしたが、

帰宅してきた米田くんと白川くんも、私が裁縫するのを興味深く見ていました。

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