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三宮散策

あれから1週間ほど経った頃、

私は時間を作り、紗和さんと三宮の街へ向かいました。

「商店街への近道があったなんて…」

「ここを真っ直ぐ行って左に向かった所に、私の親友のお店があるの!」

「へぇ、行ってみたいなぁ」

案内されたお店は、仕立て屋でした。

「いらっしゃいませ!…って、紗和ちゃん!?」

店番をしていたのは、私達と同じ歳ぐらいの女の子でした。

「(さっき言っていた紗和さんの親友って、

この人の事なんかな。)」

「久し振り!!莉子ちゃん!!」

「うわぁ!いつぶり!?

3年振りとかとちゃう!?」

「うん!多分それ位になるね!!」

「紗和ちゃん、来てくれて、ほんま嬉しい!!

…あ、そちらの方は?」

「この方は田中昴さん。

東京から三宮に帰って来たばかりに、

チンピラに絡まれていた私を助けてくれたの!!」

紗和さんに紹介され、お友達の莉子さんという方にお辞儀をしました。

「田中昴です。」

「はじめまして。松本莉子です。

親友を助けて下さり、ありがとうございます。」

松本さんは、私に深々とお辞儀をしました。


お店を見渡していると、端切れが目に付きました。

「あ、ここ、端切れも売っているんですね。」

「はい!」

「昴さん、お裁縫するの?」

「うん。妹の服が破れた時、補修したりしていたから。」

「へー!!手先が器用で羨ましい!!」

そう言えば、長谷川くんが、

『服が破れた』

と言っていたことを思い出しました。

「(後日、長谷川くんと一緒にこのお店に行こうかな。)」

「あっ!そういえば道案内の途中やった!」

「そうなんやね!

紗和ちゃん、田中さん、

またのご来店をお待ちしています!!」

「行こう!まだまだ案内したい所があるの!!」


紗和さんのおすすめの場所

今まで行ったこと無い場所

色んな場所を案内してもらいました。

「昴さん、まだ時間ある?」

「うん。夕食の時間までなら。」

「最後に、私の秘密の場所に案内するね!!」

「秘密なのにええの?」

「うん!」


紗和さんの秘密の場所とは…

「うわぁ…」

草が生い茂り、海がよく見える場所でした。

「昴さんは、パイロットになるんだっけ。」

「うん。」

「そうしたら、海より空の方が好きなんかな?」

「いや、どっちも好き。

でも、山が1番好きかも知れん。」

「山?」

「うん。僕、山奥の村で育ったから。」

「そうなんや!」

紗和さんは、その場に座りました。

私も彼女の隣に座りました。

暫く沈黙が続きましたが、

不思議と心地よく感じました。

「昴さん。今日はありがとう。」

「そんな、こちらこそありがとう。」

「昴さん、忙しいやろけど…

また、一緒に出掛けたいな…。」

「!!」

思っても無かった言葉が出て、

私はとても驚きました。

ですが、私も紗和さんとまた出掛けたい

と思いました。

「…せやな。また一緒に出掛けよう。」

そう伝えると、紗和さんはニコッと笑いかけてくれました。


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