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エルフの国が帝国兵とオークに襲われたのは既に学校中知れ渡っていた。ついでに私がエルフの王女で神獣契約を済ませて敵を追い返した事も。お陰で私は学院でより一層アイドル視されてしまった。


「メディカもヤトも大丈夫だったの?」


ゼラが心配そうに尋ねてきた。でも心の声から私よりヤトの方が心配だとわかるな。


「ヤトは強くなったよ。」

「え?彼の性格から戦えるとはとても思えないけど…。」

「少し説得したら戦いにいった。スキルを使えば攻撃力がキラより高くなるよ。」

「…彼はエルフなんだよね?」

「そっちに素質でもあったんじゃない?」

「帝国兵とオークを殺し尽くしたのはヤト?」

「違う、私だよ。」

「メディカはあんまり国に干渉する気はなかったんだよね?」

「…アクシデントがあって、イライラして、近くにいい感じの敵がいたからサマエルの怒りで八つ裂きにした後飲み干した。」

「…はぁ…」


あ、そういえばゼラにはサマエルの怒りについて言ってないんだったな。


「サマエルの怒りは前使おうとして理事長に止められた新しいスキルよ。」

「あ…あれ?」

「そう。あれ。私の怒りをトリガーに発動するから中々に扱いが難しいんだよね。」

「キラーにも気を付けるように言っておくよ…。」

「ねぇ…」

「?」


理事長と王国の歴史について聞こうとしたけどやめた。


「帝国について何か知ってる?」

「え?…うーん、あんまり関わらない方がいいくらいかな。」

「ふーん…そんな事があるんだ…。」


帝国にも理事長に代わって別の神族がいるそうだ、だた何らかの方法で記憶を消されて軍の将軍になってる情報もあるけど。それにしても…やっぱりゼラは理事長が神族だと知っていたか。


「…心の声聞こえてる?」

「もちろん。」


ついでにサリエルの目で一回使徒が何なのか見てみよう。うーん…本質は人間と変わらないけど魂が理事長の力で強化された感じかな…もしかして代々エルフの女王の魂も神獣の強化を得ているんじゃないか?それとも転生ボーナス?急いで知る必要はないか…


「ヤトとはどうやって知り合ったの?」

「2週間前エルフとの外交の時かな…メディカとは全然似てない人だったし、妹を探してるとも言ってなかったから関連性は感じづらかったかな。」

「外交ねぇ…」


ヤトに?無理だろ


「まぁありがと。情報役に立ったよ。」

「キラーくんにも会ってあげて?メディカが急に学校休んで慌ててたよ。」

「わかった。」

「あと…アルトが親衛隊隊長になった。」

「え?」

「アルトが昨日メディカ親衛隊の隊長になった。」

「…….わかった、ありがと。」


アルトの事は忘れてキラを探しに行こうと思ったら早速廊下を出たらバッタリ会ってしまった。


「メディカ!どこ行ってたんだよ!」

「?エルフの国。」

「戦争が起きたってまじか!」

「まじ。」

「ケガはなかったか?」

「ない。でもムカついたから敵を全員八つ裂きにした。」

「えっと…勝負にならなかったのか?」

「今回はね。帝国に異様に強い奴が一人いるらしいから油断はできないけど。」

「メディカほど強いならたった一人に対してそこまで警戒する必要ないんじゃないか?」

「そんなことはない。その一人が国を滅ぼす事も出来るかもしれないのに油断なんてできる訳ないよ。」

「そんなにやばい奴かもしれないのか?」

「たぶんそれ以上にやばいけどね。」

「どんな種族だよ。」

「そういう種族。ゼラの方がわかってると思う。後、ハンサムに会った?」

「会った。お前ら知り合いだったのか?いきなり死に掛けの状態で夜中に来てイリナ様イリナ様と押しかけてきたんだ…イリナ様が誰なのかすら知らないのにいい迷惑だったよ。」

「イリナは理事長の名前だよ。」

「え、そうなのか?」

「帰ったらちゃんと教えてあげてね。」

「お、おう…」


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