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神獣からメモをもらった内容は簡単な神族と眷属の関係についてとこれからどうするかについてらしい。早速読んでみる。眷属は神族よりもランクが下だから神族に対して攻撃やスキルが通用しないらしい。だから他の神族が攻めて来たら基本的に打つ手なし。私は神族の力を得てしまったから攻撃は通じるけど…そもそも何でエネルギーが吸収できたんだろう…あ、そういえば術式は理事長もいじってたんだ。じゃあ封印は?いや、その時点でもうアマテラスの力は吸収したんだっけな。


神獣契約は眷属にしか使えないらしい。逆に私が神獣契約をしているふりをすれば私が神獣の眷属だと他の神に思わせる事ができる。神獣にだけ警戒している神族の裏を掻けるという訳だ。


神獣からの要求は守りをもっと硬くしてほしいのと毎年神獣の儀や従来あった幾つかの祭りごとの女王の役目を務めてほしいそうだ。これは他の神が私はまだ神獣の眷属だと思わせるアピールらしい。


私には神族同士の関係、逃げる時のコツ、一部神族の逆鱗、関わらない方がいい神族、神族の力の扱い方など教えてくれるそうだ。


「メディカ!こんなところにいたのか。皆心配してたぞ?」


読み終わったらヒエン達が私を見つけた。


「神獣に会ってきたよ。でも皆には言わないでね?私が適当に誤魔化すから。」

「神獣と何かあったのか?」

「協力関係になっただけだ。でも神獣の存在を他人に知られるのは都合が悪くなる。」

「ふーん…とにかく皆心配してるから早く戻ろうぜ。」

「わかった。」


王城に帰ったらヤトとヤガミがいた…あれ?ヤトの雰囲気変わってない?


名称:ヤト

種族:エルフ

年齢:9歳

状態異常:なし

HP:450/450

MP:3000/3000

攻撃力:160

魔力:400

防御力:120

素早さ:250

魔法:風、雷属性

スキル:精霊共鳴、精霊使役、王族の守り、バーサーカー

称号:エルフの王子、殺戮者


臆病者から殺戮者になってる…え?なに?私が何か言い過ぎたの?ステータスも上がってるし…どうしたのマイニーサン?ここまで変わるほどショッキングだった?なんかごめんよ。


「メディカ発見!突然消えたけどなんで?」

「家のストーブ消したか憶えてなくて…慌てて転移石で帰ったんだ。」

「転移石?」

「私が考えた術式を内部に埋めこんだ石なんだけどね、使うと特定の場所まで瞬間移動できるの。」

「えぇ!?凄い!でも何ですぐに帰って来れなかったの?」

「ここはまだ場所特定してないの忘れてたから。」

「?…ふーん…そうだ!結局偶には帰って来なさいよ!断らせないからね!」

「あぁ…その件だけどね、気が変わった。」

「え?」


アラシに女王にはならないけど一部の仕事(神獣に頼まれた分)はやると伝えておいた。


「どうして急に気が変わったの?」

「女の心は秋の空のごとく変わりやすいの。理由なんて特にないよ。」

「えー!ほんとー?」

「ほんとほんと。おおマジだ。それよりヤトの様子が変だけどそっちは大丈夫?」

「え?…..へ、変に見えるかな?気のせいじゃないかな?」

「何人殺したの?」

「…見てた?」

「見てないから聞いてるの。沢山殺したんでしょ?」

「うん…どうして分かるの?」

「鑑定ってスキル知ってる?他人のステータス、使える魔法、スキル、称号などが分かるようになるんだよ。」

「そんなのがあるんだ…何か増えてたの?」

「全体的なステータスが上がってて、スキルにバーサーカー、称号に殺戮者が増えていた。」

「殺戮者…」


あれ?でもそれって私の方にもまずいものが増えているという事かな?鑑定してみよう。


名称:メディカ

種族:エルフ

年齢:7歳

状態異常:なし

HP:911000/911000

MP:1014119/1014119

攻撃力:2500

魔力:32951000

防御力:1000

素早さ:2500000

魔法:全属性習得済み

スキル:色操作、音操作、鑑定、身体強化、精霊共鳴、精霊使役、周囲感知、思考加速、毒無効、呪い無効、超回復、痛覚耐性、精神強化、根性、魅惑、MP急速回復、アイテムボックス、空間把握、鑑定妨害、ステータス偽造、薬生成、未来予知、サマエルの怒り、ミカエルの裁き、ラファエルの守り、サリエルの目、サリエルの涙。


称号:修行僧、マッドサイエンティスト、魅惑する者、王都の白衣天使、王都のマスコット、王都の医者、禁断の封印を壊すもの、神族の縁者、神族を救いし者、神火を取り込んだ者、学園のアイドル、ドS、悲鳴好き、神の領域に辿り着きし者、禁忌を破った咎人、エルフの王女、断罪人、守護者。


…あれ?思ったのとだいぶ違うぞ?明らかにヤトより殺したと思うんだけど断罪人で済んでる。防壁を張ったせいか守護者がついてる。後サリエルの目やサリエルの涙とか全然関係なさそうだな。何で増えたんだ?サリエルの目は見た対象に魂が宿っていた場合望む全ての情報を得る事ができる。サリエルの涙は今まで倒してきた敵の生命力と魔力(ステータスのHP,MP,魔力)を一部(1/100)引き継ぐ事ができる。ただし敵の強さが一定の基準以下だった場合引き継ぐ事はできない。


「やったじゃんメディカ!孤児の称号が消えてる!」

「え?…あ、ほんとだ。」

「おめでとうございます、メディカ。アラシ様から聞きましたよ?偶に帰って来てくれるんですよね?」


ヤガミの野郎が喋りかけてきた。アラシめ、余計な真似を。


「そうよ。でも別にあんたらのためじゃないから。」

「そのようには見えませんが...メディカがそう言うのならきっとそうなんでしょう。」


優しく笑い掛けてきた。前半の台詞だけで終わらせたら腹パンくらいできるのに一言も二言も余計な事を言いやがってマジむかつく。


「どんな理由であれメディカが帰ってきてくれるのは皆にとって嬉しい事ですから。いつでも気軽に帰って来てくださいね?」

「言われなくてもそうする。」


ヤガミの奴がまた撫でて来やがった。こいつ私の事をなんだと思ってるんだ?そこらの犬や猫じゃないんだぞ?わかってんのか?


「私は王女だから気軽に撫でずにもっと敬いやがれ。」

「充分敬ってますよ。それに王女でも子供は撫でると嬉しくなるんです。」

「怒りしか覚えんのだが?」

「それはメディカが素直じゃないからです。」


まただ…またサマエルの怒りが発動しそうだ…静まれ…静まれ私の怒り…


「二人はいつ仲良くなったの?」


ヤトが会話に混じって来た。ナイスだヤト!早く話の内容を変えないとエルフの国が焦土に変わるところだった。


「城まで一緒に避難して喋ったんだ。」

「避難?メディカってそんなに怖がりだったっけ?」


前言撤回だヤト。お前とヤガミは纏めて焼き払う。


「でも外に広がった赤いオーラはメディカが出したんだ。」

「あれ…やっぱりメディカだったのか?」

「そんなに凄かったの?メディカはほとんど何もしていなかったように見えたけど。」

「防壁もメディカが一瞬で作ったからね。敵が攻めて来るまで効果があるかわからなかったよ。」


二人で話始めたな…今のうちにヤトのバーサーカーのスキルが何なのかサリエルの目で調べてみよう。


バーサーカー:使うとステータスの全てが攻撃力に加算される。


あ、チートだ。しかもエルフには考えられない脳筋スキルじゃん。え?何であるの?使ったら攻撃力4000超えるじゃん…私が頑張って来てようやく2500なのにそれはないんじゃないかな…


「そうだ、ヤガミはメディカの親衛隊にならないかい?」

「待って!私親衛隊いらない!」

「じゃあ護衛で。」

「いらない。自分の身ぐらい自分で守れる。」

「心配だからやっぱりついていきます。」

「ダメ。」

「駄々っ子はいけませんよ?」

「は?」


エルフ鍋にするぞ?


「ヒエン達がいるのに何で護衛がいるのよ?」

「メディカだってヒエン達が無闇に傷付くのは嫌でしょ?」

「ヒエン達が傷付く場面でヤガミが役に立てるとは思えない。」

「こう見てもヤガミはそれなりに強いエルフなんだぞ?それにヒエン達が止められないメディカの行動を一体誰が止めるんだ?」


後半が本音と見た。何だよ人の行動に文句あんのか?まさかヤガミの野郎王城から何かパクろうとしたのを言ったとか?…あれ、私もしかしてちょっと反省すべき?


「もうすこし冷静に動くから護衛はいらない。」

「自分の行動で問題が起きた自覚があるならヤガミが付いて行った方がいいんじゃ?」

「…」


ヒエン達が困る行動を結構起こしてるような気がしなくもないんだよなー…


「ねぇヒエン、皆はもしかして私の行動で結構困ったりする事多い。」

「否定は…できない。」

「そうか…そうだよね…」


薄々気付いてました、はい。


「じゃあ、お願いする。」

「ありがとうございます。家の人に一言言ってから戻ります。」

「…ハンサム?」


ヤガミの心の声に聞き覚えのある名前が聞こえた。


「よく知ってるね、人間だけど俺の養父なんだ。愉快ないい人だよ。」

「ダンゾ―って人知ってる?」

「ダンゾ―?つい最近ハンサムから師匠だと聞いたけど?」


ダンゾ―はたぶんキラの父親だ。まさかこんなところに関係があったとは。ヤクイ病…まだ残ってるのかな?


「一応会いに行っていい?」

「?…いいよ。」


ヤガミの家に着いてぐっすりソファで寝転がってた男を鑑定してみたらはヤクイ病のままだった。


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