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テラーがいないのを確認してから外に出てモンドの治療。


「お前…何処に逃げてたんだ?」

「教えてあげない。」

「…まぁいい。この冬休み何か予定ある?」

「薬局を開く気。」

「え?何で?」

「薬を作るのが趣味なの。」

「ふーん…最初はなにを作るつもりだ?」

「………….身長を………その…..伸ばすやつ…」

「は?身長?お前7歳だろ?」

「12歳で成長止まるんだ…」

「そりゃエルフだから…ってまさか…」

「周りが魔人や竜人や使徒だったりするんだ。」

「ほーう…お前のプライドの問題かー成程な、辛いよな同級生からの子供扱い。」

「うがー!」


遠くの黒雲をサマエルの怒りで焼き払った。


「うお!命中したな。」

「あ、見えた?」

「あぁ…それにしても暗くなってきたな。」


山頂からは王国の首都の夜景が見えた。


「一曲演奏するよ。」

「お、待ってましたー。」


では適当に一曲…っと思ったら途中でテラーが観客席に混ざって来た。まぁいいや最後まで演奏しよう。


「相変わらず王国の奴らは幸せそうだな。」

「そうだな。ツクヨミは何で記憶を消してまでして楽しい事をを探しているんだ?こんなに簡単に楽しい事は見つかるのに。」

「俺もこんなに無害そうな連中に向かって悪だと決めつけて怒り狂う奴の気が知れねーぜ。」

「ちょっと喧嘩しないでよね?」

「私はもう人類を絶滅させようなんて考えてないぞ?」

「俺もまた記憶喪失になろうなんて考えてないぞ?」

「でもその割にはつまんないつまんない言っているではないか。」

「今はそんなにつまんなくねーよ。」


モンドが私の右手を引っ張った。


「私もメディカとの約束があるから闇雲に人間を消そうとはしないぞ?」


テラーが私の左手を引っ張った。え?なにこの展開?


「もうそろそろ家に帰るから離してくれる?」

「わかったよ。」

「添い寝してやろうか?」

「揶揄うなと何度も言っただろ?後私の家に簡単に近づかないでよね?あんたはヤガミのトラウマなんだから。」

「ツクヨミ…お前メディカをどうするつもりだ?」

「ちぇ。」

「じゃあね。」


家に帰ったらすぐにヤガミに気絶したままのアカリを渡した。


「メディカ…どこ行ってたの?」

「?学校の裏山。」

「あの少年に会ったの?」

「…会った。」

「何もされなかったんだよね?」

「うん。あいつにとって私は親友だから。」

「メディカにとっては?」

「…友達。」


突然抱かれてしまった。


「無事でよかった…」

「あんたにだけは心配されたくないよ。」

「僕はキラー君の友達のゼラ君の誘いで王国軍の実戦演習にや訓練に混ざる事になったんだ…もう失わない為に少しでも頑張りたいから。」

「…好きにすれば?」


王国軍の訓練に混ざるだけでモンドと対抗できるなんて思えないけど。


「晩御飯はもう食べたの?」

「うん。あいつの弁当は中々に不味かったよ。」

「はぁ…本当に仲良くなったんだね…変な物入れられなかった?」

「入れなくても充分不味い。」

「メディカ…口の中に血の匂いが…」

「たぶん気のせい。」

「友達…なんだよね?」

「うん。」

「虐められたら言うんだよ?」

「虐め返したから大丈夫…それにあんたじゃあいつに勝てない。」

「そっか。楽しかった?」

「それなりに。」

「よかった…明日も早いから早めに寝るんだよ?」

「…保護者ぶるな。」

「メディカが楽しそうでよかった…」


ヤガミが綻んだ笑顔で笑った。見ていてとてもイライラする。


「ちゃんと心配してくれた皆にも感謝しておいてね?キラ達やヒエン達も状況よく分からなくておろおろしていたんだから。」

「そうします。ありがとう…メディカ…心配かけてごめんね?」

「なぜ私?」

「メディカも心配してくれたじゃないですか。」

「心配してない。気のせいだ。」

「そうだったとしてもいつもぶっきらぼうなメディカが晩御飯持って来たり寝る前に話し掛けたりしてくれたじゃないですか。」

「いつもぶっきらぼうで悪かったな。」

「それにアカリの事も連れ帰ってくれたじゃないですか。」

「はぁ…わかったよ!その感謝受けてあげるからさっさと皆にお礼言いに行ってこい!」


ヤガミは笑顔で私に一礼した後台所を掃除しているヒエン達の方に歩いて行った。私も後でヒエン達に心配させたから謝りに行こうかな。


「あーあー聞こえるかーメディカー。」


モンドがテレパシーで呼びかけてきた。


「聞こえるよ。何か用?」

「明日メディカの学校襲撃したいと思うんだけど。」


なんでこいつを友達だと思ったんだろう私。


「学校にはテラーがいるよ?大丈夫なの?」

「え?まじ?」

「最初に制服姿で会ったじゃん。もう忘れたの?後、テスト期間だから邪魔されたらテラー滅茶苦茶怒ると思うよ?」

「前言撤回。お前の学校怖くて行けない。冬休みの間に王国に宣戦布告するから殺し合いなしの勝負しようよ。」

「勝負事に他人を巻き込まないで、勝負ならもっと誰もいない所でやろうよ。」

「ん?そうか?じゃあ死海で勝負しようぜ。準備できたら言えよ!」


死海?前世で生きていた地球とは違う場所だよな?…学校で聞けばいいか。


「わかったよ。じゃあまた冬休みで。」

「そういう事だ。じゃあな。」


そろそろヤガミもヒエン達と話し終わった頃だろう。ヒエン達に会いに行こう。ん?ヤガミの奴まだヒエン達と話し終わってなかったのか?


「大丈夫だったか?メディカ。」

「うん、平気。それよりも…」

「見てよメディカ!アカリが目を覚ましたんだよ!」

「まだ目覚めたばかりで少し混乱しているかもしれないわ。」

「何か意地悪されてなかったか?」

「ううん…軍人に捕らえられた後の記憶はないの。」


ずっと氷漬けにされてたのか。


「さ、さ、さ、寒かったよー!女王様―!アカリは火属性の精霊なのに氷漬けにされたのー!慰めて―!」

「メディカは女王じゃないよ、アカリ。」

「ヤガミ!よかったー!ヤガミ生きてたー!」


4年間氷漬けにされた奴がこんなに騒がしいとは…恐れ入ったな。


「あなたは王女様?王女様なんですか?」

「そうだよ。後その呼び方馴れないからメディカでいい。」

「メディカ様!」


様も外せ!と言いたかったけどアカリは腹の音を鳴らしその場で倒れてしまった。倒れるぐらいにはお腹空いてたけど本人はそれどころじゃなかったという所だろう…


「アカリにご飯用意しておきます。」

「俺達も手伝うぜ。」

「アカリさんとは色々お話しがしたいものね。」

「俺の英雄譚とかな!」

「アクアももっとアカリとお話ししたい!」


やれやれ…元気のいい連中だ。この分だとヒエン達に謝らなくてもいいだろう。


「じゃあ私は寝る前にテスト勉強でもしておくよ。」


そう言いつつも部屋の中で昨日モンドに指摘された雰囲気について考えてみる。うーん…たぶん言ってるのは人の放つ気やオーラの事だと思うんだよな…訓練できる物なのか?まぁいいや。今日は座禅した後寝よう。


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