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疑似太陽は他の二体と違って攻撃して来ないらしい。ただ熱く、太陽の様にでかく、直視するだけで目が見えなくなるというだけで地下で動かずに浮かんでいると聞く。ラスボス感凄いね。でも近寄らなければ被害はないので誰も討伐しようなどと思った事はない。新聞で見た内容にも一部疑似太陽の狂信者が変な儀式や妄想で他人に迷惑を掛けただけだし。
まだ結構距離があるはずなのに熱い…どうしよう。辿り着いても攻略法ないしな…でも諦めたくないな。
「エネルギーを全て吸い取ってみるか?」
「え?」
「策がないんだろ?向こうが動かないなら魔法でこっちのエネルギーにしてみるか?どうせ最後になるし、俺達ももう少し無茶に付き合ってあげられるぜ?」
「うーん…お願いできる?」
「あぁ!」
「魔法の術式をもっと組みなおしたいわ、一度外に出よ?」
「わかった。」
転移石を一つ足元に置いて理事長の家にある転移石にワープした。理事長に事情を説明したら一緒に魔法の強化を手伝ってくれた。これで完璧だ。元いた場所に転移して精霊共鳴した後早速魔法を使ってみる。一気に快適になった。疑似太陽も鑑定してみたかったけど目が大事だから目隠しした後目を閉じて熱の方に向かってエネルギーを吸い切って目隠しを取って目を開いたら何かを祀っていたかのような祭壇の上に獣人の子供らしき者が鎖で縛られていた。怪しいな…鑑定してみよう。
名称:アマテラス
種族:神族
年齢:不明
状態異常:封印
HP:999999999999/999999999999
MP: 999999999999/999999999999
攻撃力:999999999999
魔力:999999999999
防御力:999999999999
素早さ:999999999999
魔法:光魔法
スキル:不明
称号:神族の長、封印されし神、世界を照らす光
二つ目の課題を成し遂げたぞ。やった!帰ろう!
「お姉さん助けてくれますか?」
うぐ!見なかった事にして帰りたかったのに…どうしよう…もしかしたら疑似太陽はただ不用意にこの子の封印を解く者を出さないようにしているだけでこの子の封印自体解いちゃいけないのかもしれない。でも今更無視して帰ったら何か神様に喧嘩売るというか怒らせてしまうかもしれない。仕方ない、まずは話だけでも聞いておこう。
「何で封印されたのか聞いていい?」
「人族が戦争ばっかり起こすから絶滅させようと思ったらね、封印されちゃったの。」
何それ怖い。
「へ、へぇ…じゃあもし誰かを無闇に傷つけないと誓ったら封印解除の手伝いをしてあげる。」
「無闇じゃないよ?人族が悪いんだよ?」
「人族にもいい子がいると思うし….」
「そういう事?うーん…仕方ないね、わかった約束する。」
本当にわかっているのか?まぁいいや、結構複雑な封印が何重もあるが解けない訳じゃない。
「こんなもの…こうして、こうだ!」
バキャ!バチン!ベキ!などと音を立てて鎖が両断させていく。意外と1分足らずに封印を解除してしまった。
「ありがとう。お姉さん!」
「そうだね、私も何かやらかした感があるよ…」
「僕お姉さんについて行っていい?」
「は?」
「今から外の世界がどれくらい変わったか見たいんだ!お姉さん色々楽しい場所知ってるんじゃないの?」
「いや、特に?」
「じゃあ一緒に探検しよ!」
「私学校あるんだけど。」
「じゃあ僕も学校行く。」
なんでこうなった…




