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Re:Alternative  作者: 冬野立冬
一章 断罪の始まり
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17話 反撃の狼煙


 ×                         ×


 ────あんましあの頃の事を思い出さないけど……


 ────もう二度と、()()()()()()


 転生者は一度深い深呼吸をし、空気の循環を整え相手の動きに目を向ける。


 ────感覚を研ぎ澄ませ……!


 転生者の目が深い集中に落ちたほんの少しの違いを『罪を喰らう者(クライム・イーター)』は見逃さなかった。しかしそれでも時間に余裕が無い『罪を喰らう者(クライム・イーター)』は再度地面を蹴り、音速の如く目の前のターゲットに突き進む。


 常人なら反応など出来ずに蹴り殺されるスピードと威力。それでも転生者は喰らいつく。


 自身との距離が残り十メートル程まで迫ったコンマ数秒の世界で転生者は身体を右側を捻り出す。

 残り五メートルの時点で転生者は捻った右側の腕を向かいくる『罪を喰らう者(クライム・イーター)』の膝に合わせる。


 そして次の瞬間、横を通ろうとした『罪を喰らう者(クライム・イーター)』のスピードを逆手に取り、見事に勢いを腕で往なす事で多少の衝撃が響きはしたがその衝撃は先程の直撃した時の痛みに比べれば赤子の蹴りも同然である。


 そう、転生者はその攻撃を(かわ)してみせたのだ。


「ほう……」

 『罪を喰らう者(クライム・イーター)』は心の中で関心こそしたが決してその表情を顔には出さない。

 すぐさま地面を蹴り返しもう一撃蹴りを放つ為に躍動をする。


 隙など微塵も与えない連続攻撃だが転生者はそれでも冷静だった。


 ────スキル発動『幻影』


 今までなら敵のスピードがスキルの発動時間に勝り発動することなど出来なかっただろう。

 しかし、今の転生者は違う。


 常人を変える集中力で一瞬で魔力回路を全身に行き渡らせる。

 そうしてほんの僅かな差でそのスピードはモード『神の座を喰らう者(オルタナティブ)』を()()()()


 結果として『罪を喰らう者(クライム・イーター)』の蹴りは虚空を裂き、無意味なものとなった。


 しかし『罪を喰らう者(クライム・イーター)』はすぐさま体制を立て直し目の前の敵を倒す為の思考を巡らせる。


 ────死に際で覚醒でもしたか……?


 明らかに先程とは様子が違い、異常という程までに転生者は落ち着いている。


 ────極限の集中状態、ゾーンにでも入ったか。


 ゾーン。

 それは己の感覚神経を極限まで高めた状態。

 今の転生者、リクは『罪を喰らう者(クライム・イーター)』の予想通りゾーンに入っていた。

 深く沈む集中力は底を知らずにひたすらに落ち続け、そして研ぎ澄まされていく。


 この時点で両者のポテンシャルは完全に発揮された形となり、この戦いの最終幕が開かれる事となった。

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