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家に帰る途中理事長にバッタリ会ってしまった。


「ツクヨミに会ったのか?」

「何でそう思ったんですか?」

「お前からツクヨミの匂いがする。」

「ふーん…。」


ツクヨミとアマテラスの心の声は相変わらず聞こえないが理事長の心の声は聞こえるようになってきたな。アマテラスと神獣曰くスサノオは力バカだそうだ。だから心の声が他の神族より聞き取りやすいのかもしれない。神獣は自分の匂いがしないように先に対策してたのかもしれないな。


「記憶喪失のツクヨミからライバル宣言を受けました。ツクヨミの弱点を教えてください。」

「正々堂々戦おうと思わないのか?」

「真正面から戦って勝てるとは思いません。」

「はっきり言ってそのセリフは私と戦う前にツクヨミがアマテラスの聞いた質問の回答と完全に同じなんだが。」


似た者同士だったらしい。余計負けてられん。


「はっきり言って記憶の無くしたツクヨミとはまだ一回も会った事がないんだ。立場などが引っかかってどうにも自然に接する方法が見つからないからな。戦い方なども変わってるかもしれんし帝国が対私に色々対策を練ってるかもしれん。それより自分なりに戦った方が勝ち目があると思うぞ?」

「わかった。」


家に帰って晩御飯を済ませたら早速神族の対策を練ってみる。神族の長アマテラスでさえ全属性の魔法は使えないらしい。神族とはいえ何か弱点があるかもしれない…そういえばアマテラスには精神攻撃が効くかもな…一部の人間の悪さを見かねて種族ごと消し去ろうとした事や親友のやり過ぎた悪さにどうすればいいか考える所などを考えるとメンタルが弱い上に完璧主義と見た。何かあったら適当に言って混乱させたりするのも手だな。ツクヨミは…情報が少なすぎる。怒らせた時の隠れ場所とかないかな?次エルフの国に行ったら神獣辺りに聞いてみよう。スサノオの方は鑑定出来るようになっていた。


名称:スサノオ

種族:神族

年齢:不明

状態異常:なし


HP:9658421586/9658421586


MP: 5892147531 /5892147531

攻撃力:999999999999

魔力:145236550

防御力:7855554621

素早さ:4852631520

魔法:火属性

スキル:不明

称号:不明


スキルが解らないのは困るが攻撃力はアマテラスと同じくらいか…怒らせないでおこう。その時ヤガミの足音が近づいてきて部屋の前で止まり、ドアをノックの音が聞こえた。


「なに?」

「メディカ?夜更かしはよくないよ?」

「人の私生活に口出ししないでよ。」

「今の内に成長しないと友達に置いてかれちゃうよ?」

「…」


そうだ。私には神族以外にも直視すべき問題があったんだ。もういっそ自分の遺伝子を変えてしまおうかな…そもそも異世界に遺伝子なんてものあるのかな…気が削がれた。今日はもう寝よう。


「おやすみ。」

「うん。おやすみ、メディカ。」


朝起きて閃いた。そうだ、残った三大モンスターを全て倒してサリエルの涙を使ってステータスを加算しよう。


「おはよう!メディカ。どうしたの?授業中ずっと別の事考えているように見えたけど。」

「…おはようございます。センリツ、昨日上手く眠れなかったので少し疲れが出てしまったようです。」


朝起きたら理事長の心の声が聞こえなくなっていた。そしてアルト、キラ、ゼラの心の声も聞こえなくなっていた。聞こえないというよりノイズが混ざって上手く内容を聞き取れない。その上こっちの反応を確かめる様な仕草を見せた。昨日の内に何があったんだろう。


「メディカ!テストが終わったら冬休みだよ!何か予定ある?」

「そうね…色んな所を回って旅したいな。」


三大モンスター狩りの旅とか。


「薬を作って配らないの?」


え?なぜ?と思ったけど前のボランティア活動の印象や在学中の猫被りに加え冬休みは病気になる人が多い。称号にもアイドルや白衣天使などがあって公開している称号に王都の医者がある。周りが私にどんな印象を持ってるかあまり気にしてないが心の声で大体わかる。でも薬を作るのは楽しいんだよな…特にとんでもない効力の代わりにヤバそうな副作用とか誰もが引くような薬とか作りたいな。


「材料費もあるし薬局とか開こうかな。」

「そう?何か手伝える事とかある?」

「うーん…ごめんね、でも一人でやってみたいんだ。」


センリツとカナなら弱いモンスターから素材を集めることもできるだろうけど無駄に借りを作りたくない。困るほど忙しくもないし。


「その他は?誰かに誘われたとか。」

「…」


この前キラ、ゼラ、アルトを理事長の命令で呼び出した時に周りからあらぬ誤解を受けてしまった。その後私に隠れて色々噂している人は多いけど遠回しにとはいえついに私に聞いてきたか…


「いえ、特にないですけど?」


何故そんな事聞いてきたのか分からないという表情を浮かべたらカナは残念そうな顔をしてセンリツは安心した顔をした。分かり易いなお前達…


放課後屋上に向かう途中でキラに会った。


「お、メディカ!家まで瞬間移動で送るか?」

「瞬間移動って他人まで効果があるのね。」

「一定距離にある物なら重さ関係なく移動させることができるぞ?」


魔眼や絶対切断といい中々キチガイなスキルばかり持ってるな。


「Sクラスは存在自体がチートな奴が多いな。」

「お前にだけは言われたくないぞ…」

「お生憎様今日はまだ用件があるの。先に帰ってて。」


そう言いながらアイテムボックスから適当な教科書を取って見せた。


「お前テストではずっと満点だろ?解けない問題なんてあるのか?」

「問題全部解ってたら学生なんかやらないよ。解らない問題を先に解決しないとテストで満点なんて無理に決まってるでしょ?」

「…そうだな。悪かったな引き留めて。」

「じゃあね、また明日。」

「あぁ、気をつけて帰れよ。」


…キラが少し辛そうに見えたのは気のせいじゃないな…心の声が聞こえなくて不便だ。知らない事があるとどうにも落ち着かない、帰ったらすぐに行動を起こさないと…未確定要素は少ない方がいい、前世の私はその未確定要素を放置したから死んだんだ。繰り返してはならない。


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