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何とか水と風を合わせて癒し系の魔法で呪いを治した。癒し系の魔法は傷の治癒もできるらしい。…何のために回復薬作ったんだろう。作った回復薬を何個かやけ飲みしては呪いを治して呪い無効を手に入れた。残りの回復薬は念の為にとっておく。しばらくしてヒエン達が帰って来た。
「帰って来たぞ!ってあれ?回復薬それぐらいしか作れなかったのか?」
「それが色々あって…」
アクアがヒエン達に説明している間にヒエン達が持ってきた物を漁ってみる。
名称:毒々しいたけ
詳細: 毒薬を作る時によく使われるしいたけ。食べるとやはり毒状態になる。一時期自分が如何に美しくも毒々しい女なのかを知らせるためバレンタインのチョコに入れて相手に送り付けるのがブームになった事がある。
毒薬の作り方:粉になるまで練ってから水を入れる。
名称:賭けてみ梨
詳細:世界でも数少ない梨。主に黒雲が出てきた地方に育ち赤い雨が降る日に枯れる、貴族の間で人気な拷問用果物。食べた人によって手足が弾けたり内蔵が破裂したり下半身が消し飛び死に掛けるが死ぬ前に回復すれば基本的に無事でいられる。10%の確率でステータスが上がる。
名称:安全りんご
詳細: 世界で数少ない食べても完全無害な果実。世界で三割の生物が
このりんごを主食としている。
「何でやばそうなの混じっているの?」
「お前も鑑定できるからまず大丈夫だし、りんご以外は外に出たら売れそうだろ?」
「うーん…言われてみればそうだね。」
まずはカバンを魔法で作って中にりんごと薬品を入れる。その後試しに木造マイホーム造りにチャレンジする。両手を地面に付けて大きさ、構造、材質まで考えた後思いっ切り魔力を使う。
「できた!」
「おいおい…何作ってんだよ…」
「すごい!メディカさずがだよ!」
「あらすごいわね…これでもあなたはまだ赤ん坊なのよ?」
「俺たちも負けてらんないな。」
「折角だからこの森で少し住んでから外に出たいわ。赤ん坊のまま出ても外の環境に生きていけるかわからないからね、ここで少しやりたいことをやってから出ようと思うの。」
「やりたい事?」
「それはあとで言うよ。先に黒雲の食い滓と女の人の死体の匂いを消して血や液体を瓶の中に入れてから家に運んでくれる?」
「わかったわ。」
「頼まれましたー!」
若干疑問を残しながらもシナモンは風を操り、アクアは液体や血を吸い上げ着々と仕事を進めている。
「女の人の死体は埋めてあげなくていいのか?」
「あの人?喋った事もないし大事にしてくれたかもしれないけど今は生き残る方を優先したいからね、物作りや研究に使わせて貰うよ。」
「そうか…」
「死体に情を残したら次死ぬのは私達かもしれないしね。」
「そんなに切羽詰まってるのか?」
「生後4日しかない状況で森に一人きりだよ?充分切羽詰まってるよ。」
「俺達がついていてやるよ。」
「….ありがと。」
アクアとシナモンに頼んでいた作業が終わり皆でご飯を済ませた後やりたい事について説明した。
「私が治癒魔法を使えたのはアクアから聞いた?」
「あぁ。」
「呪われ続けたら呪い無効になった事は?」
「それも聞いた。」
「じゃあこれからやりたい事はね、毒薬を飲んだり賭けてみ梨を食べ続けて毎日MPが切れるまで回復し続けるの。」
皆がぎょっとして慌てて私を止めた。
「回復が間に合わなかったらどうするの?」
「だからいざという時の為にアクアとシナモンに協力して治癒魔法をマスターしてほしいな。」
「すごく痛いよ?耐えられないよ!」
「これぐらいで痛がったらいざという時戦えないわ。」
「そんな事しなくても俺達がいるんだぞ!」
「それはヒエンからも聞いたわ、でも精霊とエルフは支えあう存在。私自身も強くならないと。」
「本気で言ってるんだな?」
「うん。」
「今回はお前の提案を聞いてやるよ、もう無理だと思ったり気が変わったらいつでもやめていいからな。」
「ありがとう、みんな。」
反対していた他の子もヒエンの了承を聞いて諦めた。