表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/80

38

モンスター狩りの旅の準備をしていたら理事長…イリナが家を訪ねてきた。


「何処か行くところがあるのか?」

「特にないけど…実戦経験を積むためにモンスター狩りに行くの。理事長こそ何の用ですか?」

「師匠としてお前に私のスキルを伝授しようと思ってな。」


ついにこの時が来たのか!


「モンスター狩りは後にします。今すぐ教えてください。」

「向上心は充分のようだな。ついて来い!」

「はい!」


とは言ったものの…何処まで行くんだろう…速度を合わせてくれているのはいいけどヒエン達は早すぎてついて来れないから服にしがみついてるし…まだ20分しか走っていないが大陸を二つ三つ渡っている気がするんだけど…気のせいか肌寒くなっていってる気がするし…何千どころが何万キロ走ったんだろう…異世界って広いんだな。


「着いたぞ。」


30分走って着いた所は…雲の上だった。もう何が何だか…と思ったら三人の男女がこちらに向かって歩いて来た。三人の心の声が聞こえない。鑑定しよう。


名称:カンナカムイ

種族:神族

年齢:700億歳

状態異常:なし


HP:8000000000/8000000000


MP: 5892147531 /5892147531

攻撃力:245600000000

魔力:377777777777

防御力:80000000000

素早さ:600000000

魔法:雷属性

スキル:神龍化、轟雷、眷属契約、眷属支配、鑑定、鑑定妨害

称号:龍神、雷神、天の裁き



名称:ヒトコトヌシ

種族:神族

年齢:8000歳

状態異常:なし


HP:1000/1000

MP: 1000/1000

攻撃力:1000

魔力:1000

防御力:1000

素早さ:1000

魔法:なし

スキル:眷属契約、眷属支配、ヒトコト、鑑定、鑑定妨害

称号:無口



名称:カグラ

種族:竜人

年齢:600歳

状態異常:なし


HP:1000000/1000000

MP: 1000000/1000000

攻撃力:1000000

魔力:1000000

防御力:1000000

素早さ:1000000

魔法:火属性、雷属性、風属性

スキル:龍化、鑑定、鑑定妨害、龍の鱗、防壁、多重分身、瞬間移動、時止め、気配察知

称号:龍神の右腕、神の護衛



神族のステータスってどれもぶっ壊れだと思ったけどそうでもないのか?…後護衛強いな。スキルも活用したら三大モンスターにだって楽に勝てるだろうに…何食って生きてるんだ?


「お、スサノオじゃないか。何の用だ?」

「カンナ、お前が使っている修行場を借りたい。」

「ん?別にいいが…何に使うんだ?」

「弟子の修行だ。」

「弟子?そいつはお前の部下じゃないのか?」

「いや、弟子だ。」

「ほーう…」

「メディカです。この子達はヒエン、シデン、アクア、シナモン。よろしくね。」


ヒエン達はさっきの走りに若干酔ったらしく元気がない。一応頭は下げているけど今にも倒れそうだ。


「…ヒトコトヌシ…」

「カグラだ。カンナカムイ様の眷属でヒトコトヌシ様の護衛をやっている。よろしく。」

「スサノオの親友のカンナカムイだ。よろしくな。」


興味深げに見られた。カンナカムイに対して鑑定妨害やステータス偽造は効かないだろうが他の二人にはわからなくしておこう。


「エルフ?…か。面白いな。なぜお前からはアマテラスの力を感じるんだ?」

「封印を解く際に力の一部を吸収しました。」

「その封印を解いたのはお前か。アマテラスを解放してくれてありがとう。お陰で本物の太陽を取り戻す事が出来た。」

「アマテラスの封印が解けたのをご存知だったんですか?」

「ある程度長生きすれば本物と偽物の差ぐらい分かるようになるものだ。中途半端に長生きしてたり外を出歩かない神はまだ気付いてないかもしれないがな。」

「ふーん…」


そういやモンドの奴も記憶喪失ながらも気付いていたみたいだしな。


「少し質問を聞いていいですか?」

「ん?なに?」


どしたの護衛殿。


「もしかして威光学園の生徒ですか?」

「はい。そうですけど。」

「アルトとは知り合いですか?」

「…そうだよ。」


護衛殿はアルトの兄だったらしい。自分の親衛隊隊長の兄に会うって…気まずい。


「僕はアルトの兄なんだけど…アルトは学校でよくやってますか?友達がいなかったり…いじめられたり…馴染めなかったりしますか?」

「私の知る限りそんなことはないよ。」


学校で親衛隊の隊長になるまで学園生活エンジョイしてますよ。友達もあの二人がいるし。


「よかった…アルトの事をこれからもよろしくお願いします。」

「はい。」


結構心配してたらしい。家では厳しくしているから逆にそういう事は聴きにくいそうだ。


「メディカ、これからやるのは殺気を放って敵を気絶させる訓練だ。」

「サマエルの怒りじゃ駄目なんですか?」

「殺す必要のない敵にまでそれを使って殺す必要はないだろう?」

「まぁそうだけど。」

「その後龍化したカグラと実戦訓練を行う。なんだかんだ言ってお前達はステータスの割には他人との実戦経験が少ないからな。」

「わかった。」


修行の場に着いた。凄い数のドラゴンが飛んでいる。殺気でこいつらを気絶させるのか。


「言っておくけど向こうは常時攻撃してくるがお前は殺気で気絶させる以外の手段で攻撃するなよ?」

「え?私防御力こんなに低いのに反撃出来ないんですか?」

「避けるか早めにマスターしろ。」


そんな無茶な…そう思いつつも身体の周りに貼ってあるバリアのお陰で無効の攻撃が届かないんだけどね。


「そういやお前…アマデウスマジシャンだったな。」


イリナがそう言うと見学していた三人が驚いた。


「お!本当だ!ステータスとスキルばかり見て気付かなかったな。」

「アマデウスマジシャンって…伝説の存在じゃ…」

「!…」


ヒトコトヌシ…称号どうりまじで無口だな。


「あぁ…ヒトコトヌシはな、スキルの影響で一日に一言しか喋れないんだ。」

「えぇ…」

「ただその一言はスキルによって事実に変える事ができる。」

「え?どういう事?」

「晴れの時に雨が降ってきたと言えば世界中に雨が降り、世界が崩壊すると言えば次の瞬間世界が崩壊を始める。」

「…」


これは無口にもなりますね。はい。浮かれて適当に話したら世界が大惨事だ。アマテラスとは別の意味で恐ろしい。

「まぁステータスは見ての通りあまり強くない。だから護衛を付けているんだ。人見知りに見えるが意外と好奇心旺盛な奴だ。仲良くしてやってやれ。」

「はぁ…」


ヒトコトヌシから無表情で手を差し出された。何も言わないから一瞬戸惑ったけどすぐに握手をしたいのだと気付いた。


「改めてよろしくね。ヒトコトヌシさん。」


そしたらヒトコトヌシは隣のカンナカムイを見た。それに気付いたカンナカムイは笑顔でこっちを見た。


「メディカ、ヒトコトヌシの事はヒトコトちゃんと呼んで欲しいそうだ。」

「わかりました。改めてよろしくね。ヒトコトちゃん。」


そしたらヒトコトちゃんは無表情で首を上下に揺らした。嬉しそうだ。


「なぁなぁ!カンナカムイは雷神なんだろ!俺にももっとビッグになる修行してくれよ!」


シデンが真っ先に復活した。


「ほう、私に弟子入り志願してくるとは…確かシデンと言ったな?気に入ったぞ!カモン我が弟子!」

「よっしゃー!」


シデンはカンナカムイについて行った。


「大丈夫なのか?あのシデンって奴…」

「…」


非常に心配そうな顔で三人がシデンを見送っていた。カンナカムイはかなりスパルタなのかもしれない。生きて帰って来いよ…シデン。


「このままじゃ役に立たないかもしれないからな…俺達も弟子入り志願してくるよ。メディカはメディカで修行を頑張ってくれ。」

「え?」


ヒエン、アクア、シナモンもシデン達の後について行った。ウソダロ…


「メディカ…あいつらが帰って来たら労わってやれよ。」

「はぁ…」

「それではこちらも訓練を始める。」

「はい!」


私は修行場の真ん中に禅を組み始めた。こっちの方が集中しやすい。サマエルの怒りを出さずに殺気だけ出すのか。これもモンドが言っていた雰囲気のコントロールの訓練かな。


「...」


10時間程イリナの指導を受けて大体感覚を掴めてきた。これで雰囲気を消す方法も分かるようになった。後もう一時間安定させる事ができればスキルにできるな。


「映像を見たぞ。ツクヨミと仲良くなったらしいな。」

「…」


禅を組んでいる間は返事できないぞ。


「返事はしなくていい。ただ愚痴を聞いて欲しいだけだ。」


頷いておこう。


「記憶喪失の前のあいつにはよく悪戯されてな。よく遊び相手になってもらう為に不意打ちして来たものだ。だから私はあいつが大嫌いだった。他の神族から見ると友達同士の遊びに見えたかもしれないが。私からしたら迷惑以外の何ものでもなかった。よく『やるなら正面から正々堂々戦え!』と怒ったものだ。」

「…」

「ある日突然来なくなってな。アマテラスも封印してしまって私の旧友は皆遊びに来なくなった。普段大暴れしている事もあって他の神族も私とは距離を置いていた。その時私は初めて孤独を知った。」

「…」

「孤独を耐えかねた私は腕に自信があり、私を恐れない神族と知り合っていき、友達の大切さを知った。だからこそツクヨミの行方が気になって仕方なかったんだ。ところが探し回って見つけたツクヨミは敵側に付いていた上に記憶まで無くしていると来た。私はどうしたらいいんだ…」

「いつもどうり喧嘩すればいいじゃん。イリナの友情は拳から始まってんでしょ?殴りあっている内に友達になっていたりするものだよ。」

「!…お前…スキルは習得出来たのか?」

「おかげさまで。」

「…ツクヨミの防御力は低い。記憶を無くしている今本気で殴れば致命傷になりかねない。」

「死なない程度に殴れば?」

「…試してみる。」


あ、これは今迄溜めてきた鬱憤も晴らす気だ。なんだ、やる気満々じゃないか。モンド…大丈夫かな…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ