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「今度は黒雲か…」


初めてこの世界を見た時の事を思い出す。あの状況でよく今日まで生きてきたと思う。やっぱりヒエン達がサポートしてくれなかったら生きて来れなかったと思う。本当にエルフでよかった。皆には感謝してもしきれないな。


「なんかあったら俺達が守ってやるって!心配すんな。」

「ちゃんと皆でサポートしてあげる。」

「そうだよ!それにメディカも充分強いんだから!私達もいたら百人力だよ!」

「俺達のスマートな援護をもっと信じていいんだぜ?」

「ありがとう、頼んだよ。」


皆私が不安がっていると勝手に勘違いしている。けどまぁ少しやる気出たかな。


「あった。」


砂漠の真ん中で浮かんでいる黒雲を見つけた。鑑定しようとしたら見つかったみたいで遠くから無数の黒い雷を降らせてきた。驚いた私は皆の前に出て手を頭の前で交差させてみたが頭以外すべての部位に雷が貫いた。心臓を貫かれた時は驚いたけどスキルの根性と超回復で何とかなった。


「ちょっと驚いた。」


改めて黒雲を鑑定してみた


名称:呪い雲(または黒雲)

HP:500000/500000

MP:120000/120000

攻撃力:20

魔力:5000000

防御力:90

素早さ:500000000

魔法:黒雷

スキル:捕食の触手

称号:三大モンスターの一角、


詳細:10年に一回世界に現れるモンスター、寿命に限りはなく毎年出す被害者の量はモンスターの中で一番多いが、毎日一定の量を捕食しなければ消滅してしまう。最後に討伐に成功した者は500年前のユルギナ王国の英雄イリナだった。

親近感が湧いてきそうなステータスだな。それにしても早い…倒す方法はやはり一度捕食されて中から攻撃した方が良さそうだ。でもなぁ…こいつに捕食されたドラゴンは噛み砕かれたしな…生き残れるかな…


「皆一緒に捕食されてくれる?」

「は?」

「え?」

「ふぇ?」

「なんて?」


皆結構驚いている。作戦を説明したら少し悩んでいたけど了承してくれた。そのまま精霊共鳴して一つになる。


「じゃあ防御と速度重視で口の中に突っ込むよ!」


真っ直ぐに黒雲に突撃して捕食された。途中何度も身体中粉々にされたけど何とか倒せた。皆を隠れさせて一人で行ってもいいけど万が一皆が攻撃されたら無事でいられないかもしれない。それでも皆には済まない事をしたと思っている。共鳴中は痛みも共有する。たとえ痛覚耐性があっても辛かっただろう。


「ごめんね、ありがと。」


辛いはずだけど皆は笑顔で平気と言ってくれた。


最後は疑似太陽だ。地下深くに浮かんでいるらしい。もうひと踏ん張りだな。頑張ろう。


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