3-20
「ヴェレナさん。確認ですが、あなたはアプランツァイト学園初等科卒業後、魔法青少年学院……つまり、魔法使いになる道を歩む、ということでよろしいですよね?」
これは、本当に確認だ。私が魔法使いになりたいなんてことは再三主張していたことだし、例の魔錬教育が女性にも開かれることで魔法系学院の女性入試枠が今年度試験より解放されることも周知の事実だ。オーディリア先輩の問いに対して頷くことで返答をする。多分、この後に本題がくるわ。
「……それでは、お聞きしましょう。あなたは何故魔法使いになりたいのですか?」
……さて。想像以上に根本的な質問が来たぞ。
うーん、ちょっと出方が分からないから建前論で攻めてみるか。質問が漠然としていて、どういう答えを求められているのか分からないなこれ。
「家庭の事情で『魔法使い』になることが必要とされているから、ですかね?」
まあ嘘ではない。実際に父から魔法使いになることを求められているのは事実だし、フリサスフィス家が従士階級で貴族っぽさのある『魔法爵位』を持つ後継者を求めているのも事実だ。
「すみません、質問が少し悪かったですわ。ヴェレナさんのお答えはもっともではありますが、別にそれは他人の都合ですね。それに魔法使いでなくても家庭を納得させられる手法はあるのではないですか。
私が知りたいのは、ヴェレナさん個人が何故魔法使いを志しているのか、なのですよ」
建前論は一刀両断された。まあ、貴族っぽい称号でいいのなら別に魔法使いである必要もないことも読まれているのか。
そして、求められたのは私が魔法使いを志す理由。それは小学校入学前から一貫はしている。
――情勢への関与。これが最大の理由だ。
『黒の魔王と白き聖女Ⅴ』において私は魔法使いとなり、過激派となり、悪役令嬢となり、この国の宰相にまで上り詰めるも、敗戦によって全て失う。
最大のキーは『敗戦』。魔法使いにならなければ悪役令嬢にならずに私は何も失わないかもしれないが、敗戦してしまえば、お父さんの魔法使いという名義がどうなるかは分からないし、そもそもそんな情勢下で私立大学の教員を続けていられるのかも分からない。だからこそ、情勢に関与し敗戦を回避できるだけの役割を私は担う必要があるわけで、そうしたときに魔法使いが最も手っ取り早く、お父さんの知識面による支援も期待できるから選択した。
そして、その支援は『勉強会』という形で花を開き、『演劇・再興の先』の影響があったかどうかは知らないが、魔法使いへの女性門戸が開かれたことで実行可能となった。
と、ここまでの事情のうち、どこまでオーディリア先輩に話すことができるのだろうか。オーディリア先輩に虚言が通用するとは思えないが、事は私が転生者であることに関わることだ。言葉を選ぶ必要性はある。
……であれば、真実を語りつつも全てを語らない、これしかあるまい。
「――社会情勢への関与。そしてお父さんの仕事というアドバンテージの利用。……この2つが主たる理由ですね」
「後者については理解しました。しかし何故、社会情勢への関与を望むのですか」
「……」
オーディリア先輩の質問はもっともだ。何故自ら社会情勢を動かしたがるのか、その理由が知りたいというのは当然だ。しかし、『敗戦』するかもしれないとは流石に言えない。
……いや、私に対するルシアの認識の「謎の発想力」であったり、遡ればルシアの父のベックさんから『製紙事業』のときに言われた「結論だけの将来を見通せる力」、そうした私の評価に関して先輩は確実に入手しているだろう。
それであれば、この国の敗戦の可能性について示唆しても問題ない……のだろうか?
『再興の先』、すなわち権力テニス演劇なんて突拍子もないものを提案しても最終的にオーディリア先輩も受け入れてくれた。なのだから、ここで大体20年くらい先に起こり得る聖女の国との戦争の危機について先輩に話すことが可能、か……?
答えを探している私を見かねたのか、オーディリア先輩はこう呟いた。
「そういえば……、あの演劇のときに私が『再興の先』とは何か、と尋ねた際にもヴェレナさんは沈黙を貫きましたわね……」
ああ、確かに。あのときも黙ってしまった。実際のあの演劇はほとんど演じずに素でやっていたから、掛け合いのほとんどはアドリブだった。だからこそ、あのときはオーディリア先輩が機転を利かせて、私が答えなかったのを演出っぽくフォローしてくれたが、沈黙しっ放しは許されないだろう。
「……現状であれば問題はないけど、情勢の変化をある程度コントロールできないと、お父さんの立場は盤石とは言い難いから……正直、怖いのかも、しれないですね」
言い出してから気が付いたけど、この根源的な恐怖はおそらく悪役令嬢としてのヴェレナが感じていたものだろう。かつて私はゲーム内のヴェレナの上層部への感情は『怨み』と称したが、まず間違いなく恐怖もあったことだろう。
……ん? もしかして……。ゲーム中に過激派として魔法使いを率いたのも……。上層部へ恐怖があり、しかも『学閥』はそうした上層部と連携を取っているし、ヴェレナが魔法使いとなったときには、同じ上の立場に学閥の人も居たことだろう。
……ああ、そうした恐怖があれば既存派閥と連携できずに過激派の道を歩むことは考えられるのか。
期せずして段々と『悪役令嬢・ヴェレナ』の確信に近付いてきている気がする。
言った後に自分で納得するほどの理由ではあったので、オーディリア先輩は訝しながらも私の発言を受け入れる。
「何か隠していらっしゃる気も致しますが、嘘というわけでも無いようですのでいいでしょう。
……ただ、どのような手法でヴェレナさんは魔法使い内部で社会そのものに介入できるだけの地位に就くつもりなのでしょう? そして仮にできたとして……あなたに、本当にそのような激流の河川のごとき流れを制御することはできるのでしょうか」
――えっ……?
そこまで考えが至っていなかった、というよりゲームシナリオにおいて一応、ヴェレナは宰相にまで上り詰めていることから深く考えていなかった。
ゲーム中で発生したことは全て出来る前提で考えていたけれども、そうか。『黒の魔王と白き聖女Ⅴ』で出来たことが必ずしも私が出来るとは限らない。
そんな当たり前の事実に今の今まで思い至らなかった。
でも……
「それが、私に課せられた……与えられた役割なのだから、出来る出来ないという問題ではなく、やるしかないんです」
今現時点でこの国の敗戦を知っており、それを防げる可能性があるのは私だけだ。勿論自己利益なども考えた上でのことだが、『突発性異世界転生症候群』などというものにかかり今のこの世界に、ヴェレナとしてやってきたのには、そういった意志や意図が働いているものだと確信している。
だからこそ、私が敗戦を回避しなければならないんだ。そして家族や友人とともに、大過なくずっと暮らすんだ。
しかし、そうした私の覚悟とは裏腹にオーディリア先輩は険しい表情を浮かべ、静かに、でも威容をもってこう私に告げる。
「傲慢、ですことよ。ヴェレナ・フリサスフィス。
……あなたは、そこまで特別な人間なのですか? あなたには、それを成し遂げるだけの他の誰にもない秀でた才能や能力があるのですか?
――社会情勢を制御するということは、少なくとも世界の名だたる有力者や権力者の動向や考えを把握して、それらを意のままに操ることと同義だと思いますが、あなたはそうした権力者らを束にして相手にしてもなお、勝利を収められるほど自身が優秀であると考えている、ということでよろしいのですね?」
……いや、無理だ。直感的に私はそう思ってしまった。
私は同じ学年のソーディスさんに勝るものがあるとは思っていない。そしてルシアやクレティに対しても勉強以外では劣ることのが多い。
そして前世知識ブーストをしてもなお、今目の前で応対しているオーディリア先輩は格上の相手であると認識している。……認識してしまっている。
私のお父さん――アデルバート・フリサスフィスは権力に対しての執着はなくそうした派閥抗争には疎いはずの人物だと先輩は評価しているが、父相手に転生者であることを隠すのに失敗し、『製紙事業』の一件では両親がルシアの父親と繋がっていることも見抜けなかった。
もし社会そのものをコントロールしようとしたときに、魔法使いの組織内部でぶつかる相手は私の父親を左遷に追い込んだ人物も居るかもしれない。そうした人物を相手にしてまで私は国家の行く末という、漠然としたものまで制御するなんて、大それたことが可能なのか。
……私は前の世界に居た時と一緒で、特別な才覚や例外的な能力などに恵まれていないただの一般人でしかないのに。
「でも……、それでも私にしか出来ないのだとしたら……、私が選ばれたのであれば……、やらなくてはならない。そう思うことは、そんなに間違ったことなのでしょうか?」
先に言った内容を繰り返すかのごとく、言葉を絞り出す。自分でも正直難しいと思わざるを得ないが、それでも私は前に進み続けるしかないのだ。
「ええ、間違っていますわ。
そもそも一体誰があなたを選んだのですか。何故あなたにしかできないのですか。
答えなさい。社会を制御して何を為すつもりなのですか」
……答えられない。敗戦から国を救うなどと。自分しかこの国を救えないなんて考え……オーディリア先輩の言っていた通り確かに傲慢だ。
再び黙ってしまった私に対して、オーディリア先輩はしばらく私のことを厳しい表情で見つめていたが、答える意志がないと判断したのか、表情を緩めてこう私に告げる。
「ヴェレナさん。あなたに何が見えているのかは分かりませんし何を考えているのかも、言って下さらないと分かりませんよ。
……なので、的確な助言はできませんが1つだけ。肝要となるのは考え方や視点ですわ。あなたが成し遂げなければならないことがもし、あるのだとしても全てをあなたが背負う必要はありませんわ。人には向き不向きがありますし、この両手で出来ることには限界がありますもの。
だからこそ、ヴェレナさん。あなたの考えている問題を細分化してそれが出来る人に頼むことを覚えましょう。大きな問題を1つの問題として考えてしまうと解決不可能なものに見えて人を頼ることが難しくなりますが、自分一人で何とかしようとするよりも幾分成功率は上がると思いますわよ」
細かく、分ける。問題を1つの大きなカテゴリーで捉えるのではなく、分割して解決可能な課題へと矮小化させる。
……確かに、敗戦回避、救国というテーマが大きすぎて漠然としている。漠然としているからこそどこから手を付けたら良いのか分からない。
だから私は人に頼ることができなかった。それ故、自分で成し遂げるしかないと思ってしまった。……ここが、誤りか。
問題を分けてしまえば、何も私が全て解決する必要はない。何なら、私でなくても解決できる……というか私がやるよりも上手くできる人の方がいるだろう。
そう考えたら、別に何かが変わったわけではないが、気持ちの中にあった圧迫感が少しだけ晴れるような……気がした。
そして、オーディリア先輩が交渉用のポーカーフェイスではない、何かを企んでいるかのような笑みを浮かべて爆弾発言を落とす。
「まあ、これから先も何かあれば相談に乗りますわよ。
……私も、魔法使いになりますしね」
マジですか!? 先輩も魔法使いになるんですか!?
*
「な、何故、オーディリア先輩も魔法使いになろうと……? 出会ったころは魔法使いに興味なんか無い素振り、でしたよね?
……あっ、あの嫌って訳では無いですし、むしろかなり心強いのですけれども、突然すぎて混乱しているって言うか、凄い気になるのですが……」
オーバーフローして完全にしどろもどろになってしまった私だが、そう言われて考え直してみれば、いつぞやの『勉強会』で魔法使いの組織の制度と役割を聞いていたときに、興味深そうにしていたな。
「深く話すと長くなるので簡単にしますね。
私の実家が町医者なのはご存知ですよね? 私の父もヴェレナさんのお父様とほぼ同じくらいの歳なので、魔王侵攻を経験しているのですよね、医師として……」
そのまま続けてオーディリア先輩の権力志向の動機がついに語られる。
魔王侵攻を『医師』として経験した先輩の父の話は壮絶なものであったらしい。だからこそ、幼いころのオーディリア先輩は漠然とそんなことを繰り返してはいけない、と思ったとのこと。
そこまでなら、言ってしまえば「魔物は良くないね」という道徳教育の話であったのだが、オーディリア先輩は父の見た惨状を、『官と民の連携不足』と捉えたことから彼女の躍進が始まる。
町医者は所詮民間人だ。民間側からの働きかけでは限界を感じた先輩は、官僚としての立場を得て民間と連携を取ることを考えた。
この時点で既に非凡極まりないのだが、そして選んだ学校が、『アプランツァイト学園』。一般庶民最高クラスの学校という側面よりも、彼女が着目したのは、女性でありながらも卒業生の一部が国家公務員ルートに進んでいること、そして学園生の大半は実家に生業を持つ……つまり民間人有力者の子息が集まる学校だったことによる。
だから、オーディリア先輩はこの学園で大きな派閥を築き上げた。……それを自身が官僚になった際の官民結びつけのコネクションとするために。
そして、その構想をそのまま実行し、初等科においては中途ではあるものの完全に成功を収めている。……何なんだこの人。
「勿論このまま学園に残って学園生との関係を強化して国家公務員試験を受けるのでも良かったのですが、折角私の代で魔法系学院が開かれるので、狙ってみようかなと思ったのですよ。
――魔法青少年学院女性一期生首席の座をね」
その言葉を聞いた瞬間、この人の行動原理が全てつながった。
――お父さんが学閥で通ったルートを踏襲するつもりだこの人!?
ああ、それだからこそお父さんの話をこのタイミングで聞きに来るわけだよ。
驚愕に包まれている私に対して、先輩は悪魔のような笑みを浮かべる。
「ごめんなさい、今のは半分冗談ですわ。
ですが、女性門戸開放されたばかりのところに初めて入ったとなれば普通に国家公務員になるよりかは話題になるのは間違いないでしょうし、その話題はそのまま私個人の名声として利用できますもの。そして都合の良いことに私も、フリサスフィスさんから『勉強会』において魔法使いについては勉強しましたので」
先輩はどうやら『勉強会』に臨むときに予習を多少していたらしい。……そこで、学閥に関して情報を仕入れたとのこと。
「あれ? 魔法使いは部外者の介入を嫌うはずだから、あまり調べられないのでは……」
「魔法使いの人事システムは単調で、それなりに精通した新聞記者であれば分かるとおっしゃっていたのはあなたのお父様ですよ? そこさえ知れれば、私には学園生の繋がりがありますからね、簡単でしたよ」
そりゃあ、学園生の新聞社関係者の親族くらい居るだろう。でも、そこにピンポイントで至れるのだからやっぱりこの先輩は頭おかしい。
「さて、私の話はこれくらいにして……。もう一度聞きましょうかね。
ヴェレナさん。あなたの家のこと、あるいはあなた自身が感じている使命や問題。そういったものを抜きにして、あなたが魔法使いになる理由は、ありますか?」
「ないですね」
ここまでの話を総括すれば、私個人として魔法使いを志望する理由って実は無いことは分かってきたので即答する。
「……ですので、それを見つけるために魔法使いになってみようと思います」
この場で答えが出ないために、魔法使いになる理由を見つけ出すため魔法使いになろうと思う。逆説的ではあるけれども、これが今の本心であり……『私』の考えだ。
「そうですね。それもいいかもしれませんね。
……これからも末永くよろしくお願いしますね? ヴェレナさん」
――こうしてオーディリア先輩の我が家訪問は終わったのであった。
*
「いやはや、とんでもない人だったな」
先輩を見送った後、お父さんが思わず呟く。
……そうだよなー、私の自室の一部始終を知らなくても、お父さんとの会話だけで半端ない人だということは分かるよなあ。いくら『勉強会』で顔を合わせていたとはいえ、直接1対1で話さないとオーディリア先輩の恐ろしさは分からないだろう。
「そういえば。先輩、将来は魔法使いになるらしいよ」
そう伝えるとお父さんは驚愕の表情に包まれる。そして、これは魔法使いも勢力図が変わるかもしれないな、などと少々気の早いことを口走る。
……まあ、その意見に全く異論はないけど。
「あら、良かったじゃないヴェレナ。知り合いが学校に居るってだけでも心強いものよ」
そう答えてティーセットの準備をするお母さん。まあ、正直安堵感も大きい。
やっぱり知り合いの居ない魔法青少年学院に通うのは不安も大きかった。そして、先輩ならまず間違いなく、これまで男性しか居なかった学院に嵐を巻き起こしてくれるだろう。ちょっぴり2年後どうなっているか楽しみなくらいだ。
ただ先輩には色々驚かされたけど、再度現実を突き付けられたのは閉口せざるを得ない程の衝撃を受けた。
指摘された通り、傲慢だったとは今になったら思うけど、割と本気で自分しかこの国を敗戦の末路からは救うことができないとは思っていたからねえ。
そうした自意識と今この世界の現実のギャップの大きさは如何ともし難い。
そうこう考えているうちにお母さんが、お茶菓子としてカップに入った何かとスプーンを持ってきた。
その透明なカップを眺めると茶色の層と白い層が段々重ねになっている。このお菓子の名前は私でも分かるぞ。ティラミスだ。
そしてそのティラミスの一番上には、別のもの乗っている。これも私にとっては最早お馴染みのものだ。
「今日のお茶請けは、グラノーラティラミスよ。ティラミスにはヨーグルトをクリーム状にして使っているからグラノーラに合うと思うわ」
これは、美味しそうだ。先輩と丁々発止のやり取りをしたから脳に糖分が足りていないから嬉しいぞ。
右手で銀のスプーンを持ち、早速実食と行きますか。
――しかし、そのスプーンがティラミスに入るまさにその瞬間に、部屋の中に響き渡るかのようなアラーム音がなった。
思わずその音の出先を探ると、部屋の隅にある冷蔵庫のような大きい装置――魔力通信装置から鳴っていた。
……今までこんな音を鳴らしたことはなかったけど。一体何があったのだろう。
そう首をかしげていると、お父さんがこう告げた。
「これは、緊急通信だな。家に繋いでくるということは送り相手は限られるはずだが……。ともかく音が止んだら、すぐに通信音声が聴こえるぞ」
お父さんの声を聴き、すぐさま警報音の鳴り続ける通信装置に意識を傾ける。
やがて警報音は消え、どこかで聞いたことのある声が部屋に響き渡った。
「突然すまないな。ルシアの父のベック・ラグニフラスだ。
通信時間に制限があるから手短に言うぞ。ドラッセル商会傘下のドラッセル金融が今日の午後から取り付け騒ぎが起こり耐えきれずに休業した。そして、情報隠蔽に失敗したので遅くとも今日の夕刊に載ることは確実だ。
――端的に言おう。この国の金融不安が、金融恐慌になった。
事後対応の策をヴェレナさんにも伺いたいとルシアが言っている。この通信を聞いたら至急我が家、ラグニフラス家に来てくれるとありがたい」
時代という名の物語がついに動き出し、敗戦に向けたゲームシナリオが歩み出したことを否応なしと実感せざるを得なかった。
――結局、この日。グラノーラには口をつけることができずラグニフラス家へ急行することとなる。




