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「そういえばキラに外出するの伝え忘れた。」
森の最深部でウロボロスを狩り殺して思い出した。多分あの様子だとまた来るとは考えにくいがモルモットにされてまだ懲りずに来た事を考えるとやはり来るかもしれない。
「まぁいいか。」
「あまりよくはないが。今はそれより外に出ようぜ?学園行く前に情報収集しとかないと。」
「そうだよ!学園にエルフがいるかもしれないし、そしたらアクア達と同じ精霊に会えるかもだよ!」
「そうね。礼儀正しい方だといいけど…」
「学園の全精霊にシデン様の強さを見せつけてやるのさ!」
「学園…行く前提なの?」
ヒエン達が顔を見合わせて溜息をついた後皆で学園に行くように頼まれた。いや、別にいいけどさ…あいつの言う通りにするのは癪じゃん。まぁいいや….
最もこの世界の知識を知りたいなら王国の首都にある国立図書館に行くのがいいらしい。
早速精霊達と共に色や音を消して図書館に入って行く。だがこの世界には文字という障害があった。まずは文字の解読から始める。文字の種類を全部書き留めた後周りの声を聞き取り、色を感じ取る。図書館付近には学校が幾つかあったからだいぶわかるようになった。早速本を読む。
アイテムボックスという概念があるらしい。この術式を使えば理論上作れる…か、複雑だが後で試してみよう。
最強のモンスターか…黒雲、疑似太陽、動く島…この世界のドラゴンもかなり強いが天災にはどうしようもないみたいだな。
テレパシー?音を消した時使えそうだな。
他にも何かないかな…などと思っていた時この図書館に感じていた違和感に動きがあった、そしてその違和感が近づいてきた。
「もしかして、メディカか?」
キラの奴が誰もいないように見えるはずの座席に対して言った。いますともさ、はい。ちょっと鑑定させろ。
名称:キラー
種族:魔人
年齢:6歳
状態異常:なし
HP:6000/6000
MP:200/200
攻撃力:3500
魔力:100
防御力:2750
素早さ:3020
魔法:なし
スキル:瞬間移動、絶対切断、鑑定、魔眼
称号:わんぱく坊主、戦闘狂、メディカのモルモット
…大変不名誉な称号を渡してしまったらしい。それはともかく魔眼?これが私を見破ったスキルか?
「よくいるの気付いたね。後何か言いたかったら念じるだけでいいよ。」
さっき見たテレパシーを早速使ってみた。
「わかった。聞こえるか?メディカ。」
「聞こえるよ。何か用?」
「聞きたい事があるんだ。外に出てくれないか?」
「わかった。」
そう言って外に出て色と音操作を解除した。
「凄い奴だと思ったがあんな芸当までできるんだな。お前。」
「見破った奴がなに言ってんのよ。魔眼だって?次の機会にちゃんと解剖してあげる。」
「や…やめてくれよ…」
「はいはい…何で戦闘狂のあんたが図書館にいたのよ。」
「そりゃ…来年学校通う事になるだろ?俺は特待生枠で入れたけど勉強やらなくていいわけじゃないって両親が言うんだよ。」
「特待生?あなたが?」
「戦闘面でな。」
「ふーん。」
戦闘か…確かに強そうだもんね。なんか言葉を続けて欲しそうに見られたからとりあえず撫でてあげる。
「ちょ!なにをす…」
「キラはキラで頑張ってなさい、私は…遠くで見ててあげるから。じゃあね。」
「な!待て!入学する約束忘れるなよ!」
誰がいつ約束したんだか。まぁいいや。
「そうね、入学できたらしてあげる。」
そう言って色と音を消し、ポケットの中に入れておいた転移石を使って家まで転移した。