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終わりの始まり
やっぱり、駄目だったかぁ……。
ごふっつ。
血が口から漏れる。
『今度こそ』終わりかなぁ……。
最強と言われながら、何も出来なかった。
それも『前と違い』こんなところで。
悔しいなぁ……。
瞳から流れる涙は顔の横を流れる。
それはそうだ。
もう起き上がる力もなく、大の字で転がっているのだから。
空はこんな時まで憎らしいぐらいの青空。
僅かに起こした顔で周りを見ると、共に戦った仲間たちも同じように大地に転がっている。
視界の中に長い黒髪が同じように大地に広がっている。
その前に誰かの足。
歪む視界の中、その人物を確かめると自然と口の端が上がる。
「遅いんだよ……ばかっ」
赤い髪を持つ、それは……。