1、- カナリア -
「・・・!!」
「・・・ル!!」五月蠅い
誰かに身体を揺さぶられオレを起こそうと促す奴がいる
「アル!!!」うるさっ
「アr「うるせぇえええええ!!」オレはベットで跳ね起きながら怒鳴る。
「なんだよ起きてるじゃないか」とオレと同じくらいの少年が言う。
「起こされたんだよ!」目元をこすりながら文句を垂れ流す。
「お前また大活躍だったんだってな!また手合わせしてくれよ!」
興奮しながらオレの手をブンブン振り回す彼はブラッド・ディベル
藍色髪で褐色の肌で赤い瞳が目を引く男だ。
全体的に暗い色の彼だが、性格はめちくちゃ明るい。
それと五月蠅い。
「昨日帰ってきたばかりなんですけど」とにかく寝たいオレは適当な口実を述べる。
「飯でも食おうぜ!!」bと形を作った手をオレに向ける。
「人の話聞いてる・・・?」と溜息を吐くのだった。
ここはブリン・ミラーと呼ばれる都市でここは兵舎だ、ここ最近にできた新しい国だ。
5年前ある事件が起きた、世界各地にDuskという化け物が現れた。
それにより、人類の6割が消え。近づく終焉を待つだけとなった。
元々この世界には
・魔法、不可能だと考えられた人類の神秘な力。
・科学、幾年と積み上げられた人類の英知の力、があった。
しかし、それはDuskには効果がなかった。
そこに、救世主アルフレッドが現れた。
アルフレッドの力はDuskを凌駕し闇を振り払うが如く、各地に広がったDuskを打ち破る。
アルフレッドが行使した力。
それは思擬。"ある物体"から授かった茫々たる力。
彼曰く思いが具現化した力なんだとか。
だが、彼の快進撃は長くは続かなかった。程なくして彼は病気を患い戦場を後にした。
今はこのブレン・ミラーで新しい救世主を育むのに力を入れている。
オレとブラッドは食堂に着く。
そこにはオレ達と同年代の子供達が各々の時間を過ごしていた。
多くが負傷し皆何処かを怪我しガーゼで一部を覆っいる。
一人で食事をしたり、友達と話していたり、本を読んでいたり。
仮初の平穏に身を休めている。
空いてる席にブラッドと向き合うように座る。
「この戦いはいつ終わるんだろうな・・」不意にブラッドが呟く。
Duskは絶えず湧くように現れる。皆口には出さないが一様に思う事だろう。
「わからない・・」
配膳ロボットがオレ達にトレーに載った食事を運んでくる。
「とにかく明日に備えるだけだ!」オレは雰囲気を一蹴したかった。
「そうだな!」とブラッドがスープを口に運ぶ。
「・・・・っう」ブラッドがくぐもった声を漏らす。
「・・・おい」おそるおそるオレもスープを口に運ぶ。
「「・・・酸っぱい・・」」ブラッドと同時に呟く。
見た目はコンソメスープ。しかしこいつは酢に近い何かだ。
「こんな悪戯する奴一人しかいない・・」推理するかのように人差し指を頭の近くに添える。
「あはははは、このお馬鹿さんどもめ!」犯人が名乗り出る。
「クローディア・・」またかとブラッドは首を垂れる。
「そんなんでよく生きてられますなぁ~」得意げな顔して胸を張る少女。
彼女はクローディア・レヴァナント天真爛漫な性格が現れる様に金色の髪、それと対照的に落ち着いた雰囲気を思わせる青い瞳の少女で、数カ月前にこの兵舎に入って来てから、よく3人で連るむ仲だ。
「兵士としての自覚足りないんじゃないの~」と半笑のクローディア。
「なんで兵舎で警戒しねぇといけねぇんだよ・・」愚痴るブラッド。
3人で和気藹々としてると食堂の入り口がざわつき始める。
「おい、Dクラスだぜ」「弱すぎてアイツ以外全滅だってよ・・」
「ザコがうつっちまうよ!」「あぁ~先に戻るわ」などという罵詈讒謗が聞こえてくる。
視線を向けると、あちこちを擦り切れやつれた銀髪少年が隅に座るところが見える。
「ひでぇな・・」
「そんなこと言わなくていいのにね・・」ブラットとクローディアが擁護する。
「・・・」オレはここに入ってきたばかりの頃を思い出していた。
「アル?」顔を窺う2人をよそに、オレはスープを片手に走り出していた。
隅に座るDクラスの彼の横に立つ。
?とオレの顔を見上げる彼にスープを無言で差し出す。
「え、え、ありがと・・」か細く感謝する彼がスープを口に運ぶ。
間を開けずに「まずっつつつ!!!」と吹き出す。
「またクローディアか・・」「よ!ゴミを作る天才」「メシマズ女!」
先程とは打って変わり食堂は笑いに包まれる。クローディアは罵倒主を殴ってる。
「オレはSクラスのアル・リダーズだ。よろしくな」と手を差し出す。
「デュータ・・デュータ・カルテラ・・」と握り返してくれる。
オレ達は人類の最後の盾。
思擬を扱いDuskを打つ少年兵。
オレ達は-Kanalia-と呼ばれた。