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旧神の三人とカンナカムイ、キラー、ゼラ、アルト、カグラ、ヒトコトちゃん、ローテ、ヒエン達、クロノアとたぶん特徴からして神獣図鑑に書いてあったシエスタかな…がいた。真ん中に顔がボロ雑巾の様になって泣いている子供は知らないな。鑑定し…


「うわーん!ごめんなさい!ごめんなさい!」

「…何?どうしたの?」

「あれ?スクナビコナ…友達連れて来たの?」

「モンドに怪しいとバレちゃって…隠蔽していた事は殆どはかされちゃったの。」

「あはは…相変わらず役立たずだなースクナビコナは。」

「うぅ…」

「嘘だよ。目的はギリギリ間に合ったから。お手柄だよ、ありがとう、スクナビコナ。」

「へぇ?何の目的なのか聞いていいかな?」


うーん…モンドが関わっちゃったよ…厄介だな。あ、お茶美味しい。


「予めメディカの精霊を攫って、エルフの国に全ての国との条約を切って、帝国の傘下に加わるように頼んだんだ。今迄忘れて来た精霊を助ける為ならそれくらい訳ないよね?」


凄いな司、一瞬で初対面の奴らの殺意を頂点にまで上げたぞ。あ、隣にいるシオンがクッキーをくれた。これも美味しい。


「う…嘘だろ…司…私はお前がいい奴だと信じて…」

「嘘じゃないよ?俺の王子としての交渉能力の高さを利用すればこの通りすぐに条約を結んでくれたよ。ね?メディカ。」

「そうだね。司の話す内容は七割は嘘だと知っていたけど、ここまで目の前でスラスラさっきまでと違う内容を話して同意を求めて来るなんていっそ清々しいね。」

「そ…そんな……ってあれ?噓なの?」

「スクナビコナ…あなたももう少し学んだらどうですか?司がどれだけ気軽に嘘をついて来たか…忘れちゃったんですか?」

「や…闇ちゃん…」

「さっき名前ができました。アキシオンです。シオンと呼んでください。皆さんもよろしくお願いします。」

「え?あ…えっと…よろしく?なぁ…さっきのあいつの言葉って…」

「本当の事も少しは混ざっていたけど…条約の件は間違いなく嘘だから大丈夫です。」

「じゃあ、メディカは何の為にここに一人で来たんだ?」

「司は前世では私の先輩だったからね、ヒエン達にはあまり聞かれたくない昔話をしていたの。」

「前世での先輩?」

「うん。隠蔽されていてさっきまで忘れていたけど組織に入ったばかりの無垢な私を騙しまくった思い出すだけでもイラっと来る先輩だよ。」

「騙せたのは一回だけだけどね。」

「その一回がどうしても思い出せないんだ...」

「あれ?隠蔽した内容は全部元に戻したんじゃないの?」

「司がどうしても隠蔽して欲しいと言った内容は隠蔽したままだよ...隠蔽した内容はもう私も思い出せないようにしたからわからないけど...」

「...ありがとね、スクナビコナ。」

「うん...」


だから司の思考や司に関係する一部の過去も思い出せない訳だ...


「で、皆何でこんな所に来たの?」

「スクナビコナにとんでもない事を頼んだ元凶がいると聞いて。」

「あ、闇属性を隠蔽させた事?いいじゃん、8年なんて神族にとっては瞬きする程短い時間なんだから。」

「全然反省する気なさそうだな…」

「スクナビコナを泣かせたから反省はしている、でも後悔はしていない。」

「流石大先輩、悪の鏡ですね。」

「お、褒められた。」

「司...バカ!心配したんだぞ!この大馬鹿者!」

「スクナビコナも少しは人の言葉を疑うんだよ?」

「スクナビコナは司と友達なの?」

「う…うん。」

「じゃあ私とも友達になってくれるかな?あ、自己紹介まだだったね、私の名前はメディカ、よろしくね。」

「いいの?」

「何が?」

「私隠蔽の神様なのに…友達になっていいの?」

「勿論いいよ?私の友達にはね?後ろから心臓を抜き取るのを挨拶にしている人や人類を滅ぼそうとして封印されていた人や子供に無理難題押し付けて来た人がいるんだよ?今更ただ能力が隠蔽なだけで避けたりしないよ。」

「あ、メディカ…俺達の悪口を目の前で言うなんていい度胸してるじゃん。」

「でも事実だし。」

「メディカ…お前、心臓抜かれたのか?」

「うん。痛かった。帝国流挨拶だって聞いたのに帝国に来ても誰もこんな挨拶してないから軽く詐欺に会った気がした。」

「気を付けるんだよ?こっちの世界でも詐欺師は多いんだから。」

「うん。司に言われると説得力が違うね。所で…司が王子ってマジ?」

「本当だよ。」

「……シオン、マジなのか?」

「本当みたいだよ?正確には帝国の第二王子。今迄帝国の第二王子の情報を隠蔽して世間にはスクナビコナの遊び相手とだけ憶えて貰うようにしていたから...今頃帝国王室では大変な事になってるだろうね…どうしたの?」

「…ちょっと森で隠居してようかな。」

「どうして俺が王子にだったら隠居する話になるの?」

「だって色々めんど…大変な事になりそうだし。」

「大丈夫だよ。そろそろクーデターでも起こそうか考えていたけど、帝国も王国と仲直りする大事な時期だし、もう少しだけ様子を見ているから。」

「あれ?それだけ?」

「勿論それだけじゃないよ!冒険者ギルドでも作ろうと思うんだ、メディカも参加してよ。」

「あんたの部下になる気はないんだけど。」

「うーん…配下が一番良かったけど…じゃあパーティーメンバーで。」

「いいよ。」

「ちょ!待った!そいつはお前の親を殺した犯人の関係者かもしれないからな!」

「かもしれないじゃなくて指示した人そのものだけど、その辺の事情が色々面倒なんだよ。私の母を殺したのは私を助ける為でもあったから。」

「え?そうなのか?」

「どうなの?スクナビコナ。」

「わ…わからん!司!一から説明してくれ!」

「嘘でいいなら説明するけど?」

「メ、メディカ…」

「面倒だからパス。」

「シ…シオーン!」

「…わかりました。僕が知る範囲で説明します。」


相変わらずシオンは優しいな…。シオンが懇切丁寧に説明している間に司に向き直る。


「私の代のネセサリウスは全員この世界に来たみたいだ。」

「…全員か。暇な時間が減るね。」

「記憶を思い出せないままの奴もいるけど、一番派手に動いているのはあんただね。」

「俺が死んだ後に新入りはいる?」

「いるよ。国際警察の総長、正義感が強すぎて組織では生きにくい奴だった。組織に入った理由はあんたと同じだと思う。」

「思いあ…」

「説明終わったよ。」

「あれ?もう終わったの?」

「うん、司が腹黒くて嘘つきで胡散臭い事は皆に伝わったよ。」

「え?優しくて誠実な俺の事をそんな風に思うなんて…ま、嘘だけどね。」

「よかったの?こんな簡単に隠してきた事をばらしちゃって。」

「平気平気。俺にはまだシオンにもスクナビコナにも言ってない隠し事や悪事が山の様にあるからね。これくらいバレた所で痛くも痒くもないよ。」

「相変わらず胡散臭いですね。」

「褒めてくれてありがとう!俄然やる気が出て来たよ!」

「メディカ…こいつに一日嘘を付かせない方法はないのか?」

「駄目だよ。司に一日嘘禁止令なんて出したら息を詰まらせて死んじゃう。」

「そんなにか…」

「アルト...友達は選ぶんだよ。」

「うん。」

「モンド…お前スクナビコナに何て奴紹介してるんだ。」

「うん、もう少しちゃんと考えておけばよかったと反省しているよ。」

「でも俺くらい物好きじゃないとスクナビコナと友達になろうなんて思う奴はいないよね?なんせ隠蔽の神なんて存在自体が胡散臭いもん。」

「うぐ!」

「今迄隠蔽されて来たからいなかっただけで、やっぱり次から帝国と交渉する時は司がいるんだよね?」

「うん!会議を面白くしてあげるから楽しみにしていてよ!」

「あぁ…」


ゼラが頭を抱えているけど私も他人事じゃない。エルフの王女として司とは政治でも関わらなければならないからだ。あぁ...想像しただけでも嫌だ。でもそれより先に色々聞いとかないと。


「シオン、ちょっといい?」

「なんですか?」

「闇属性について詳しく教えてくれる?」

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