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家族

「そうだ。母さん、晴子。

この人が手紙にも書いていた友人の米田浩二くん。」

「米田浩二です。」


米田くんは、帽子を取ってお辞儀をしてくれました。


「まぁ、この人が米田くんなんやね!

息子がいつもお世話になっとります…!」

「そんな、俺の方こそ。」

「あ、あの…!」

「?」

「た、田中晴子です!

兄と仲良くしてくれて、その…ありがとうございます!!」

「晴子ちゃん。俺の方こそ、お兄ちゃんにはいつも感謝してるんやで!」


米田くんは、笑顔で答えてくれました。



私と母は、ご近所さんに挨拶をする事になりました。


「米田くん、本っ当ーに申し訳ないんやけど、これからご近所さんに少しだけ挨拶して来るわ。それで、晴子と留守番頼めるかな…?」

「俺は晴子ちゃんが嫌じゃなかったら構わへんよ。」

「晴子、米田くんの相手を頼めるかな?」

「勿論!!行ってらっしゃい!!」

「ほんまごめんなぁ…。

1時間位で戻るから!」



挨拶から戻ってから、母がお茶をお茶を淹れてくれました。

お茶を飲みながら、色んな話をしました。

学生時代の話。

呉に配属されてからの話。

ミッドウェー海戦で死にかけた話など。


「そう…。色んな体験をしたんやね。」

「うん。辛くて逃げ出したい事も沢山あったけど、周りの皆のお陰で乗り越える事が出来たねん。」

「そうなんやね。」


母は何度も頷きながら、話を聞いてくれました。


「そうそう、昴くんね、

同期の中で1番に出世したんですよ!」

「えっ!!そうなん!?お兄ちゃんすごーい!!」

「ちょ、米田くん!!」

「ほんまの事やん。」

「う、うん…。まぁ、そうなんやけどさ…!」

「また階級が上がる話も出てるやん!」


何だかちょっと照れくさい気持ちになりました。


「まぁ…!!満州にいるお父さんにも報告せんとねぇ。」

「お父さん喜ぶよー!!」



こうして、楽しい時間はあっという間に過ぎていき…

そろそろ晩ご飯の準備の時間となりました。


「さてと。そろそろ晩ご飯の準備をせぇへんとね。浩二くん、良かったら晩ご飯食べて行き。」

「え、良いんですか?」

「勿論。」


母は笑顔で答えました。


「晴子、手伝って。」

「はーい!!」


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