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50-2 キラー

「これから帝国学校から来た四人の留学生に自己紹介してもらいます。入ってください。」

「レディースアンドジェントルマン!初めまして!人呼んで薔薇の怪盗…ローテローゼです。好きな物は赤い薔薇と夢とロマン。嫌いな物は…夜の闇に埋もれてわからなくなってしまったね…」

「やっほー!モンドでーす!帝国学校の生徒じゃないけど遊びに来ましたー!」

「スクナビコナだ。特技は隠蔽、趣味はイタズラ。よろしくな、諸君!」

「...ホノカ」

「まともな奴がいない…」


Sクラスに四人ヤバそうな奴らが来た。ローテは前の戦争で暴れてたし、ホノカって奴も鑑定できない程には強い。スクナビコナは鑑定してみてイマイチ強くないと思うけど…神族だから気を抜けないな。モンドに至ってはなぜ理事長が来るのを許したのかわからない。帝国も全然仲良くする気ないだろ…


「ミスター先生!」

「…なんだいローテローゼ君…急にポーズを決めて…」

「授業の内容が全然分かんないんだけど…これ本当に7歳が学ぶ内容なんですか?」

「ここは国内でも多くの貴族達が入る学校…その中でもここは特別な子か上流貴族が集められたクラスだ…授業について来れなかったら後で先生が教えましょう…」

「ローテ…こんな基礎も分かんないのか?」


モンドは目を丸くして驚いている。ローテはバカだったんだな…ちなみに俺も授業の内容をわかった試しがない。同族だな…ついでに毎回授業で頭を抱えているテラーも話し掛けた事はないが間違いなく同族だ。


「わっはっは!ローテも大変だな!ちなみに私は別に勉強する気がないから授業の内容なんてどうでもいいぞ!」

「…」


同族じゃないけどこっちにもバカがいた。隣に座っているホノカは既に夢の世界に入ってる。お前達は何しに来たんだよ…


授業の後ローテとホノカはゼラとクラスの吸血鬼達と何か話していて入りずらい雰囲気だった。ローテ達には後で話し掛けるとして俺はモンドの所へ向かう。


「お前がモンドか…もう誰も脅さないというのは本当か?」

「へ?脅さないなんて言ってないよ?月の目を使った脅しはやめると言っただけだし。ところで君とメディカはどういう関係なの?イリナのスキルのせいで心が読みにくいから困っちゃうよ。」

「な…」

「モンドー!大変だ!大変だよ!」


一触即発の空気の中にスクナビコナが割り込んで来た。


「何?」

「ああア...まてらしゅ!アマテッラス!が!封印されてた筈の…あわっわわ…!」

「全然言葉になってないけど言いたい事はなんとなくわかったよ。アマテラスの封印が何故解かれてそして何故この教室にいるかだよね?」

「そ、そうだ!おかしい!歴史的にも記憶的にも色々おかしい!え?どうなってんの?あれ本物?」

「本物だよ。少し前メディカが封印を解いたんだ。」

「や…やばくないか?人間絶滅しちゃうよ?どうしよう!帝国も王国も!私の遊び場が!この十二年間遊んでいる間に何が…」

「心配しなくても今はもう人間を絶滅させようとは思っていないぞ。」

「ぎゃー!アマテラス出たー!」

「お、アマテラスじゃん。本当に学生として暮らしているんだな。」

「やっと名前で呼んでくれた事は嬉しいが今は本名は隠している。学校ではテラーと呼んでくれ。」

「わかったよ、じゃあテラーで。」

「ちょ!ちょっと待った!一から説明してくれ!何でこうなった?何で同じ教室の中に神族が四人も…おかしいから!これ絶対におかしいから!」

「四人って事はホノカって奴も神族なのか…」

「あぁ、あいつは確か吸血鬼を眷属にしている神族だ。神獣と仲良く日向ぼっこしているのを神界で何回か見かけたぞ?」

「今のは言っちゃ駄目でしょ…」

「え?何が?………あ。」

「何で言っちゃ不味いんだ?」

「強い神族が他の神族の領地に入るだけで充分脅威だと見做されるんだ。眷属の攻撃は神族に通らないから、神族は一方的に攻撃する事ができる。弱い神族なら捕らえて檻に入れれば事足りるけど強い神族が相手だと降参するか逃げるかしか道はないよ。」

「それに神族同士の関係を知る事でどの眷属同士手を組む可能性があるか、どの眷属同士戦争が起きるかもしれないか当てられてしまうんだ。吸血鬼はかなり強い種族だからホノカも偽名を使っているのは歴史から自分と仲のいい神族の関係を当てられる心配があるからだよ。友達の眷属が人質にされて吸血鬼に命令しろなんて言われたら笑えないもんな。」

「ホノカって偽名なのか?」

「そうだな。」

「うーん…なんかよくわかんないけど…そもそも何で正体を隠さないといけない奴が帝国の学生になってんだ?」

「いや、ホノカは帝国の学生じゃないしここ2000年間殆ど外に出てないらしいよ。今回は僕に脅されていた眷属が心配だからついて来ただけ。」

「眷属が心配…ローテの事か…ん?元凶お前じゃん!」

「だからそう言ってんじゃん。」

「…」

「なぁなぁ…そろそろ私の質問に答えては…」


スクナビコナが何か言いかけた時に無情にもベルが鳴った。モンドが「後で教えてあげるから…」と慰めていた。聞いた話よりはいい奴なのかもしれない...いや、ローテを脅していたのを悪びれてない時点でやっぱり悪い奴か。


「席に戻る前に聞いていいか?」

「何?」

「神族って皆子供の姿をしているのか?」

「そんな訳ないでしょ?テラーはともかく、俺達は皆姿を変えて来たんだよ。スサノオ…イリナだって大人の姿だっただろ?同じ年の留学生の設定があるのにそのままの姿で来る訳ないじゃん。」

「うん、まぁ…そうだよな。」


キラーがスクナビコナを鑑定した結果:


名称:スクナビコナ

種族:神族

年齢:(隠蔽されました)

状態異常:なし

HP:200/200

MP:300/300

攻撃力:200

魔力:250

防御力:250

素早さ:300

魔法:火属性

スキル:(隠蔽されました)

称号:(隠蔽されました)


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