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敗北と昇進

ミッドウェー海戦は、日本の敗北で終わりました。

犠牲者も多く、その中には優秀なパイロットが多数含まれていました。

この敗北がきっかけに、戦局はアメリカ側へ傾く事になります。


ミッドウェー海戦で、日本は敗北した訳ですが、政府はその被害を国民に隠して発表しました。

真実を知らない国民は、ミッドウェー海戦に勝ったと信じて疑いませんでした。



そして私は、あの状況で生き延びた事を

上から評価され、昇進しました。


「田中伍長。これからも、ますます励む様に。」


川本軍曹…ではなくて、川本曹長に、激励のお言葉を頂きました。


「はい。お国の為に、精一杯戦います。」


本当は、そこまで嬉しい昇進ではありませんでした。


「(白川くん…)」




白川くんが亡くなったあの日、

どうしても白川くんと一緒に使っていた部屋にいるのが辛くて、私は米田くんの部屋に向かいました。


「ごめん、どうしてもあの部屋にいると、白川くんの事で頭がいっぱいになって…」

「せやろうなぁ…。俺も丁度1人やと色々考えてまうし…暫くここに泊まり。」

「ありがとう。」


部屋を見渡すと、どうやらここは4人部屋の様ですが…。


「この部屋、米田くん以外にはおらんの?」

「あぁ…。皆死んだ。」

「!!」

「1人は体罰で…他の2人は戦死した。」

「…そう、か…。」

「稔もそうや。何であんなええ奴らが死ななあかんねん…」

「米田くん?」


彼が何か小声で呟きました。

何て言ったのか聞き返すと、彼は


「あいつらの分も、精一杯生きないとな。」


と答えて、私の頭をくしゃりと撫でました。



「昇進おめでとう。昴」

「おめでとう。」

「ありがとう。」


米田くんと長谷川くんから、

お祝いの言葉を貰いました。


「…きっと稔も、天国で喜んでるわ!」

「そうだな。間違いない。」


米田くんも長谷川くんも辛いのに、

一生懸命私を励ましてくれた事が心から嬉しかったです。



昇進してから、同年代の兵士が明らかに私の事を怖がる様になりました。

ある日、とある兵士とうっかり肩がぶつかった時の事。


「ひっ!!ごめんなさい!!!」

「あぁ、こっちこそ…ちゃんと前見てなかったわ。」

「…殴らないのか?」

「殴らへんよ。それより、何か用があるんとちゃう?

そっちに遅れた方が何されるか分からへん。はよ行き。」

「あ、あぁ!ありがとう!!」


兵士は走って行きました。


「……」

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